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日本には“2匹のみ”。飼うには“1年待ち”の希少な大型犬。あまりに“モップすぎる姿”が衝撃すぎた。

  • 2023.11.25
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出典:chi_7465(@TiWodtyhEaQmG2T)さん

コモンドールという犬種をご存じでしょうか?ハンガリー原産の犬で、モップのようなモコモコの毛並が特徴の大型犬です。日本での飼育は非常に難しいため、ペット業界で働いている人でも本物を見たことがないという声も多い、とても珍しい犬です。

そんなコモンドールを日本で2頭(主水くんとリツちゃん)飼っているのが、chi_7465(@TiWodtyhEaQmG2T)さん。コモンドールにまつわる情報を日々発信してくれているのですが、ふふっと笑えるような興味深い内容をX(旧Twitter)上に投稿をされたので、ご紹介します!

それが、こちら!

これが、まさかコモンドールの毛でできているなんて驚きです!まるでドレッドヘアのような仕上がりですね。

ちなみに、コモンドールとはこのようなワンちゃんです。

 

 

まるでモップのような毛で全身が覆われています。初めて見た方も多いのではないでしょうか。

大きくてモコモコでとっても可愛らしいですが、お手入れも大変なため、犬に関しての知識や経験が豊富な方でないと、コモンドールの飼育は非常に難しいとのことです。

コモンドールを飼うには情報収集さえも大変

今回の投稿をされたchi_7465さんに、コモンドールについて詳しくお話をお伺いしました!

“毛”の管理に一苦労

---コモンドールの特徴でもある“毛”について教えてください。

コモンドールの毛(コート)はトリプルコートで、トップコートにアンダーコートが絡まって纏まっていくんです。普通の犬とは違い、抜けた毛は下に落ちずに一本の軸となる抜けない毛に絡まっていき、伸びながら段々と太い毛にまとまっていきます

コモンドールの毛は、粗く硬めでウェーブのかかったトップコート・油分が多く水をはじきやすい中毛・羊毛のように緻密で温度調節をするアンダーコートの3つの毛である“トリプルコート”で成り立っているそうなのです。

---毛は抜け落ちるわけでなく、くっ付いてまとまっていくんですね!

初めは綿の塊のようになるので、それを親指サイズに割いていくのですが、伸びるとまたくっ付くので、それをまた割いていく…という繰り返しです。そして長く伸びてくるとくっ付きづらくなってきます。毛は1年で10cm〜15cmくらい伸びるのですが、それを伸ばし続けたのが今の長さです。主水は4年物、リツは2年物です」

コモンドールを飼うには1年待ち!?

---コモンドールを飼育する上での大変さについて教えてください。

「最初はまず、コモンドールはどのようにすれば手に入るのかが全く分からず、調べることからスタートしました

---コモンドールに関する情報がとても少ないのですね。

いざ飼うとなっても、検疫の問題で1年は日本に来ません。しかも成犬になってから日本に来るので、先住犬との相性が合うかどうか分からないという不安もあります。さらに、コート(毛)の作り方がわかる人が日本にあまりいないので、全てにおいてどうすればいいか分からない、という点が大変でした

---検疫で1年も待つとは!実際に飼い始めてから一番大変なことについてもお聞かせください。

最も大変だったのはお風呂です。月1回のペースで入れるのですが、まず洗い方が分からない。そして毛が伸びるにつれ、洗うのにかかる時間も延びていくので負担も大きくなる。シャンプーは海外の大きなボトルを使っているのですが、湯水のごとくなくなっていきます」

---とても珍しい毛で覆われていますが、どのように洗うのでしょうか?

洗い方は『擦って揉んで絞って乾かす』です。最初の頃は2時間ほどかけて洗っていましたが、段々と慣れて1時間半に。しかし現在はコートが伸びたので3時間くらいかかります。またコートの硬さや密度が違うと時間も異なり、主水よりリツの方がすぐ終わります」

---乾かすのも大変そうですが……。

洗い終わって脱衣所に移動させたら脱走されて、寝室が水没したかのようになったことがありますが、慣れてくれば問題なくこなせます

---かなりの労力が必要そうですが、慣れとはすごいですね。

しかし最初の頃は、全てにおいて正解が分からなかったことがとにかく大変でした。今では日本で以前飼っていたブリーダーさんも分かりましたし、Instagramで海外のオーナーにも聞くことができるので心強く、特に問題はありません」

コモンドールに合わせた生活環境

---生活の面ではいかがでしょうか?

「寒い国の犬なので常に家のなかを寒くする必要があり、冬は窓を全開に、そして暖かい季節…というか、3月~11月は夏という感覚でエアコンを全開でかけています

---11月でも冷房を…!

「逆に暖房はコタツしか使いません。さらに、家の至るところに扇風機やサーキュレーターを置き、ほぼ1年中フル稼働しています。そのため、扇風機は早いと1年もたずに壊れてしまうことも」

---コモンドールの原産国はハンガリーとのことですが、日本の気候で飼うのはとても大変だと分かりました。

ちなみに海外、特に欧州ではお風呂には入れても年に1回です。ハンガリーの人曰く『ハンガリーのコモンドールは獣臭がして臭い。お宅のコモンドールは素晴らしく綺麗だ』とのことでした」

---お風呂に月1回入れているchi_7465さんの努力の賜物ですね!

「原産国のハンガリーでもコモンドールは珍しいらしく『日本に来て初めてコモンドールを見た』と、かなり言われました」

現在、コモンドールは日本ではchi_7465さんのお宅にしかいないのでは、とのことです。

2匹の性格の違い

---コモンドールの性格についても教えてください。

コモンドールは元々、羊を狼から守るガードドッグなので、とても縄張り意識が強く、他人が家に上がることは不可能に近いです。そのため、家にお客様を呼ぶことはできません。また頑固で仲間意識が高いことも挙げられます」

---chi_7465さんのお宅では、コモンドール以外のワンちゃんや猫ちゃんもいますよね。コモンドールがそれほど縄張り意識が高いと、他の犬との相性はどうなんでしょうか?

仲間意識が高いので、他人や他の犬となかなか仲良くなりません。以前、セントバーナードを飼っていたのですが、それより10倍頑固です」

---主水ちゃんとリツちゃんは、それぞれどんな子なのでしょうか?

主水はド田舎生まれで、あまり人や物が無いような凍てつく大地で育ったこともあり、日本の環境が違いすぎて外では常にビビっています。ですが、慣れるとどこでもゴロンと寝てしまいます。そして動いてくれません。リツは活発で、他の犬がモメると止めに入る素敵なレディーです

---コモンドールの貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!chi_7465さんの、ワンちゃんへの愛情が感じられ、とても温かい気持ちになりました。

コモンドールを飼うには、相当の覚悟と環境整備が必要

今回お話を聞かせてくださったchi_7465さんは、日本でコモンドールを飼育していますが、コモンドールに合わせた環境作りと日々のお手入れに相当な時間と労力をかけていることが分かります。

まだまだ情報は少なく、ペットショップで気軽に相談することも難しいでしょう。

とても可愛らしいワンちゃんではありますが、飼育するには相当の覚悟が必要になりそうです!



取材協力:chi_7465(@TiWodtyhEaQmG2T)さん