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朝ドラ『ブギウギ』“草彅剛”演じる羽鳥善一が、スズ子に同じフレーズを何度も歌わせた本当の理由

  • 2023.11.10
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(C)NHK

ついに草彅剛が連続テレビ小説『ブギウギ』に登場した。彼が演じるのは、ジャズ作曲家・羽鳥善一。スズ子(趣里)のモデルとなった笠置シヅ子と、実際にコンビのような関係性を組んでいた服部良一がモデルとなっている。

表面上は笑顔だが、腹の中では何を考えているか読みきれない羽鳥。大阪から東京へとやってきたスズ子に、さっそく「レッスン」と称して何度も「ある曲」を歌わせる、その理由とは?

「気持ちに正直になる」ことで開けた扉

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「バドジズ デジドダ〜」という印象的なフレーズが、何度も何度も繰り返される。秋山(伊原六花)とともに東京へやってきたスズ子は、作曲家の羽鳥に引き合わされ、さっそくレッスンを受けることに。「楽しいお方も〜」から始まる「ラッパと娘」が練習曲で、「悲しいお方も〜 誰でも好きなその歌は」「バドジズ デジドダ〜」と続く。

何が気に入らないのか、スズ子に何度も同じフレーズばかりを歌わせる羽鳥。「福来くんが楽しく歌ってくれれば、それでいいんだ」「歌っていて、楽しいかい?」と意味ありげな言葉を重ねるばかりで、歌い方などの具体的な指示は何もしてくれない。

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(C)NHK

ついに「歌も羽鳥先生も嫌いになりそう」な境地までいってしまうスズ子。しかし、演出家・松永(新納慎也)の「(その)気持ちに正直に」と促されたことで、心のストッパーが外れた。

羽鳥の自宅へ突撃したスズ子は「歌も羽鳥先生も嫌いになりそう!」「先生を殺してやる、くらいの気持ちで!」と言いながら歌った。すると、やっと羽鳥とのチューニングが少しだけ合う感覚を得られたのだ。

圧巻のステージに忍び寄る“2つの”影

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(C)NHK

羽鳥が繰り返した「ジャズ」の感覚を掴みつつあるスズ子。本番直前までレッスンを続け、ついにステージ上で「ラッパと娘」を披露する日がきた。

ステージの端から端まで動き、踊り、口を大きく開けて歌うスズ子。演奏隊まで巻き込み、客席に向けて全力でパフォーマンスする。その後ろで指揮棒を振り上げる羽鳥の姿まで含めて、まさに圧巻のステージシーンだ。

この瞬間を境に、スズ子は完全に「ラッパと娘」を自分の曲にした。羽鳥はこの感覚を、言葉ではなく、実際に歌って踊ることで肌に染み付けてほしかったのかもしれない。

今後も羽鳥とスズ子のペアは、新たな衝撃を民衆に与えるだろう。そう考えると、すでに歌手として認知を得ている茨田りつ子(モデル・淡谷のり子)の存在が気に掛かる。これまでの出演は新聞上の写真に限られていたが、ついに第7週「義理と恋とワテ」からご本人の登場だ。

くわえて、スズ子の母・ツヤ(水川あさみ)のことも気がかりだ。「ただの風邪」のように見せているが、朝ドラで主人公の母(もしくは父)が亡くなる展開は、決して珍しいことではない。次にスズ子に訪れるのは、どんな“ドタバタ劇”だろう。

 

※記事内の情報は執筆時点の情報です



ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。Twitter:@yuu_uu_