映画『ONE PIECE』再演に、ウタ役・名塚佳織「1年半前には、想像していませんでした」

2023.10.1
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2023年10月1日、丸の内TOEIにて劇場版『ONE PIECE FILM RED』を象徴する歌姫・ウタの『ウタ生誕祭2023』が催された。豪華ゲスト登壇の舞台挨拶には、ウタ役の名塚佳織、そしてゴードン役の津田健次郎の姿が。大阪・福岡・札幌を含む5都市を繋いでライブ配信されたあとは、会場限定でウタからの特別メッセージ、そしてウタLIVEの応援上映も。

「みんな！ウタだよ！」呼びかけにファンの歓声

イベント開始前から、ファンの熱量は静かに盛り上がりの片鱗を見せていた。壇上に用意された「#ウタ生誕祭」のハッピーバースデーボード。ウタのキーカラーである白と赤をあしらったボードを、一目近くで見ようと、そして写真に収めようと立ち寄るファンたち。その熱を受け止める形で、舞台挨拶が始まる。

ウタ役の名塚佳織が、昨年の生誕祭イベントでも着用していたウタのジャンパーで登場。合わせたピンクのワンピースが映える。ウタとともに音楽の島・エレジアに住み、彼女の過去を知る重要人物として『ONE PIECE FILM RED』に登場したゴードン役の津田健次郎も、白いジャケットを着て続いた。

名塚「みんな！ウタだよ！」
津田「国を挙げて歓迎する」

それぞれが劇中で演じたキャラクターに扮して挨拶をすると、声出しOKとなった会場からはファンの歓声が。コロナ禍だった昨年のイベントでは、声が出せなかった。静かにサイリウムを振るしかなかったあの頃とは、大きく異なる光景が広がる。

ウタを演じた名塚が「びっくりです。映画が公開された1年半前には、想像していませんでした。まさか、再上映してもらえるなんて！これもファンの皆さんが、ウタへ応援の言葉をくださったり、映画を楽しんでくれたりしたおかげです。心から感謝しています」とファンへの感謝を口にすると、津田も「当時もすごい盛り上がりでしたが、25周年経っても勢いが衰えない。さらにスピードアップしている。あらためてONE PIECEってすごい作品ですよね」と感嘆した。

公開から一年以上経っている『ONE PIECE FILM RED』。当時の収録、また舞台挨拶を振り返っての思い出を聞かれると、名塚は「たった1年の出来事だったのかな？と思うくらいに、思い出が多すぎて……」と語った。

「緊張も、プレッシャーもありました。あの頃の私は、とにかくやらなきゃいけないことに集中していたんです。今、落ち着いて思い返してみると、本当に幸せな時間を過ごしたんだなって。キャストの方とたくさんお話しできたり、ONE PIECEに対する熱い思いを聞かせてもらったり。1秒1秒が、楽しくて仕方なかったんです。もう、10年経ってるんじゃないかってくらい、濃い時間でした」

最初は自分のなかだけで育ててきた一人の少女・ウタ。声を吹き込んだ。主題歌・劇中歌の歌唱を担当したAdoとともに、キャラクターを作り上げた。気づいたら、歌姫・ウタは一人のものではなくなっていた。取材や舞台挨拶を通して、彼女の新しい一面が見え、どんどんウタが膨らんでいく。「深い愛着が芽生えたからこそ、ファンの方にも愛されるキャラクターになったのかなと思います」と名塚はウタへの思いを口にする。

ゴードンを演じた津田の思い出は、2022年7月におこなわれた、武道館でのワールドプレミアイベント。「出番前、大きな控室に集まったメインキャストの皆さんがキャッキャしていて、まるで子ども同士みたいに仲が良くて。ああ、こうやってONE PIECEという作品を作ってこられたんだな、と思ったのを覚えています」およそ一年前の盛大なイベントに、津田は思いを馳せた。

『ONE PIECE FILM RED』10月20日（金）よりアンコール上演スタート。

【映画情報】
『ONE PIECE FILM RED』
公開日：2022 年 8 月 6 日（土）
原作・総合プロデューサー：尾田栄一郎（集英社「週刊少年ジャンプ」連載）
監督：谷口悟朗
脚本：黒岩勉
音楽：中田ヤスタカ
キャラクターデザイン・総作画監督：佐藤雅将
美術監督・美術設定：加藤浩
色彩設計：横山さよ子
CG ディレクター：川崎健太郎
撮影監督：江間常高
製作担当：吉田智哉

≪キャスト≫
田中真弓／中井和哉／岡村明美／山口勝平／平田広明／大谷育江／山口由里子／矢尾一樹／チョー／宝亀克寿／名塚佳織／Ado／津田健次郎／池田秀一

主題歌：「新時代（ウタ from ONE PIECE FILM RED）」Ado（ユニバーサルミュージック）
劇中歌楽曲提供：中田ヤスタカ／Mrs. GREEN APPLE／Vaundy／FAKE TYPE.／澤野弘之／折坂悠太

※記事内の情報は執筆時点の情報です

ライター：北村有（Kitamura Yuu）
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X（旧Twitter）：@yuu_uu_