イギリス黒人によるクリエイティビティの歴史

THE MISSING THREAD

イギリス黒人によるクリエイティビティの歴史

70sから現在に至るまで、イギリス黒人がファッションやデザイン、音楽、カルチャーに与えてきた影響を紐解く展覧会「THE MISSING THREAD: UNTOLD STORIES OF BLACK BRITISH FASHION」が、ロンドンのSomerset Houseにて2024年1月7日（日）まで開催中。

イギリスの豊かなファッションやデザインに大きなインパクトを与えてきた、黒人たちによるクリエイティビティ。
70sから現在までを網羅する本展では、そのスタイルと創造性がどのように進化し、音楽、写真、アート、デザインを通してファッション界に影響してきたかを検証する。

ファッションを展示の軸としながら、それを単一的に捉えるのではなく、イギリスの政治的・社会的な変遷や文脈を背景に、あまり知られていない文献や写真、動画などを通して紹介する総括的な内容となっている。

展示構成は、「Home」、「Tailoring」、「Performance」、「Nightlife」の4章立て。

オープニングの「Home」では、イギリス黒人の国際的なルーツと、彼らが人種差別の厳しい現実に直面した際に家族や友人、コミュニティに見出した安全性について掘り下げる。
次章の「Tailoring」では、反抗心や願望、プライドの表明として実践されてきたテーラリングについて、続く「Performance」では「見られる」ことをめぐるパフォーマンス行為が、多くのイギリス黒人にとっていかに日常生活の一部となったかについて探っていく。

そして「Nightlife」は、メインストリームにとらわれることなく黒人クリエイターたちが出会い、ネットワークを築き、アイデンティティーを安全に表現できる場となったナイトライフがテーマとなっている。

また展覧会の最後には、大英帝国勲章（OBE）を授与された黒人テイラー兼デザイナーの故 Joe Casely-Hayfordによる貴重なアーカイブ作品を展示。
その他、現在イギリスで活躍するデザイナーであるNicholas Daley、Bianca Saunders、Martine Rose、Saul Nashらのコンテンポラリーデザインも随所で紹介され、英国ファッションにおける卓越した黒人クリエイターたちの系譜がたたえられている。

沈黙の裏で脈々と受け継がれ、育まれてきた先駆的なヴィジョン。
今日の英国文化を形作る、ブラック・カルチャーの誇りが明かされる。



SOMERSET HOUSE
+44 (0)20 7845 4600



【THE MISSING THREAD: UNTOLD STORIES OF BLACK BRITISH FASHION】
DATE：2024年1月7日（日）まで開催中
※月曜、12月31日（日）休館
TIME：10:00am～6:00pm
※木曜、金曜は12:00pm～9:00pm
※12月24日（日）は4:00pmまで
※入場は閉館の30分前まで
PLACE：Somerset House (East Wing Galleries)
ADDRESS：Strand, London WC2R 1LA, UK
ADMISSION：一般 £12
WEBSITE：www.somersethouse.org.uk/press/morgan-stanley-exhibition-missing-thread