「約分」を習うのは小学5年生の算数です。
小学生が約分を習ったばかりのときは、「約分をし忘れてバツになってしまった」なんてことがあります。
約分のポイントは「公約数を見つける」ということですが、1桁や2桁くらいの数であれば難しくないはず。
しかし、問題によっては、公約数が見つからず、「約分はできない!」と思ったのに、実は約分ができたなんてこと、なかったでしょうか。
今回は、3桁の数でも簡単に約分ができてしまう裏技をご紹介します!
問題
次の分数を約分しなさい。
357/374 (374分の357)
分母と分子の公約数でわり算をして、より小さな数で分数を表すというのが約分です。
例えば、6/8(8分の6)は、8と6の公約数が2なので、2で割って3/4(4分の3)と表せますよね。
今回の問題も同様に、357と374の公約数を見つけることができれば、約分ができるはずです。
さて、今回の答えは「21/22(22分の21)」です。
解説
約分をするためには、約数を見つけなければいけません。
357が何で割れるのか、ということですが、2では割れない。3でも割れない…と地道に約数を見つけるという方法もありますが、かなり大変そうですよね。
実は、公約数を見つけるのに、次のような性質を利用することができます。
AとBの公約数は、(A-B)の約数と等しい。
このままでは、少し分かりにくいので、簡単な数字で確認をしてみましょう。
例えば、25と15の公約数を考えます。
(これくらいの数字であれば、実際にはこの方法を使わなくても解けますが、あえてこの方法でやってみましょう)
25ー15=10ですね。10の約数は1、2、5、10です。
つまり、25と15の公約数は、「1、2、5、10」のいずれかということになります。
(このすべてが必ず公約数になるわけではありません。これらが「公約数の候補」です。)
25と15の公約数は「1、5」ですね。約分の問題であれば、5で割れば約分ができます。
では、今回の問題で試してみましょう。
357/374の約分、つまり「357と374の公約数」を見つけなければいけません。
3桁の数の公約数は難しいので、その差を計算します。374ー357=17です。
17の約数は「1、17」というのは比較的簡単に分かるはずです。
よって、「357と374の公約数」の候補として「1、17」が得られました。
1で割るというのは、約分にならないので、17の方で割ることができるはずです。
357÷17=21
374÷17=22
したがって、357/374 を約分すると、「21/22(22分の21)」ということになります。
【補足】数学的な証明
「AとBの公約数は、(A–B)の約数と等しい」ということを数式で確認してみましょう。
A=a×c
B=b×c
とすると(AとBの公約数がcです)、
AーB
=a×c–b×c
=(a–b)×c
となり、A–Bの約数もまたcとなっています。
まとめ
「約分をする」という単純な問題ですが、数字が大きくなるだけで難易度が突然あがります。しかし、この裏技を知っているだけで、簡単に公約数を求めることができてしまうのです。
学校では習わない方法ですが、活用できる場面は多いはず!ぜひやり方をマスターしてみてください!
文・監修:SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。