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シュークリームはパティシエの名刺代わりのお菓子。Vol.3〈菓子工房 ルスルス〉

  • 2023.10.2
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浅草〈菓子工房 ルスルス〉ルスルスシュークリーム

ひたすら炊き込むクリームは、小さくても大満足の濃厚さ

缶入りクッキーが予約必須の人気を誇る姉妹で営む洋菓子店は、シンプルな生ケーキの味にも定評がある。注文すると、小さめのシュー皮に、倒れそうなほどクリームを絞ってくれるシュークリームは、その代表選手。生クリームと合わせていても、残る口金の跡が、しっかり炊いたパティシエールだと教えてくれる。

「うちのケーキは小ぶりなので、“ちっちゃいけど、すごい満足度だね”っていうシュークリームにしたかったんです。味の濃い那須御養卵を使って、濃厚でコクのあるパティシエールに仕上げ、しっかり焼いたシュー皮に挟んでいます」と、パティシエの新田あゆ子さん。

「うちのカスタードは煮詰めが命」。材料を合わせたら、火の当たりが均一になるよう、絶えずゴムベラで混ぜながら、鍋そのものも動かし続ける。炊けたら、生地が黄色く、重たくなるまで、さらに5分ほど煮詰めてもう一つ濃厚に。重労働だが、「なんといっても菓子屋のクリームですから。いまでもパティシエールを炊く作業は大好きですよ」。

浅草〈菓子工房 ルスルス〉ルスルスプリン
ルスルスプリン410円。子供の頃に母親が作ってくれたものをアレンジしているという。コンデンスミルク入りで、しっかり硬め。そのままでも食べられるよう、生クリームがのるが、皿に返しても。
浅草〈菓子工房 ルスルス〉ルスルスシュークリームの仕込み作業
オレンジがかった色からも、濃厚さが伝わってくる。

新田さんには、忘れられないパティシエールがある。学生時代カフェ巡りをしていた時、とある喫茶店で口にしたミルフィーユのそれだ。

「キルシュ(サクランボのお酒)が入っていたんですが、キルシュ一つでこんなにも変わるクリームなんだって、改めて感動しました。いまでも炊いていると、無性にキルシュを入れたくなる時があるんですけど、うちのお菓子は子供にも食べてもらいたいので、グッと我慢しています」

浅草〈菓子工房 ルスルス〉ルスルスシュークリーム
ルスルスシュークリーム324円。

Information

浅草〈菓子工房 ルスルス〉外観

菓子工房 ルスルス

住所:浅草店/東京都台東区浅草3-31-7 1F 
TEL:03-6240-6601
浅草店は、不定期にシューやタルトの販売日あり。詳細はInstagram(@rusurusu_)をチェック
松屋銀座店では木曜・金曜・土曜にプリンが購入可能
HP:https://www.rusurusu.com/

profile

浅草〈菓子工房 ルスルス〉新田あゆ子

新田あゆ子(パティシエ)

にった・あゆこ/1979年千葉県生まれ。都内の菓子教室で講師を務めた後、2006年、東麻布に自身の教室を開く。その一角で販売を始めた菓子が人気を集め、12年に浅草店、15年に松屋銀座店をオープンした。

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