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セルフ・コンパッションで大切な3つの要素|自分にやさしい自分になる②

  • 2023.9.29
セルフ・コンパッションで大切な3つの要素|自分にやさしい自分になる②
出典 FUDGE.jp

最後に「頑張ったね、大丈夫だよ」と、自分を褒めたのはいつだろう。傷ついたり疲れてしまった心は、きっとやさしさを欲しているはず。そんな自分に気がついて温かさを注いであげよう。思いやりで自分をいたわるご自愛の方法をひもとく。
自分を癒すために大切な要素は3つ。同時にはできなくても、一つひとつできるようになることでコンパッションは高まっていきます。

教えてくれたのは…

関西学院大学文学部総合心理学科教授 有光興記先生

公認心理師、臨床心理士。恥やあがりの対処方法の研究過程でセルフ・コンパッションという概念に出合う。セルフ・コンパッションではやさしさや幸福感を高めていくことで、その人自らが問題の解決方法を見出すことを目的としている。

 

コンパッションを高める大切な3つの要素とは?

自分を癒すために大切な要素を紹介。同時にはできなくても、一つひとつできるようになることでコンパッションは高まっていくはず!

その①自分へのやさしい言葉かけ

他人のことは思いやれるのに、なぜか自分に対しては「自分なんかだめだ」「全部自分のせいだ」と批判してしまうことがありませんか? 厳しさが必要な場面もときにはありますが、否定的な言葉で自分の気持ちを自分で傷つけてしまっては辛いばかり。家族や親友の悩みに対して、心が安らぐやさしい言葉をかけてあげるように、自分へも同じようなやさしさを向けてみましょう。間違いや失敗を責めるのではなく、「頑張ったね」「大丈夫だよ」と慈しみの気持ちで包んであげること。このとき、上辺だけで「頑張れ」と励ますのではなく、心の底から欲しているやさしさが何なのか、真摯な心の願いを受け止めて湧き上がってくる言葉で、自分へコンパッションを送ってあげましょう。

その②いまの感情に気づく
セルフ・コンパッションで大切な3つの要素|自分にやさしい自分になる②
出典 FUDGE.jp

ありのままの事実に目を向け、自分の感情に気がつくことも大切。このとき、不安や嫉妬といった負の感情を抱いていたとしても、抑え込まなくてもOK。たとえどんな感情であったとしても、それがいまの“本当の気持ち”だということに気がつくだけでいいのです。ネガティブな気持ちを持つことに恥じらいがあるかもしれませんが、自分の本音に自分で寄り添えなければ、そんな状態に対してかけるべき言葉も出てこないはず。そして自分の感情に気がつけるようになれば、次はその感情をバランスよく受け入れることも意識しましょう。心が弱っているとマイナスなことにばかりに目を向けがちですが、プラスの気持ちにも気がつくことで、新しい感情の発見にもつながります。

その③共通の人間性の認識
セルフ・コンパッションで大切な3つの要素|自分にやさしい自分になる②
出典 FUDGE.jp

寂しくて、不安な気持ちでいるのは自分ひとりではないと日頃は分かっていても、何か嫌ことがあると「こんなに辛いのは自分だけ」と感じてしまいそうに……。また、失敗したときにも「自分だけができていない」と思いがち。孤独感を抱きやすいときにこそ、心を開いてみましょう。狭まっている視野を広げてみると、自分と同じ気持ちを抱いている人がまわりには意外と多いことに気がつきます。みんな同じようにできていないし、みんな同じように傷ついているのです。それでも何とか前を向いて、一生懸命に毎日を生きています。他人に共通性を感じて、人と人とのつながりを再認識することができると、苦境にあっても心が安らぐだけでなく頑張る気持ちも自然と湧いてきますよ。

illustration:Chiduko Hasino edit&text:Kaoru Bansho re-edit:Yuri Iwata[press lab]
※kiitos. vol.22(2021年12月23日発売)より抜粋。

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