日常生活では、何気ない瞬間にも数学の原理が隠されていることがあります。
今回取り上げるのは、そんな日常の中で役立つ数学の基本的な概念、「最小公倍数」に関する問題です。
最小公倍数を求めることは、ただの計算問題ではなく、効率的な問題解決能力を高める機会となります。
この問題を解くことで数学的思考力を鍛え、日常の様々なシチュエーションに応用する方法を見つけましょう。
問題
12と56の最小公倍数を求めなさい。
最小公倍数とは、二つ以上の整数に共通する倍数の中で最も小さい数を指します。
「倍数」とは、ある数を何倍かした数のことです。
例として、2の倍数には2、4、6、8…といった数があり、3の倍数には3、6、9、12…があります。
今回は12と56の共通する倍数を考え、その中で最も小さい数、すなわち最小公倍数を求めることが課題です。
では、この問題の答えはいくつになるでしょうか?
答えは「168」です。
解説
この問題を解く鍵は、まず12と56を素因数分解することです。
素因数分解とは、ある数をその素数の積に分解することを指します。
12の素因数分解:12=2×2×3
56の素因数分解:56=2×2×2×7
次に共通の素数を取り出し、それらを掛け合わせます。
共通する素因数が複数ある場合(この場合は2が2つ)、それらをすべて掛け合わせます。
また、共通でない素因数もすべて掛け合わせましょう。
これによって、最小公倍数を求めることができます。
これは、12の14倍および56の3倍となります。
まとめ
今回の問題では12と56の最小公倍数を求めることによって、数学の基本的な概念の一つである最小公倍数の計算方法を学びました。
小さな数では、倍数を列挙するだけで簡単に答えを見つけることができるかもしれません。
しかし数字が大きくなるとそのような方法では非効率で、時間もかかります。
そのような場合素因数分解を活用することで、より迅速かつ正確に最小公倍数を見つけ出すことができます。
文・監修:SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。