算数のなかでも苦手な方が多いのは「速さ」の単元です。
「秒速」「分速」「時速」といった単位があり、それぞれの単位変換に苦戦した記憶があるのではないでしょうか。
しかし、「速さの意味」をしっかり理解していれば、計算は簡単なんです。
今回はそんな速さの問題に挑戦してみましょう。
問題
100mを20秒で走った場合、分速何mでしょうか。
「100mを20秒」という速さだから、秒速で計算して、それを分速に直して…。と考えた方もいるでしょうか。
さて、今回の問題の答えは「分速300m」です。
解説
速さの問題は学校のテストでよく問われるので、大人の皆さんは何となく覚えているでしょうか。「でもやっぱりわからない!」という方もいらっしゃると思います。
まずは速さの意味を確認します。「秒速」というのは「1秒間に進む距離」を表したものです。
同じように「分速」は「1分間に進む距離」、「時速」は「1時間に進む距離」を表します。
今回の問題は「100mを20秒で進む」ということなので、「1秒間でどれだけ進むのか」を考えると「秒速」を計算することができます。
100mを20秒で進むので、1秒あたりは
100÷20=5(秒速5m)
これを分速に直したいので
5×60=300
よって分速300m
もちろんこの解き方でもいいのですが、実はもっと簡単に計算ができるんです!
直接「分速」を求めてみましょう。
「100mを20秒で進む」ということは、20秒を3倍すれば1分 (60秒)になりますよね。
つまり、進む距離も3倍にすればよいのです。100m×3=300mが1分間で進む距離ということです。
したがって、答えは「分速300m」ということになります。
「1分あたり」を意識するだけで、とても簡単に計算ができますね。
まとめ
速さを求める時のポイントは「1秒あたり」「1分あたり」「1時間あたり」にそれぞれどれだけ進むのかを考えることです。
もちろん「秒速から分速に直す」という単位変換も大切ですが、速さの意味を知っていると、計算が簡単になりますね。
文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。