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一年中味わえるドラマティックな金沢のかき氷「喫茶ウミネコパーラー」

  • 2023.9.30

兼六園横の坂を上り、真っ直ぐと続く石引商店街。金沢の中でも特に活気のある商店街です。約300メートルの通りは学生街として栄え、個性溢れる店が軒を連ねています。2019年に能登から移転オープンした「喫茶ウミネコパーラー」もその一つ。名物は季節に合わせてメニューが変化しながら一年中提供されるかき氷です。

一年中味わえるドラマティックな金沢のかき氷「喫茶ウミネコパーラー」
一年中味わえるドラマティックな金沢のかき氷「喫茶ウミネコパーラー」
一年中味わえるドラマティックな金沢のかき氷「喫茶ウミネコパーラー」
商店街の中にある小さなお店

「喫茶ウミネコパーラー」は全国のかき氷愛好家にも知られる人気店。金沢の老舗氷店「クラモト氷業」から仕入れて削るふわふわな氷と、フルーツやクリーム、ナッツにチーズといった様々な食材を組み合わせたフレーバーが魅力です。席に届いた時にはそのボリュームに驚きますが、食べ進めていくと氷の中に意外な食材が隠れていたり、間にもシロップがたっぷりかけられていたりと、最後まで食べ飽きることなく完食できてしまうこともさらに驚かされます。

一年中味わえるドラマティックな金沢のかき氷「喫茶ウミネコパーラー」
(左)ヤマソービニオンスパークリング 1800円〜 ※時期や内容により変動(右上)フレーバーに使うシロップなどは全て自家製(右下)エスプーマによってドルチェのような仕上がりに

今回いただいたのは、同店の夏のスペシャリテ「ヤマソービニオンスパークリング」。味付けは5層になっていて何度も変化が楽しめます。下から順に自家製の練乳、ナッツ、ほのかに酸味のある山ぶどうソース、チーズフレーバーのミルクがかけられ、トップにはヤマソービニオンのスパークリングエスプーマをたっぷりと。

一年中味わえるドラマティックな金沢のかき氷「喫茶ウミネコパーラー」
氷というシンプルな素材がベースだからこそあらゆるテクスチャーや色、味の組み合わせが楽しめる

日本の山葡萄と赤ワインの原料として知られるカベルネソーヴィニヨンを掛け合わせた希少な交配種・ヤマソービニオン100%のジュースを原料に、口当たりがシュワッとするスパークリングエスプーマ。仕上げに塩味のあるパルミジャーノ・レッジャーノチーズと口に含んだときにふわりと香る燻製ナッツを合わせ、かき氷のフレーバーとは思えないような組み合わせは、新たな食体験を運んでくれます。

一年中味わえるドラマティックな金沢のかき氷「喫茶ウミネコパーラー」
(左)オリジナルの氷旗(右)窓から石引の風景が眺められる2階席

提供時から食べ進めていく間、食べ終えた時まで何度も訪れる驚きの連続。一皿に詰め込まれたドラマは、まるでモダンフレンチのコースを頂いているような満足感があります。

店主の足立秀幸さんは、このウミネコパーラーのオーナーでありながら、看護師としても活動するアグレッシブな方。「元々料理の世界の人間ではないので」と謙遜しながらも、ユニークな組み合わせを探求し、週替わりでどんどん新たなメニューを出すなどやお客様に喜んでもらえる工夫を常に考えているそうです。足立さん自身地元のフレンチやイタリアンなどレストランのシェフとのつながりもあり、そういった方々から受けた刺激も、かき氷のフレーバーとしてフィードバックしたいと話します。

一年中味わえるドラマティックな金沢のかき氷「喫茶ウミネコパーラー」
(左)ピスタチオチーズケーキ500円とドリップコーヒー450円 (右上)愛らしいウミネコの店舗サインが目印(右下)店内にはたくさんのドライフラワーが飾られている

もちろん、かき氷以外のメニューも本格的。旬の食材を使ったマフィンやチーズケーキも人気です。この日メニューにあった「ピスタチオチーズケーキ」はピスタチオの芳醇な香りとまったり濃厚な口当たりが特徴。石川県白山市の焙煎所「水月珈琲」の豆を使ったドリップコーヒーと合わせてじっくり頂きたい一品です。

一年中味わえるドラマティックな金沢のかき氷「喫茶ウミネコパーラー」
カウンター席が中心の1階スペース

かき氷は“溶ける前に”が業界の鉄則。美味しく味わうため提供されたらどんどん食べ進めたいところですが、そんなかき氷を扱う店であるにもかかわらずウミネコパーラーが紡ぐ時間にはせわしなさは感じません。ドライフラワーが吊り下がったレトロな雰囲気の店内と、客席が埋まっても笑顔で落ち着いて対応するスタッフ。驚き溢れるかき氷を食べた後もスイーツやドリンクをオーダーしてゆっくりとした時間を過ごしたくなるほどの不思議な魅力は、あなたの金沢旅の定番になるかもしれません。

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