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NYFWで注目を集めた、ニューブランド「ディオティマ」とは?

  • 2023.9.30

クリエイティブ・ディレクターに就任後、ピーター・ドゥのデビュー・コレクションとなった「ヘルムート  ラング」や、詐欺などで有罪判決を受け、現在は自宅軟禁状態になっているアンナ・デルヴェイ(本名アンナ・ソローキン)の家でショーが開催されたり。2024春夏のニューヨーク・ファッション・ウィークは、多くの話題を集めた。また錚々たるセレブリティがランウェイやパーティーに登場し、パンデミック前の盛り上がりを見せた。

クリエイティブ・ディレクターのレイチェル・スコット。「diotima」というブランド名はプラトンの「響宴」に登場する伝説上のキャラクターから。

ジャマイカ人の現代アーティストとして名高いローラ・フェイシーの彫刻が飾られた、プレゼンテーション会場。

そんな中、特に注目を集めたのが、今回初となるプレゼンテーションを行なった、「diotima」(ディオティマ)だ。ファウンダーでクリエイティブ・ディレクターのレイチェル・スコットは、ジャマイカ出身でブルックリンを拠点に活動する。自身のルーツであるジャマイカや、カリビアンのカルチャーを彷彿させるようなスタイルで、ドージャ・キャットなどの著名なアーティストに愛用されている。スコットは、2021年にブランドをローンチし、2023年度のLVMHプライズでは、初のジャマイカ人ファイナリストとなり、現在ではバーグドルフ・グッドマンを始め、有名なセレクトショップを中心に展開している。

かぎ編みが施されたジャケットと、蜘蛛の巣のように緻密なディテールがポイントのパンツ。

チェルシーのギャラリーで行われたプレゼンテーションに足を運ぶと、モデル達がドイリー(家具の上や皿の下の敷くレースの敷物)のようなかぎ針編みを使ったアイテムや、肌が透けて見えるビーズのトップ、ストライプのスーツに身を包んでいる。ショーは同じくジャマイカのアーティストである、ローラ・フェイシーとのコラボレーションで、会場内の床には、彼女の印象的なフォルムの彫刻がディスプレイされている。「コレクションのコンセプトは『ナイン・ナイト』で、これは誰かの死から9晩かけて弔う、カリブ海諸国の葬儀の慣習です。起源はアフリカにあり、アフリカの宗教的な伝統に基づいています」とスコット。この間、死者の家に集まった親族や友人達は、思い出を語らい、食事をともにして、賛美歌を歌う。9日目の最後の晩には、死者の新たな出発を祝い、葬儀よりもパーティーに近いイベントを開催する。「誰かの人生について、深く考える一方で、未来も祝う。同コレクションでは、そんなカリブ人であることの複雑さを表現したかった」と、話す。

マテリアルには、スコットのシグニチャーとも言えるメッシュを多く使用。クロシェをあしらったテーラードのジャケットやパンツは、綿密でまさに「複雑さ」を表現している。彼女自身のルーツに基づいたコンセプチュアルなスタイルに、今後も期待したい。

多くのメディアから絶賛されたプレゼンテーションは、アーティーな感じが漂う。

クロシェット編みの部分はジャマイカで作られたジャケット。フリンジのドレスと合わせたバランスも新鮮。

モデルに囲まれたレイチェル・スコット。

大胆なプリントのスカートとカフタン。

diotima: www.diotima.world

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