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【ネタバレ注意】「ゴンベエ(宇野祥平)がはな湯にいたのはなぜ?」朝ドラ『ブギウギ』がご都合主義でも受け入れられるワケ

  • 2023.11.24

弟・六郎(黒崎煌代)が徴兵され、がんであることがわかった母・ツヤ(水川あさみ)が亡くなってしまい、はな湯にはスズ子(趣里)と父・梅吉(柳葉敏郎)が残された。父はこのあとどうするのか、はな湯は存続できるのか、そしてスズ子の歌手としての未来は?

謎だった「ゴンベエの存在」

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(C)NHK

はな湯は赤字だ。これから立て直すにも、当時400円ほどは必要だった。ゴンベエが「ツヤさんからもらったお給金を貯めていた」と200円を差し出すが、到底たりず、その倍は必要な状況である。まさに万事休す。店を売るか閉めるかして、スズ子と梅吉はともに東京へ行く選択しかないように思えたが…。

なんとこのタイミングで、ゴンベエが昔、呉服屋の若旦那だったことが判明する。当時一緒に働いていたという三沢光子(本上まなみ)が、はな湯を訪ねてきたのだ。

ゴンベエが呉服屋を継いだ瞬間に経営が傾いた。人が良かったこともあり、周囲に利用されて借金が増え、道頓堀に身を投げたのだ。その後、記憶喪失になってしまったゴンベエは梅吉に拾われ、はな湯で働くことになる。

光子はずっと、いなくなってしまったゴンベエを想い、探していた。たまたま女中として働き始めた宿で、昔、ツヤが描いたゴンベエの似顔絵を見かけたことが、ふたたび二人を繋いだ。

ずっとゴンベエの存在が謎のまま進んでいた『ブギウギ』だったが、ここにきて彼の存在する意味がわかった。ゴンベエと同じく200円を貯めていた光子。二人は夫婦となってともにはな湯を継ぐ展開に。視聴者の反応は二分して、なかには「ご都合主義では?」との声もあるが、このドラマには不思議とそのご都合主義がハマる。

父・梅吉、そして歌の師匠・羽鳥との関係

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(C)NHK

11月27日から放送の第9週「カカシみたいなワテ」では、スズ子とともに東京にやってきた梅吉、そしてスズ子の歌の師匠でありジャズ作曲家・羽鳥(草彅剛)との関係性に光があてられるだろう。

六郎もツヤもいない状態で、スズ子と梅吉の関係性はどう変化するか。慣れない東京での暮らしもあり、間違いなく一悶着あるはずだ。次は梅吉が姿を消してしまう、そんな展開も想像できる。

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(C)NHK

そして、羽鳥とスズ子のタッグは、梅丸にとってさらに代え難いものになっていくだろう。二人が大きな存在になるほど、やりたい音楽、歌いたい歌……彼らの「理想」から遠ざかっていく可能性もある。しかし、パフォーマンスする場所がないと、羽鳥は指揮棒を振れない。スズ子だって歌えない。

「カカシみたいなワテ」の「カカシ」とは、何もできずにその場を傍観するしかない、スズ子のもどかしい気持ちを表しているのだろうか。

 

※記事内の情報は執筆時点の情報です



ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。Twitter:@yuu_uu_