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体育の授業で骨折してしまった生徒 その後、父からの”度を越えた要求”に「常識的ではないと感じた」

  • 2023.10.29
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画像:PhotoAC

学校現場ではさまざまな保護者がおり、中には対応に困るほどの要求をされるといった話もあります。もちろん協力的な保護者の方が多いのでしょうが、いわゆる「モンスターペアレント」と言われるような対応の難しい保護者がいるのも事実です。

本記事では、高校生の保護者からの”度を越えた要求”についてご紹介します。

骨折した生徒の父親からの要求は…

30代の高校教諭が、以前担任した生徒の父親の度を越えた要求について教えてくれました。


私が初めて担任をした時に出会った、少し手を焼いた保護者の話です。

その生徒A君は物静かで、運動も苦手な生徒でした。

ある日、体育の授業でA君は右足を骨折してしまいました。保護者にお迎えのための連絡を取ると、18時ごろにお父さんが迎えにきてくれました。

骨折についてお父さんに一通り説明すると、A君のお父さんは

「怪我したのはこいつが弱いから仕方ないけど、明日から通学できないからしばらく休ませるわ

と言ったのです。しばらく休ませると聞いて、初めは言ってる意味がよくわかりませんでした。よくよく話を聞くと、お父さんの朝の出勤時間が早く、父子家庭であるため、A君を学校に送ることが困難とのことでした。

A君が怪我をしたのは、入学して2カ月ほどで学校に慣れてきた時期。ここで休んでしまうと本人も困ると思い、「なんとか送迎をしてあげれることはできませんでしょうか」と伝えました。

するとお父さんからは「それは無理。学校ってこういうときタクシーチケット出してくれるって聞いたことあるけど、出してよ」と言われたのです。しかし、タクシーチケットを出すという話はこれまでにもなく、お断りしました

その場は一旦話は終わったのですが、その後何度も何度もタクシーチケットのことや休ませることなどを電話で言ってきました

あまりにも電話が続くため、管理職の指示で、2週間ほど毎朝担任の私が迎えに行くことになりました。そのうちに、いつからか帰りも私が家まで送っていくようになりました。

それほど衝撃クレームではないのかもしれませんが、多忙な中送迎をすることはとても大変でかなりの負担でした。

その後の保護者会でもA君のお父さんからはお礼の言葉もなく、常識的ではないと感じました。

教師の仕事の境界線

教師の仕事には、授業を行うほかにも、プリントの作成や授業準備・書類の作成などさまざまなものがあります。もちろん保護者対応もその1つです。

しかし、今回のような子どもの送迎は教師の仕事の範囲を超えているのではないでしょうか。教師の多忙化が叫ばれ、今や「ブラック」とまで言われている先生たち。何でもかんでも先生に任せておくのは、先生の負担が増すばかりです。

子どもの成長を願うのは、保護者も教師も同じはず。保護者と教師が協力し合ってこそ、子どもたちの健やかな成長が望めるのではないでしょうか。

 



編集:TRILLニュース編集部

提供:高校教諭 / 30代

※この記事では媒体で募集し集めた体験談を掲載しています

※画像はイメージです