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『下剋上球児』『VIVANT』『半沢直樹』…TBS日曜劇場がヒットし続ける理由とは?

  • 2023.11.16
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『半沢直樹』『天国と地獄~サイコな2人~ 』『TOKYO MER~走る緊急救命室~』『マイファミリー』『アトムの童』『VIVANT』。2020年から数えても、TBS日曜劇場は話題となった良作ドラマを連発している。とくにドラマファンじゃなくとも「日曜劇場は間違いない」と思わせる地位を築くまでに至ったのには、どんな理由があるのか?

男性主演+オリジナル脚本の流れ

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(C)TBS

とくに2020年以降の日曜劇場の特徴として、男性主演+オリジナル脚本の流れができている。

一部例外はあるものの、『天国と地獄~サイコな2人~ 』『マイファミリー』『オールドルーキー』『アトムの童』『Get Ready!』『VIVANT』、そして2023年秋クールで放送の『下剋上球児』(原案はあるが、ストーリーは完全オリジナル)まで、ほとんどが男性役者のメインに据えたオリジナル脚本ドラマが続く。

おそらく2021年放送の『天国と地獄~サイコな2人~』(高橋一生、綾瀬はるかのW主演)の成功が、この流れをつくったのではないか。お互いの中身が入れ替わるというストーリーと、この設定でも視聴者に違和感を抱かせない高橋一生、綾瀬はるか両名の演技力が功を奏した。最終回の世帯平均視聴率はおよそ20%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録している。

SNSを巻き込む考察ドラマに舵切り

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(C)TBS

『天国と地獄~サイコな2人~ 』は、まさに謎が謎を呼ぶミステリー作品だったこともあり、考察好きなドラマファンがSNSを盛り上げた。ドラマをリアルタイムで見守りながら、SNSで考察を繰り広げる。新しいドラマ視聴の形を決定的なものにし、その後『マイファミリー』『アトムの童』そして『VIVANT』へと快進撃が続く。

堺雅人主演、阿部寛や二階堂ふみ、二宮和也、役所広司、松坂桃李など間違いのない配役で固めた『VIVANT』は、最終回前にリアルイベントや緊急生放送までおこなうなど、視聴者に「リアルタイムでドラマを観てもらうこと」に徹底的にこだわっているように見えた。

配信サービスでの見逃し視聴スタイルが一般的になりつつあるタイミングで、久々に「決まった時間にテレビの前に集まってドラマを観る」ことの楽しさを思い出させてくれる作品でもあった。

2023年秋クール『下剋上球児』についても、主人公・南雲(鈴木亮平)が無免許で教師を名乗っていたことが判明し、その進退を問われる展開となっている。弱小野球部が甲子園を目指すまでの下剋上物語は、どんな展開となっていくのか。日曜劇場らしく、SNS上では考察が行き交っている。

 

※記事内の情報は執筆時点の情報です



ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。Twitter:@yuu_uu_