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大人が意外と間違える算数「204÷36の答えは?」→実は簡単に解けるんです

  • 2023.11.30
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大人になると多くの方が、計算の際に電卓を使うようになってしまいます。

そのため、小学校で習った計算規則を忘れてしまうことも珍しくありません。

大抵の計算は電卓でできるから大丈夫と思っていても「電卓ではできない計算」もあります。それは「あまりのあるわり算」です。

電卓でわり算を計算すると、小数点で答えが表示されてしまい、あまりを求めることができません。

あまりを求める必要があるときは、自分で計算をしないといけないのです。

今回は、あまりのあるわり算を簡単に計算する方法を確認してみましょう。

問題

次の計算をしなさい。(商は整数で求め、あまりも出すこと)
204÷36

もちろん筆算で地道に計算をしていくということも可能です。しかし、2〜3桁の計算になってくると少し大変そうですね。

もっと簡単に計算する方法はないでしょうか。

 

さて、今回の計算の答えは「5あまり24」です。

解説

大きな数のわり算の際には、次の性質を利用することができます。

わり算では、わられる数とわる数に同じ数をかけても、わられる数とわる数を同じ数で割っても、商は変わらない。

文章だと難しく感じるので、具体的な数字で確認してみましょう。

例えば「24÷6」という計算ですが、24と6はともに2で割ることができます。2で割ると12と3ですね。

このとき「24÷6」の答え(商)と「12÷3」の商は同じになります。さらに3で割って「4÷1」と考えてもいいですね。これらの商はすべて「4」です。

 

「なぜこの性質が成り立つの?」と疑問に思われる方は、分数の約分をイメージすると分かりやすいのではないでしょうか。

わり算は分数の形で表すことができ、その分数を約分することで、それぞれの計算が等しいということが確認できます。

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では、今回の問題「204÷36」を考えてみましょう。

204と36の共通してわり算ができる数を探して、計算式を簡単にしましょう。

「共通して割れる数」というのを見つけるのが大変そうですが、約分と同じように、少しずつ割っていくと良いでしょう。

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すると、「204÷36」の商は、「17÷3」の商と等しいということが分かります。(12で割ったことになります)

「17÷3=5あまり2」なので、今回の答えも「5あまり2」…としてしまうのは間違いです。

忘れてはいけないのが、「わられる数とわる数を同じ数で和った場合、変わらないのは商だけ」ということです。

今回の場合、あまりは12で割られているので、12をかけて元に戻さなければいけません。

したがって「5あまり24」というのが答えになります。(あまり2×12=24)

 

今回の計算をまとめると次のようになります。

204÷36
(この式のわられる数とわる数を12で割る)
→17÷3=5あまり2
あまりに12をかけて、元に戻す。
204÷36=5あまり24

まとめ

あまりのあるわり算は、電卓で計算することができません。

しかし、割り勘をするときなど、「あまりを考えなければいけない」というのは実生活でもよくある状況ではないでしょうか。

そのようなときに、この計算を活用してみてくださいね!


文・編集(監修):SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。