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NHK『大奥』家定(愛希れいか)瀧山(古川雄大)正弘(瀧内公美)“身分と性別を超えた”深すぎる絆とは

  • 2023.11.10

NHKドラマ10「大奥」Season2。男子だけがかかる奇病、赤面疱瘡の撲滅に奔走した人々を描いた「医療編」に続き、16話からは「幕末編」がスタート。赤面疱瘡が終息し、男子による相続が広まっているにも関わらず、12代将軍・家慶(高嶋政伸)は娘の家定(愛希れいか)を次期将軍に指名。兄の代わりに大奥に勤め、老中となった阿部正弘(瀧内公美)は、家定に度々呼び出される。その理由を知った阿部が、町で出会った瀧山(古川雄大)を大奥に呼ぶまでが描かれた。

瀧山(古川雄大)の美しさと迫力

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(C)NHK

今回印象深かったのは、なんといっても古川雄大演じる瀧山のさまざまな姿だろう。序盤の着流し姿は粋で、泥棒相手の大立ち回りがさまになっていた。その後正弘の前に現れた花魁姿は、長身で男感がありながらも艶やかで美しい。個人的には花魁になるために化粧をしているシーンにより色気を感じた。

その後大奥の総取締役となり、流水紋の袴に身を包んだ姿はキリッとしていて迫力があった。もちろん持ち前の美貌もあるが、古川が瀧山の持つ知性や品を表現していたからこそ、どの姿もより魅力的に見えたのだと思う。そして、正弘・家定・瀧山の、それぞれがそれぞれの光となるような関係性にも心を打たれた。

家定、正弘、瀧山、身分と性別を超えた絆

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(C)NHK

家定は実の父親である家慶に性的虐待を受けており、正弘を呼び出していたのは、その“いやなこと”を回避するためだった。正弘は何とか家定を救う方法はないかと考え、多忙な自分がいないときも彼女のそばにいられるような者がいないだろうか…と考え、町で出会った瀧山を思い出したのだ。

だが瀧山は、自分の身分では難しいと思うと一度は断る。彼は母親が罪を犯したために陰間として身体を売って暮らしており、ある意味では人生を諦めていたのだ。だが正弘の「(母のしたことは)そなた自身の咎ではない。何か言う者があれば、私は正面切って戦おうと思っておる。だからどうです、私に力を貸してはくれませぬか」という言葉に瞳と声をふるわせて感謝し、大奥で働くことを決意した。

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(C)NHK

総取締役となった瀧山は、正弘の命で家定のための奥を作った。「あなたを“いやなこと”から守るための奥ですよ」「この者たちは、あなたを守る砦にございます」瀧山の言葉を聞いたときの家定の表情には観ているこちらも心が震えた。照れ隠しなのか、わざと瀧山を違う名前で呼ぶ家定が愛おしい。

そして、家定に縁談の話が来た際、彼女が夫を持ちたくない気持ちを尊重しようとする正弘に家定は「そなたのために将軍になった。そなたが自在に空を飛ぶためにここに座っておるのだ、私は」と伝え、正弘は涙する。

身分や性別を超えて生まれる絆を感じられるのは、「大奥」の魅力のひとつだ。ラストでは、家定の夫となるため薩摩からやってきた胤篤(福士蒼汰)が登場。彼の登場で、物語はどう動くのだろうか。次回も楽しみだ。

 

※記事内の情報は執筆時点の情報です



ライター:ぐみ
熱量高めなエンタメライター・編集者。ドラマ・映画・アイドル・アニメなどのコラムやレビュー・インタビューや書籍の執筆・編集も手がける。コンテンツ編集(人気少女漫画や芸能人の公式コンテンツ制作のほか、広告制作、メディアの編集・立ち上げなど)を経て現在フリー。音楽とアイドルと物語とかき氷が好き。X(旧Twitter):@gumililium