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【日本ハム】78年振りの新人捕手開幕スタメンなるか…"進藤勇也"とはどのような選手?

  • 2024.3.6

昨年行われた「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」で、日本ハムから2位指名された"進藤勇也"選手。

オープン戦や紅白戦でもマスクを被り、日本ハムの78年振りとなる、新人捕手開幕スタメンを狙います。
昨年は、伏見選手が75試合、マルティネス選手が29試合、清水選手が14試合、その他に5選手が計25試合にスタメンマスクを被り、"正捕手"が不在となっています。

伏見選手、マルティネス選手が候補となる中、新人の進藤選手は、割って入ることはできるのか?

進藤選手とはどのような選手なのか、人気野球ライターが特徴をご紹介いたします。

ライターが解説する"進藤勇也"

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写真:産経新聞社

捕手 - 右投右打(上武大学出身)

捕手というポジションに何を求めるか。さまざまな考え方はあるだろうが、この進藤という捕手はチームに「安心感」を与えてくれる守備型捕手だ。

筑陽学園では、西舘昂汰(専修大-ヤクルト)とバッテリーを組み、強肩捕手として注目された。その「シントウ・キャノン」は圧倒的で、二塁送球は猛烈な勢いで伸びていく。イニング間のスローイング練習で相手ベンチが盗塁をあきらめる、抑止力抜群の爆肩だった。

大学3年時から機能性を重視するようになり、「魅せる肩」から「刺せる肩」へと進化している。力感と無駄のないスローイング動作、正確なコントロールは大学球界で突出していた。

大学3年時から大学日本代表に入ると、今年は不動の正捕手として逸材揃いの投手陣を巧みにリード。持ち前の強肩だけでなく、キャッチング、バント処理など捕手としての守備力が圧倒的に高い。泰然とした構え姿からして安心感が漂っていた。

高校時代は下位打順を打っていた打撃は、ツボにはまれば放り込むパワーがある。2年春の大学選手権では、慶應義塾大戦で打った瞬間に爆発力を感じさせる満塁本塁打を神宮球場に叩き込んだ。打撃面の進境も著しいように見えるが、本人はいつも「大学でバッティングがよくなったと言われるんですけど、自信がなくて……」と歯切れが悪い。確実性には課題が残るだけに、プロで確固たる技術をつかめるかがカギになる。タイプとしては細川亨(元西武ほか)に近いだろう。

岡田彰布監督(阪神)が「キャッチャーは高校生よ。大学出でホンマにやったの古田(敦也/元ヤクルト)くらいやろ」と発言したように、プロ側が大学生捕手を見る目は厳しくなっている。大学生捕手が最上位で指名された例は、2008年の日本ハム1位の大野奨太(元中日ほか)までさかのぼらなければならない。

なお、苗字の読みが「しんどう」ではなく、「しんとう」である点にも留意しておきたい。プロで「しんとう」読みが浸透するかにも要注目だ。

大学時代の個人成績

2021春 関甲新学生野球L/最多打点、最多本塁打、最多安打、ベストナイン

2022春 関甲新学生野球L/ベストナイン

2022秋 関甲新学生野球L/ベストナイン


菊地高弘(きくち・たかひろ)
1982年生まれ、東京都出身。雑誌『野球太郎』編集部員を経てライターとして独立。「菊地選手」名義で執筆した『野球部あるある』(全3巻・集英社)は13万部のヒット作になった。2019年に上梓した『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)はTBS系日曜劇場の原案としてドラマ化された。近著に『野球ヲタ、投手コーチになる。 元プロ監督と元生物部学生コーチの京大野球部革命』(KADOKAWA)がある。

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