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「自分の家族をつくりたい」愛助(水上恒司)に六郎(黒崎煌代)の面影を重ねるスズ子(趣里)……10歳差の恋愛は実るのか!?

  • 2023.12.13

連続テレビ小説『ブギウギ』の第11週「ワテより十も下や」が放送中。スズ子(趣里)の大ファンである学生・村山愛助(水上恒司)が登場し、物語はスズ子の恋愛模様へ大きく舵を切っていく。

なぜスズ子は愛助から目が離せないのか?

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(C)NHK

愛知へ巡業に向かった先で、スズ子は愛助と出会う。スズ子の大ファンであることが丸わかりの20歳の学生・愛助は、たまたまスズ子や楽団員たちと宿屋で食事をともにしたのを機に、言葉を交わしたり、手紙を送ってきたりするようになった。

スズ子からすれば、少々若い追っかけファンができた、というところだろう。愛助が20歳の学生で、スズ子は30歳。10歳も下の相手であることから、すぐに恋愛には結びつかないようだ。

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(C)NHK

しかし、なぜかスズ子は愛助のことが気になっている。それは、戦死してしまった六郎(黒崎煌代)の面影を重ねているからかもしれない。学生服を着ているからといって、愛助と六郎の容姿は似ても似つかないが、なぜか彼を初めて見た瞬間にスズ子は、六郎の面影を想起した。

まだ、六郎が戦死してしまった傷が癒えていない証拠か。父・梅吉(柳葉敏郎)も香川に行ってしまい、スズ子自身も巡業で忙しく全国をまわる日々。物理的にも心理的にも、家族との距離が離れてしまったことで、スズ子自身も「自分の家族をつくりたい」「寄り添ってくれる理解者がほしい」と思い始めているのではないだろうか。

愛助からの告白に、スズ子は……

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(C)NHK

スズ子や小夜(富田望生)のいる下宿までやってきた愛助は、「一緒に蓄音機を聴きませんか」とスズ子を誘う。これから愛助による熱烈なアプローチが始まるのだろう。10歳下の学生を前に戸惑うスズ子の表情、そして、スズ子に悪い虫を寄せ付けないように、と鼻息を荒くする小夜の姿が浮かぶようだ。

スズ子は愛助からの告白を、どう受け止めるだろう。史実を見てみると、スズ子のモデルとなった笠置シヅ子も、当時大学生だった相手と事実婚をして第一子を授かっている。

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(C)NHK

物語が史実のとおりに進むとは限らないが、仮にスズ子と愛助も事実婚の関係になるとしたら……二人にとって、あまり歓迎できない顛末を迎えることになってしまう。

戦後にかけて、気落ちした日本を歌と踊りで励ましていくスズ子の存在は、現代の私たちにとっても元気をくれるかけがえのないもの。せめて今は、彼女の恋の行方を見守りたい。

 

※記事内の情報は執筆時点の情報です



ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。Twitter:@yuu_uu_