1. トップ
  2. おでかけ
  3. 【上野】東京国立博物館 浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念 特別展「京都・南山城の仏像」信仰と祈りの美

【上野】東京国立博物館 浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念 特別展「京都・南山城の仏像」信仰と祈りの美

  • 2023.10.2
二つの都の信仰と祈りの美 京都・南山城の仏像

東京国立博物館で開催中の浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念 特別展「京都・南山城の仏像」[2023年9月16日(土)~11月12日(日)]を見て来ました。

京都府の最南部、木津川(きづがわ)流域の奈良県に隣接する地域は、京都の旧国名・山城国(やましろのくに)にちなんで「南山城(みなみやましろ)」と呼ばれます。

奈良の都・平城京(へいじょうきょう)と、京の都・平安京(へいあんきょう)の二つの都の信仰と祈りが育んだ「京都・南山城の仏像」から、国宝、重要文化財の仏像が一堂に会する展覧会です。

およそ110年ぶりに大規模な修理が行われた浄瑠璃寺(じょうるりじ)の九体阿弥陀(くたいあみだ)修理完成記念の特別展です。

※特別な許可を得て撮影しています。会場内は撮影禁止です。

 

出典:リビング東京Web

東京国立博物館

仏像彫刻の宝庫・南山城 平安時代400年の変遷をたどる

飛鳥(あすか)時代から奈良(なら)時代にかけて、寺院が創建されてきた南山城。 平安(へいあん)時代、奈良の大寺院や、中央の平安貴族と結び付きが強まり、優れた仏像彫刻が作られます。

南山城は、平安時代400年の変遷をたどることができる仏像彫刻の宝庫です。

平安時代初期、木彫の代表作 重文《十一面観音菩薩立像》

海住山寺(かいじゅうせんじ)を再興した鎌倉時代の興福寺僧・貞慶(じょうけい)の念持仏(ねんじぶつ)と伝わる重文《十一面観音菩薩立像》。

平安時代初期の木彫の代表作とされます。像高45.5㎝の一木造り。端正な目鼻立ちに、はっきりと刻まれた衣文。全身を弓なりに反らせて右足を少し曲げた流麗な姿。

小ぶりながら、高い技術で彫り出された造形美。見る者の心を惹きつけ、自然と手を合わせ人々を信仰へと導く静かな存在感があります。

 

出典:リビング東京Web

重要文化財 十一面観音菩薩立像 平安時代(9世紀) 京都・海住山寺蔵

国宝《阿弥陀如来坐像(九体阿弥陀のうち)》、国宝《広目天立像(四天王のうち)》、国宝《多聞天立像(四天王のうち)》

浄瑠璃寺(じょうるりじ)の九体阿弥陀(くたいあみだ)と九体阿弥陀堂(くたいあみだどう)は、現存唯一の当時の彫像と堂宇が残る寺院です。 会場全体を明るく照らすかのように黄金に輝く国宝《阿弥陀如来坐像(九体阿弥陀のうち)》。

丸い顔立ちや浅い衣文の襞(ひだ)など定朝様(じょうちょうよう)の特徴が見られます。 平安時代後期、末法思想(まっぽうしそう)への恐れと、阿弥陀如来のおわす極楽浄土(ごくらくじょうど)への往生(おうじょう)を願う浄土信仰(じょうどしんこう)が平安貴族を中心に盛んになりました。

現世での行いの因果応報(いんがおうほう)により九品、9段階の極楽往生があるとされ、それに関連する九体阿弥陀と専用のお堂が作られたそうです。

国宝《阿弥陀如来坐像(九体阿弥陀のうち)》の静かな慈悲深い眼差しは、心の奥底まで照らすかのよう。平安貴族が求めた心の平安が伝わります。

 

出典:リビング東京Web

国宝 阿弥陀如来坐像(九体阿弥陀のうち) 平安時代(12世紀) 京都・浄瑠璃寺蔵

両脇に並ぶ、四天王のうち、国宝《多聞天立像(たもんてんりゅうぞう)》(左)、国宝《広目天立像(こうもくてんりゅうぞう)》(右)。品格のある立ち姿。鮮やかな彩色と截金が残ります。

 

出典:リビング東京Web

中央、国宝 阿弥陀如来坐像(九体阿弥陀のうち) 平安時代(12世紀)、左、国宝 多聞天立像(四天王のうち)、右、国宝 広目天立像(四天王のうち) 平安時代(11~12世紀) 京都・浄瑠璃寺蔵

禅定寺(ぜんじょうじ)創建当時からの御本尊、重要文化財《十一面観音菩薩立像》

像高約3メートルの巨大な重要文化財《十一面観音菩薩立像》。柔和な顔立ち、なだらかな体付きは和様化し始めた平安時代中期の特徴を表しているそうです。

藤原家の援助を受けて東大寺(とうだいじ)の平崇上人(へいそしょうにん)が創建した禅定寺。創建当時からの御本尊と伝わる本像は、東大寺ゆかりの仏師が関わったと推定されているそうです。 奈良との繋がりも深い京都・南山城の仏像です。

 

