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「お札がくしゃくしゃ」「中身が3000円」だったケースも!?いまさら聞けない“最低限”のご祝儀の基本、マナーコンサルタントが解説

  • 2023.10.3
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いまさら聞けない「ご祝儀」の基本をチェック
いまさら聞けない「ご祝儀」の基本をチェック

結婚式に招待された際に渡す「ご祝儀」。金額をいくらにするのか、包み方はどうすればいいのか…など、準備する上で迷うことがある人も多いと思います。一方で、ご祝儀を受け取った側から「1000円札が30枚入っていた」「お札が全部くしゃくしゃだった」「正直、3000円は少なすぎると思ってしまった…」といった驚きのエピソードが聞かれることもあるため、最低限のマナーは意識したいもの。

そこで、「いまさら聞けないご祝儀のマナー」「やってはいけないご祝儀」について、一般社団法人「マナー&プロトコル・日本伝統文化普及協会」(東京都港区)代表理事で、皇室のマナー解説やNHK大河ドラマのマナー指導などでも活躍する、マナーコンサルタントの西出ひろ子さんに教えていただきました。

金額は「相手との関係性」で変動

ご祝儀は、お祝いの気持ちを表すために贈る金品を意味します。結婚式や披露宴に出席する際には、ご祝儀袋に包んで渡す現金を指すことが多いですね。今回は、現金でご祝儀を準備する際、特に意識することが求められるマナーをご紹介します。

【お札】

ご祝儀は、新札を入れることが基本です。

マナーは気持ちをカタチにして表します。お祝いや喜びの気持ちを新札で表現するわけですね。新しい門出となる結婚のご祝儀には、新札が合います。

ご祝儀袋への入れ方は、お札の表面が袋の表面に、人物の顔が上に向くように入れます。新札を用意する時間がないという場合もあるでしょう。しかし、可能であれば新札を用意しましょう。銀行によっては、両替機に新札が用意されています。

「お札がくしゃくしゃで、汚れている」「1000円札を大量に使う」などで不快な思いをしたケースもあるようですが、このようなご祝儀を受け取った場合、お祝いどころか、嫌みと受け取られる可能性があるので、気を付けましょう。

また、新札を準備したにもかかわらず、ポチ袋など小さめの袋に折り曲げて入れるのは残念です。控えた方がよいでしょう。

【金額】

一般的な相場はありますが、披露宴会場や相手との関係性、また現金のご祝儀以外に結婚祝いとして品物を贈るかどうかなどに応じて変動します。一般的に、結婚式や披露宴に参加する場合は次の通りです。

・家族・親族…3〜10万円程度・会社関係者…3万円程度・友人…3万円程度

結婚披露宴に招待されていない場合や、欠席する場合は、結婚祝いとして品物を贈ったり、現金の場合は1万円をご祝儀袋に入れて贈ったりしてもよいですね。もちろん、それは3万円でも構いません。互いの関係性と気持ちに応じて金額を考えましょう。

次に、ご祝儀について一般的によく聞かれる質問にお答えします。

【質問1】ご祝儀袋を開けたら3000円しか入ってなくて、正直「少ない」と思ったのですが…

「結婚祝い金として3000円は少なすぎる」と思ったケースです。どのような場面で受け取ったのか、またその関係性にもよりますが、マナーの心として、少なくともお祝い金として贈られたことに感謝する気持ちは持っていてほしいと思います。

ただし、例えばそれがホテルでの披露宴に招かれたときのご祝儀だったなら、少ないと思うことは理解できます。ホテルの結婚式場で行われる友人の披露宴に参加する場合には、3万円のご祝儀をお渡しするのが一般的といわれています。この内訳としては、1万5000円がお食事代、残る1万5000円がお祝い金という考え方です。

自分が贈る側に立った際に、自分がされて不快に思うことはしないというのも大切なマナーといえるでしょう。

【質問2】ご祝儀を渡す際に、控えた方がいいことを知っておきたいです

日本では、結婚祝いのご祝儀において、「割り切れる偶数の数字は用いない」といわれています。「ご縁が割れる」と連想されるというゆえんです。

とはいえ、諸事情から2万円を贈るときもあります。そのような場合は、お札の枚数を奇数にして偶数を避ける手段もあります。2万円の場合は、「1万円札を1枚、5000円札を2枚入れて計3枚にする」ということです。

ただし、最近では「2は倍に幸せになる」などプラスの意味合いにつなげる考えもあり、以前のように気にする人は減少傾向にあります。

【質問3】友人との連名のご祝儀はアリですか? それともナシですか?

友人と連名でご祝儀を贈っても構いません。ただし、金額は2人分を入れます。このとき、1人3万円の場合は、2人分で6万円を入れることになるので、偶数になります。それに違和感がある場合は、やはり、各々で贈る方が無難です。

どうしても連名で贈りたい場合は、5万円を入れて、他に1万円分のお祝いの品を贈るケースもあります。夫婦や、兄弟姉妹での連名のときに多く見受けられます。

【質問4】結婚式当日、ご祝儀を持ってくるのを忘れてしまったら…どうすればいいですか?

もしも、式当日にうっかりご祝儀を忘れた場合には、次の2通りが考えられます。

・受付にその旨を正直に伝え、後日必ず贈ることを伝える・ATMで現金を引き出し、コンビニで祝儀袋と筆ペン、白いハンカチを購入し、お札を入れ、表書きを書いて受付でお渡しする

後者は、新札が出てくればいいのですが、そうでないときにはやむを得ないでしょう。前者は、後日新札を用意して贈ることができます。

なお、祝儀袋は本来「ふくさ」に包んで持参しますが、先述のように急遽、用意をした場合は、透明の袋から出して新品の白いハンカチに包み、お渡しするとよいですね。

* * *

ご祝儀にも、さまざまな言い伝えやしきたりなどの慣習があります。しかし、いつの時代にも変わらずそこにあるのが、マナーの心です。ご祝儀は、お祝いの気持ちの表れです。人は千差万別、さまざまな人にあなたの気持ちが誤解されないよう、形で表現していけたらいいですね。

また、マナーはお互いさまです。自分の考えや所作と異なる人がいても「それは違う、間違っている」などと決めつけないこと。それこそが、究極のマナーといえるでしょう。

オトナンサー編集部

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