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朝ドラ『ブギウギ』モデル・笠置シヅ子も“お節介“だったのか?子役・澤井梨丘がみせる一面

  • 2023.10.12

お節介で世話焼きな人間は、どこにでもいるものだ。どこまでが親切で、どこからがそうではなくなるのか、線引きが難しい。

連続テレビ小説『ブギウギ』で子役・澤井梨丘が演じる鈴子も、同級生の恋路を応援しようとしたり、梅丸歌劇団の同期の家庭事情に首をつっこんだりと、忙しない。果たして、鈴子のモデルである歌手・笠置シヅ子の人柄は?

笠置シヅ子本人も“お節介”だったのか?

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(C)NHK

『ブギウギ』主人公・鈴子のモデルは、戦後にかけて活動した歌手・笠置シヅ子だ。作中では、両親譲りと思われるコテコテの関西弁で話し、両親が営む湯屋で歌って踊り、低身長を理由に音楽学校に入れず、持ち前のガッツを発揮して歌劇団に押しかける……など、奔放な印象を受ける。

朝ドラの影響で書店に並ぶようになった笠置シヅ子の関連書籍を見てみると、彼女本人もコテコテの関西弁で話し、幼少期から歌や踊りを愛していたことがわかる。

澤井梨丘演じる鈴子は、梅丸歌劇団の同期に、家庭事情が複雑な子がいるとわかると、弁当を余分に作ってもらって分けるなどしていた。

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(C)NHK

実際の笠置シヅ子も、困っている人間を放っておけない人柄だったのか?

名曲『東京ブギウギ』で、知らない人間はいないほど名が売れた笠置シヅ子には、とくに当時の娼婦から賞賛の声が挙がっていたという。

彼女本人も訳あってシングルマザーだったこと、職業や立場など分け隔てなく人と接していたことなどが、戦後、娼婦や水商売人として生計を立てるしかなかった女性たちに響いたのだと思われる。

女性たちの間では笠置シヅ子のファンクラブが結成され、笠置シヅ子本人も、女性たちが社会復帰をするための援助をするなど精力的に動いた。『ブギウギ』で鈴子が、身近な人間のために良かれと思って動く姿を見ていると、さもありなん、と思える。

まさに自由奔放、天真爛漫、憧れのトップスターを間近にしながら自身の夢に猪突猛進する鈴子の姿は、朝ドラらしい活力をくれる。子役・澤井梨丘が表現する鈴子の一面は、その背景に、モデルである笠置シヅ子の人柄や当時の活躍ぶりさえ浮かび上がらせるようだ。

笠置シヅ子は、史実では、自身が養子であることを18歳の頃に知った、とされている。忠実に再現されている『ブギウギ』で鈴子がその事実を知るのも、同じ歳の頃だろうか。それが彼女の夢にどんな影響を与えるかと思うと、見守りたいような、目を伏せたいような心地にさせられる。

 

※記事内の情報は執筆時点の情報です



ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。Twitter:@yuu_uu_