出典:リビング東京Web

重要文化財 十一面観音菩薩立像 平安時代(10世紀) 京都・禅定寺蔵

鎌倉時代 慶派仏師・行快(ぎょうかい)作《阿弥陀如来立像》

鎌倉時代、奈良で活躍した慶派仏師・行快(ぎょうかい)作の重文《阿弥陀如来立像》。 行快は、快慶(かいけい)の有力な弟子でした。平成11年(1999)の解体修理で像内から取り出された文書に「過去法眼快慶」の記載があり、快慶没年の時期下限がわかるとか。

快慶は、鎌倉時代の慶派仏師の棟梁・運慶(うんけい)とともに戦火で焼失した東大寺を再興した仏師です。 また同じく像内からの文書「現在過去帳」の裏書により、本像の作者は行快だとわかるそうです。

整った顔立ち、細かく刻まれた衣文線は師の作風を引き継いでいながら、行快独自の作風も見られると言われています。南山城での慶派仏師の活動がわかる作例です。

 

出典:リビング東京Web

重要文化財 阿弥陀如来立像 鎌倉時代・嘉禄3年(1227) 行快作 京都・極楽寺蔵

「京都・南山城の仏像」祈りと信仰の美

仏教伝来の6世紀半ば頃から、寺院が建立されていた南山城。

740年、聖武天皇(しょうむてんのう)の勅命により、瓶原(みかのはら)に恭仁京(くにきょう)が置かれると、国分寺、国分尼寺建立の詔、大仏建立の詔、墾田永年私財法など重要な政策が出された地でもあります。 平安時代以降、奈良と京都、二つの都の仏教信仰と文化が融合し生まれた仏像彫刻とそれを守り伝えてきた信仰と祈り。

東京国立博物館、浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念 特別展「京都・南山城の仏像」。国宝、重要文化財の仏像彫刻がそろう全てが見どころありの展覧会です。

心が洗われるような清々しさを感じさせてくれる「京都・南山城の仏像」の信仰と祈りの美の造形。秋の一日、是非お出かけください。

 

出典:リビング東京Web

左から、重要文化財 地蔵菩薩立像 平安時代(12世紀) 京都・浄瑠璃寺蔵(展示期間:9月16日(土)~10月9日(月・祝)、10月27日(金)~11月12日(日))、重要文化財 十一面観音菩薩坐像 鎌倉時代(13世紀) 京都・現光寺蔵

特別展ミュージアムショップのミュージアムグッズ

特別展のミュージアムグッズは、仏像大使 おくすり手帳(550円)、福寿園オリジナル缶 煎茶(702円)、どんなあじ?ティーパック かぶせ茶(540円)、ポストカード(150円)、クリアポーチ 千手観音(770円)を購入。

福寿園オリジナル缶 煎茶は、馥郁とした香り。仏像大使 おくすり手帳は表紙が浄瑠璃寺の《薬師如来坐像》(展示期間:10月11日(水)~26日(木))です。

 

出典:リビング東京Web

特別展のミュージアムグッズ 東京国立博物館

〇東京国立博物館 URL:https://www.tnm.jp/ 住 所:〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9 アクセス:JR 上野駅公園口・鶯谷駅南口から徒歩10分、東京メトロ上野駅・根津駅、京成電鉄京成上野駅から徒歩15分 お問合せ:050-5541-8600 (ハローダイヤル) 開館時間:9時30分~17時 ※11月から総合文化展は毎週金・土曜日は夜19時まで ※入館は閉館の30分前まで 休 館 日:月曜日(祝・休日の場合は翌平日休館) 観 覧 料(総合文化展):一般 1,000 円/大学生 500 円 ※特別展は別料金になります。黒田記念館は無料です。 ※総合文化展は、事前予約不要です。入館方法の詳細は東京国立博物館ウェブサイトをご確認ください。 ※高校生以下、および満18歳未満と満70 歳以上の方は総合文化展は無料。入館の際に年齢のわかるものをご提示ください。 ※障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に障がい者手帳などをご提示ください。 ※開館日・開館時間・展示作品・展示期間等、今後の諸事情により変更する場合があります。最新情報は、東京国立博物館ウェブサイト等でご確認ください。

〇浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念 特別展「京都・南山城の仏像」 会期:2023年9月16日(土)~11月12日(日)※会期中一部展示替えがあります。 会場:東京国立博物館 本館特別5室 開館時間:9時30分~17時 ※11月3日(金・祝)、4日(土)、10日(金)、11日(土)は19時まで 休館日:月曜日(ただし、10月9日は開館)、10月10日(火) 観覧料:当日 一般 1,500 円 大学生 800円 高校生 500 円 (注)中学生以下、障がい者とその介護者一名は無料です。入館の際に障がい者手帳などをご提示ください。 (注)混雑時は入場をお持ちいただく可能性があります。 (注)本券で、特別展観覧日当日1回に限り、総合文化展も観覧できます。 (注)詳細は、展覧会公式サイトチケット情報のページでご確認ください。

〇特別展ミュージアムショップ 営業時間:特別展の開館時間に準ずる

元記事で読む
の記事をもっとみる