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福岡が舞台の超話題作『鏡の国』著者・岡崎琢磨さんにインタビュー!

  • 2023.10.2

こんにちは。リビングふくおか・北九州Web地域特派員のクリア水です。今回なんと、話題作『鏡の国』の著者、岡崎琢磨さんにインタビューさせていただきました。

構想3年『鏡の国』

今年9月14日発売されたばかりの岡崎琢磨さんの新刊ミステリー。福岡が舞台の話題作で、本屋さんに行ったら「話題作コーナー」に平積みにされるほど注目されている本。すでに売り切れている書店もありましたよ。

あらすじ

大御所ミステリー作家・室見響子の遺稿が見つかった。それは彼女が小説家になる前に書いた『鏡の国』という私小説を、死の直前に手直ししたものだった。「室見響子、最後の本」として出版の準備が進んでいたところ、担当編集者が著作権継承者である響子の姪に、突然こう告げる。「『鏡の国』には、削除されたエピソードがあると思います」――。
◆担当編集者が感じる違和感とは

「担当編集者が感じたという違和感はどこだろう?」 「本当にエピソードは削除されたのかな?」 「違和感の正体に何か秘密が隠されているのかもしれない」 そう思いながら、すみずみまで見落とさないようにじっくり読んでいきました。次の展開はどうなるんだろう?とドキドキして惹き込まれていきました。

最後まで読み、鏡の国の秘密を知った時、驚きの真実に「そうだったのか〜」と思わず一人で声が出てしまいました。見えていたものが反転するという体験は、衝撃でした。

◆福岡が舞台

小説の中に小説が出てくるんですが、舞台が福岡なんです。だから読んでいて情景が思い浮かびます。中の小説は出だしが「国体道路を大名方面に」から始まるので読んだだけで心が躍ってしまいます。他にも、室見川とか、大濠公園とか、天神とか、馴染みの地名が出てくるので福岡ゆかりの方は読んでいて楽しいと思いますよ。

著者・岡崎琢磨さんインタビュー

岡崎さんとの待ち合わせは天神・岩田屋本館7階にある本屋さん「文喫 福岡天神」です。ここもステキだったので取材させていただきました。後日レポートします。

岡崎琢磨さんプロフィール 福岡県生まれで京都大学法学部卒の人気ミステリー作家。2012年第10回『このミステリーがすごい』大賞の最終選考に残った『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』でデビュー。原稿を手直ししていわゆる「隠し玉」として出版されたところ、数ヶ月で40万部を超えるベストセラーになる。『珈琲店タレーランの事件簿』シリーズは累計250万部を超える。

◆『鏡の国』、すごく話題ですね

そうなんです。本屋さんに行っても平積みされているので、そのような場面を見るとやはり嬉しいです。発売後即重版が決まったんですよ。テレビでも取り上げられました。

◆ミステリーをそこまで読んでこなかった人も楽しめる内容ですね

はい、ミステリーファンはもちろんですが、ミステリーを普段読まない人、若い人にもぜひ読んでほしい一冊です。ミステリーって人が死ぬばかりではないと思ってほしいと思って書きました。今までは本格ミステリーを書いてきましたが、『鏡の国』はサスペンス寄りのストーリーを意識しました。最後まで興味を持って読み進めてもらえる「たくらみ」が入っていますよ。

◆コロナ禍のエピソードが入っていますね

そうなんですよ。コロナ禍が始まる前の3年前に小説の構想をスタートしました。その間に世間はコロナ禍に。そして小説が発売される今、コロナウイルスが5類に変更となりました。コロナ禍じゃないと経験できないエピソードや、コロナ禍こそのアイデアをストーリーの中に入れることができました。コロナウイルスが流行った時代の作品として書き上げることができて良かったと思います。

◆普段どんなふうに小説を書かれているのですか?

ミステリーなので、事前にしっかり最後まで固めてから書き始めます。書き始めたらずっと集中するというより、2〜3行書くたびにウロチョロするという手法なので、基本的に家で書いています。

◆この作品は「ルッキズム」をテーマにされていますが、作中に出てくるような病気は多いのですか?

そうです。自分の見た目に苦しむ病気(身体醜形障害)、人の顔が判別できない病気(相貌失認)も思った以上に多いのです。本人は気づいていないことも多いのですよ。見た目のことで苦しむ全ての人にこの話を届けたいです。

◆最後に福岡のファンの方に一言

福岡を舞台にした作品なので、ご存じの地名もたくさん出てきます。地元ならではの楽しみ方でこの小説を楽しんでいただけたら幸いです。

読書の秋!ぜひ『鏡の国』へ
出典:リビングふくおか・北九州Web

『鏡の国』は最初、福岡市内の知っている地名やコロナ禍エピソードに親近感を覚えて読み進んでいきましたが、気がついたら不思議な別の世界に入り込んでいました。こんな時間はとっても贅沢ですね。これが小説を読む醍醐味だよな〜としみじみ実感しました。

読書の秋、ぜひ『鏡の国』の不思議な世界に入ってみてはいかがでしょうか。

『鏡の国』 著者 :岡崎 琢磨 出版社 : PHP研究所 税込価格: 2,200円(本体価格2,000円)

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