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ドラフト1位の"指名公表"は有効な戦略なのか?過去の結果を見ると衝撃的な結果に

  • 2023.10.23
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PIXTA

昨年は、9球団が1位指名を公表し、逆指名制度が撤廃された2007年以降で最多となり"無風ドラフト"とも呼ばれ、一昨年には、ドラフト史上初となる、同一高校のバッテリーが揃って1位指名、他にも清宮選手に高校史上歴代最多の7球団が1位指名をするなど、毎年様々なドラマが繰り広げられます。

"ドラフト1位"は、エース、4番、タイトル獲得など将来チームの顔になるポテンシャルが非常に高い選手と評価された選手が得る最初の称号ともいえます。球団側としても、意中の選手を獲得するだけで一気に戦力が上がる可能性もあるため、是が非でも獲得できるよう様々な情報戦が行われています。

なぜ1位指名公表をするのか?

"1位指名公表"は主に2つの意図があると言われています。

①勝率を上げる
公表をすることにより、対象選手の指名を回避する球団が1つでも出てくれることを期待するパターン。
これにより公表した選手を他の球団が指名する場合、抽選が確定するので、候補を他の選手に変えあわよくば単独指名ができます。重複したとしても、1球団でも減れば当然勝率も上がります。

②誠意を伝える
球団が、選手自身に期待している、惚れ込んでいる、どうしても来て欲しいというメッセージを伝えるため。
しかし、一昔前は意中の球団ではなかった選手が入団拒否をするということもありましたが、近頃は入団拒否をする選手もいなくなってきていますので、①のパターンがほとんでしょう。

指名公表した球団の抽選結果は?

過去10年間の最初の入札による1位指名は総勢65名、うち指名公表された選手は32名上りました。

そのうち、公表した球団が交渉権を獲得したのは23名。なんと72.9%という衝撃的な結果に。事前に公表することによって単独になったり、1球団でも減らして勝率を上げるという戦略は非常に効果的なのかもしれません。

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過去10年の初回入札選手(太字は重複)

ドラフト会議まで残りわずかとなりましたが、現時点(10/23)で、公表をしているのは広島の1球団のみ、大豊作の年と言われているだけに、公表せず直前まで決まらない球団が多数となることが予想されます。

今年のドラフトでは、果たして公表した球団が交渉権を獲得するのか、非常に楽しみですね。


※記事内における情報は原稿執筆時のものになります

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