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【プロ野球ドラフト】広島が1位指名した"常廣羽也斗"はどんな選手?人気野球ライターが解説

  • 2023.10.27
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写真:PIXTA

「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」で、広島に1位指名された常廣羽也斗(つねひろ はやと)選手とはどのような選手なのか、人気野球ライターが特徴をご紹介いたします。

常廣羽也斗(青山学院大学)投手 - 右投右打

大分県内でも屈指の進学校である大分舞鶴の出身で、青山学院大へもスポーツ推薦ではなく指定校推薦で進学。入学当時は無名の存在だったものの、2年から投手陣の一角に定着し、その素質の良さは早くから関係者の間でも話題となった。その後、一時は故障に苦しんだ時期もあったものの、着実に力をつけて最終学年にはエースとなり、チームのリーグ戦春秋連覇、全日本大学野球選手権優勝にも大きく貢献している。

強く柔らかい腕の振りから投げ込むストレートはコンスタントに150キロを超え、数字以上に打者の手元で勢いが感じられる。140キロ台のスピードで鋭く大きく落ちるフォークは千賀滉大(メッツ)の“お化けフォーク”を彷彿とさせる必殺の決め球。それ以外にもカーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップなど多彩な変化球を操り、投手としての総合力が高い。また全日本大学野球選手権の決勝や、秋のリーグ戦でも優勝のかかる大一番で見事なピッチングを見せており、ここ一番で勝ち切ることができるという点は、豊作と言われる今年の大学生投手の中でも一歩リードしていると言えるだろう。

即戦力としての期待ももちろんかかるが、細身な体格のため、しっかり鍛えればまだまだスケールアップする可能性が高い。逆に懸念されるのは故障だ。肘を使って投げるフォームのため、出力が更に上がってくると体への負担は大きくなる可能性も高い。そのためにも1年目はフル回転というよりも、様子を見て鍛えながら起用していくのが得策だろう。ただ大学4年時の完成度で言えば、荘司康誠(楽天)を上回っていることは間違いなく、コンディションさえ問題なければ一軍でもある程度の勝ち星は期待できそうだ。

11月には大学生活最後となる明治神宮大会も控えている。チームにとっては春秋のリーグ戦、全日本大学野球選手権に続く四冠がかかる大会であり、またドラフト1位投手のお披露目の場としても、改めてその実力を存分に見せつけてくれることを期待したい。

大学時代の個人成績

2023年春 全日本大学野球選手権/MVP、最優秀投手

2023年秋 東都大学野球一部/最優秀投手


西尾典文(Norifumi Nishio)
1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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