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あなたは「100!」が分かりますか?《大人が意外と知らない数学》

  • 2023.12.14
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「!」という記号は、数学の計算の記号ということをご存知でしょうか。

「階乗」といって、「その自然数以下のすべての自然数を掛け合わせる」という計算です。

たくさんの数を掛けるので、数は大きくなりますが、だいたいどれくらいの数なのかということを概算できるといいですよね。

今回は、実際の数は計算できなくても、末尾にゼロがいくつ並ぶのかを考えてみましょう。

必要な情報だけを抜き出して考える力が問われます。

問題

100!を計算すると、末尾にゼロはいくつ並びますか。

「100!」は「100の階乗」と読みます。100以下の自然数をすべてかけ算するという計算です。

もちろん実際に計算することはできないので、どうすれば末尾のゼロの数が分かるか考えてみましょう。

 

 

さて、今回の問題の答えは「24個」です。

解説

100!=100×99×98×97×・・・×3×2×1
このような計算になるわけですが、これを実際に計算するのは非常に大変です。

そこで、「末尾のゼロ」を数えるには「×10が何回されたかを考えてみましょう。

 

例えば、3×10×10×10×10という計算は、10を4回かけているので、末尾にゼロが4つ並びます。(30000)

そして、「×10」をさらに分解すると「×2×5」とすることができますね。

つまり「100!(100×99×98×97×・・・×3×2×1)」の中に、「×2(2の倍数)」と「×5(5の倍数)」が何回あるかをカウントすれば、「×10(10の倍数)」がいくつ作れるかが分かります。

さらに「×2」と「×5」では、「×2」の方が多くあるのは明らかです。(自然数の半分は偶数だから)

「×10」がいくつ作れるかは「×5(5の倍数)」の数を数えれば良いということになります。

 

さて、100以下の「×5(5の倍数)」は、100÷5=20なので20個

これでいいのかというと、実は不十分です。

例えば25という数は「5×5」となり、ひとつの数で「×5」をふたつ作ることができます。「25の倍数」が他にないか確認しましょう。

100÷25=4となり、「25の倍数」は4個あります。

 

上記から、20+4=24個の「×5」が作れることが分かりました。

「×2」はそれ以上あることが分かるので、100!の中には「×10」が24個あります。

よって、末尾にはゼロが24個並ぶということですね。

まとめ

「末尾に並ぶゼロの数」を考えるという問題でしたが、必要な情報だけを抜き出すと「×10の数」になり、それはさらに「×5の数」を数えるということになります。

複雑な数式の計算だけでなく、文章を読み解く力も数学では求められます。


文・編集(監修):SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。