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義母の一言が刺さる…苦手を感じる相手との付き合いが楽になるヒントとは

  • 2023.10.3

多くの行動制限があり、辛い思いをする場面も多かったコロナ禍ですが、実はある女性たちの悩みを軽減してくれている側面もありました。

それは義実家への帰省問題。毎年お盆やお正月前後になると、義実家への帰省に関連する悩みが多く聞かれたものですが、この数年はめっきり減っていました。

数年ぶりの行動制限の緩和は、多くの人にとって好ましい状況とはいえ、義実家との付き合いについてまた頭を悩ませる女性が増えていく可能性はあると思います。
そこで今回は、婦人科クリニックで女性の悩みを長年聴き続けている公認心理師の筆者が、義両親に限らず「ちょっと苦手だな……」と感じる相手との付き合いがちょっと楽になるヒントを紹介します。

ぐさっとくる言葉は人それぞれ

Sitakke

人によって傷つく言葉はそれぞれです。同じ言葉でもそこまで気にしない人もいれば、気にする人もいます。よく聞かれるのが「こんなことで傷つく自分がおかしいのでしょうか?」「気にしすぎなのでしょうか?」という言葉。どんな言葉に対しても、あなたが傷ついたり、気になったりしたのなら、それはあなたにとって辛い言葉であり、そう感じる自分を責める必要はありません

ただ、人によって傷つく言葉がそれぞれだからこそ、相手は傷つくとは思わずに軽く口にしてしまっている可能性があることも事実です。(相手に)悪意がないからといって、許さなくては、傷ついてはいけないと思う必要はありませんが、相手が軽く口にした程度の可能性であると捉えることも、その言葉に大きく振り回されないためには必要です。

ネガティブな気持ちを感じる心理

Sitakke

人が嫌だなという気持ちになるのは、自分の中にある“こうあるべき”という価値観が否定されたときです。あまり意識していなくても“嫁なんだからこうあるべき”という思いがあなたの中にありませんか? そう思いながらも「うまくできないなぁ」と自分で思っているようなことほど、義母に指摘されると強く責められたように感じ、傷つきやすいのです。

傷つく言葉が人それぞれなのも、価値観の違いからくることが多いのです。強く“こうあるべき”と思うことに触れられたときほど人は動揺しますし、嫌な気持ちになります。
苦手意識を持つ相手とは、実は価値観が同じでなくてはいけないと強く思う相手であることが少なくありません。違うことは間違いであると思ってしまい、相手と価値観が違うことをしたと指摘されると、間違ってしまったと感じ、傷つき、落ち込んでしまうのです。

価値観が違う相手とはどうつきあう?

Sitakke

まず、あなたの“こうあるべき”が間違っているわけではないと自信を持ちましょう。先にも述べましたが、ここで自分の価値観自体を疑い始めると、自信が失われますし、それはあなたにとって精神的な危機状態につながります。そうした危機状態を回避したいという本能的欲求から、より相手への苦手意識が高まり、接することに恐怖を感じてしまいます。相手と違ったとしても、それがあなたの価値観を否定することではないのだということを覚えておきましょう

そのうえで、相手の価値観もまた間違っていないことを受け入れましょう。
どちらが正解なのかと考えはじめるほど不毛なことはありません。あなたの価値観が違うことと同様に、相手の価値観も違うのです。
相手が義母となると、どうしても嫁のほうが相手の価値観に合わせなくてはと思う人が多いでしょう。これまでとは違う価値観に触れ、相手の価値観を尊重したり、合わせたりする場面もあるでしょう。関係を良好に形成するために、ある程度合わせてみる、受け入れてみることは大事なことです。でも、ここはどうしてもいやだな、譲れないなという点は、きちんと伝えてみましょう。我慢しすぎて感情的になるより前に、「私はこう考えています」と伝えてみるのは大事なことです。

あなた自身の価値観を信じましょう

Sitakke

義両親に限らず、傷つくことをいわれやすい相手というのは存在するでしょう。友人関係なら、距離をとることができますが、親戚づきあいや会社でのつきあい、ママ友など、自分の思いだけでつきあいをやめることができない相手もいますから、しんどいですよね。

あなたの大事にしている価値観が揺らぐことが、辛さにつながっていることも少なくありません。まず、あなた自身があなたの価値観を信じましょう。周囲の意見に耳をかさないということではありませんよ。柔軟に周囲の意見を取り入れることは大事なことです。でもあなたが大事にしている考え方、価値観を根本から否定する必要はありません。どうしたらいいのかわからなくなったら、一度あなた自身が何を大事にしたいのかを見つめ直してみましょう。あなたが一生懸命に考えて、身に着けてきた価値観は誰にも否定されるべきではありません。自信をもって、大事にしていきましょう。

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文:竹原久美子(公認心理師/婦人科クリニック勤務)
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【ライター:竹原久美子 PROFILE】
中学時代、寄り添ってくれる人の大切さを感じ、心に寄り添う仕事につくことを決める。
「人生の始まる現場で学びたい」と産婦人科での実習を希望し、そのまま、産婦人科で女性の心に寄り添い続けてもうすぐ20年。
土地柄を肌で知っていることは心の理解にも役立つという想いで、地元札幌で臨床に携わり続けている。

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