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【プロ野球ドラフト】ソフトバンクが1位指名した"前田悠伍"はどんな選手?人気野球ライターが解説

  • 2023.10.27
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写真:PIXTA

プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」で、ソフトバンクに1位指名された前田悠伍(まえだ ゆうご)とはどのような選手なのか、人気野球ライターが特徴をご紹介いたします。

前田悠伍(大阪桐蔭高校)投手 - 左投左打

前田悠伍をはじめて“生”で見たのは、2021年秋の明治神宮大会だった。すでに“スーパー1年生”としてその名を知られていたが、実際にマウンドから投げる様を見て感じたのは“負けが想像しにくい投手”だということ。

正直、球速やボールの威力だけで言えば、過去に前田以上と断言できる投手は何人もいる。大谷翔平や佐々木朗希といった投手は当時から“モノが違う”という印象だったが、その一方で「負けるならこのパターン」という穴があった。ただ、前田にはその“穴”がほとんど見当たらなかった。1年秋の時点で、投げるボールのクオリティだけでなく、制球力やマウンド上での落ち着きは高校生離れしていた。高校野球界の超名門・大阪桐蔭で下級生ながら主力を張るのも納得だった。

事実、翌年春のセンバツでは大会を通じて防御率0.00をマークして同校を優勝へと導く。この時点で「もう、最後の夏まで負けないのでは?」と思うほどの完成度を見せつけていたが、結果的に3年間で甲子園の優勝はこの一度きり。最後の夏は大阪大会決勝で敗れている。

とはいえ、前田自身の評価が落ちたかというと決してそうではない。3年夏が終わったあとはU-18に選出され、ここでもエース格として世界一に貢献。高校1年秋から飛躍的な伸びを見せたワケでは決してないが、着実に成長した姿を見せてくれた。

プロに入れば、前田よりも“すごいボール”を投げる投手は大勢いる。それでも、投手の評価はそれだけではない。ボールのクオリティはもちろん、プロでも高校時代から見せつけていた“負けない投球”に磨きをかけ、エースへの道を歩んでほしい。

甲子園での戦績

2022年センバツ 優勝

2022年夏の甲子園 ベスト8

2023年センバツ ベスト4


花田雪(Kiyomu Hanada)
1983年、神奈川県生まれ。編集プロダクション勤務を経て、2015年に独立。ライター、編集者として年間50人以上のアスリート・著名人にインタビューを行い、野球を中心に大相撲、サッカー、バスケットボール、ラグビーなど、さまざまなジャンルのスポーツ媒体で編集・執筆。著書に『あのプロ野球選手の少年時代』(宝島社)『オリックス・バファローズはいかに強くなったのか』(日本文芸社)がある。

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