「インド式計算」という言葉を聞いたことはありますか?
インド式計算とはその名の通りインド特有の計算方法です。
通常日本の小学校では1桁×1桁までのかけ算を覚えますが、インドでは20×20までと2桁台まで暗記するそうです。
インド式計算を使えば2桁のかけ算もすぐ解くことができますよ。
問題
34×36は?
筆算すれば答えは出せますが、インド式計算を使えば簡単に答えを出せます。
まずは答えを見ていきましょう。
答えは「1224」です!
解説
インド式計算は、九九が出来れば問題ありません。
まずは2つの数字の組み合わせによって計算パターンを考えます。
「34×36」という数字の組み合わせは、下記のような特徴があります。
十の位の数字が同じ(3)
それぞれの一の位の数字を足すと10になる(4+6=10)
上記のような特徴があるかけ算の場合は、これからご紹介する計算方法で解けます。
①十の位の数字とそれより1大きい数字をかける。
→3×4=12
②それぞれの一の位の数をかける。
→4×6=24
③ ①と②の答えを順番に並べる
→1224
他の問題も解いてみましょう。
例:62×68
①十の位の数字とそれより1大きい数字をかける。
→6×7=42
②それぞれの一の位の数をかける。
→2×8=16
③ ①と②の答えを順番に並べる
→4216
よって答えは「4216」です!解き方を覚えてしまえば一瞬ですね。
- 十の位の数字が同じ
- それぞれの一の位の数字を足すと10になる
上記の特徴があるかけ算は、今回ご紹介したインド式計算の解き方を使えばとても簡単に答えを出すことができます。
【補足】
また、今回の計算方法が成り立つ理由を数学的に説明すると下記のようになります。
①2つの数の十の位が同じ。
②2つの数の一の位を足すと10になる。
この条件を満たす2つの数を10a+b、10a+(10-b)とする。(a,bは1桁の自然数)
このとき
(10a+b)(10a+(10−b))
=100a²+10a(10-b)+10ab+b(10-b)
=100a²+100a-10ab+10ab+b(10-b)
=100a(a+1)+b(10-b)
よって、
上2桁は「十の位の数と、それより1大きい数の掛け算、a(a+1)」、
下2桁は「元の数の一の位の掛け算、b(10-b)」
となっていることが分かります。
まとめ
条件に当てはまる場合しかこの計算方法は使えませんが、インド式計算の解き方はたくさんあります。
気になる方は他の解き方にも挑戦してみてくださいね!
文・監修:SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。
編集:TRILLニュース