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気軽に作れる英国のおやつ〈フラップジャック〉

  • 2023.9.28
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秋の気配が少しずつ感じられるようになって、温かい紅茶が美味しい季節もすぐそこに。日々の気取らないお茶の時間にぴったりなのが、オートミールを使ったイギリスの伝統菓子、フラップジャックです。材料を混ぜて焼くだけの、簡単だけれど味わい深いお菓子を、イギリス菓子研究家でパティシエのTomoさんに教えていただきます。

みんな大好き! フラップジャック

イギリス菓子フラップジャック

イギリスの伝統菓子、フラップジャックは、子供にも大人にも愛される国民的おやつ。スーパーはもちろん、小さな売店のようなところでも売っています。オートミールが主材のお菓子で、見た目はいま流行りのグラノーラバーに似ています。グラノーラバーというとヘルシーなイメージですが、フラップジャックは作ってみると、砂糖とバターがたっぷり。ヘルシーとはちょっと言い難いのですが、でもオートミールだからヘルシー、と自分に言い聞かせて食べてしまいます。とっても甘いのですが、噛むたびに味わい深く、また、ミルクティーにぴったりで、お茶が進みます。さすが、イギリス菓子! 王道のイギリス菓子です。

作り方はシンプルで、基本は、オートミールとバター、砂糖、ゴールデンシロップ(黄金色の糖蜜)を混ぜて焼くだけ。そこに、レーズンやナッツ、チョコチップ、マシュマロなどを加えるレシピもあります。洗い物も少なく、簡単なので、お子様と一緒に作って楽しめますよ。

オートミールの食べ方いろいろ

ポリッジ
英国の伝統的な朝食。オートミールのお粥、ポリッジ。

さて、レシピをご紹介する前に、イギリスでなくてはならない食材、オートミールについて少しお話ししましょう。以前、〈メルティングモーメント〉というビスケットもご紹介しましたが、イギリスでは、オートミールがお菓子作りによく使われます。それから、朝食に食べる、オートミールを使った〈ポリッジ〉も人気のメニューです。

皆さんはポリッジ、食べたことがありますか? 日本でいうお粥みたいなものでしょうか。私はイギリスでホームステイした際に初めて食べましたが、それ以来、ゴールデンシロップたっぷりのポリッジは、お気に入りの朝食となりました。特に、寒い秋や冬の朝にミルクティーと一緒にいただくと、ほっこり温まってよいものです。ポリッジの作り方は簡単で、鍋にオートミールと牛乳、もしくはお水を入れて、数分クツクツと火にかけ、温まって、ドロっとしたら完成です。そこに、さらに牛乳を回しかけて、ゴールデンシロップをたっぷりかけていただきます。

ポリッジは我が家の娘たちの大好物でもあります。栄養もあり、鍋を使わなくてもレンジで簡単にできて、インスタントオーツという砕けたオートミールを使えば、より短時間で作れます(スーパーで購入可能)。ちなみに、アメリカ人の夫はオートミールに、レーズンやくるみ、黒糖、そして、モラセス(少し苦味のある糖蜜)を加えて作りますが、これもコクがあって美味しいです。ポリッジのレシピは特になく、作り方はいつも適当。ココアやシナモンを加えたり、ジンジャーを加えたりしても美味しいですね。ポリッジの食べ方は無限大! ぜひ、寒くなってきたら作ってみてください。ほっこり温まりますよ。イギリス式のシンプルなゴールデンシロップだけの味付けも、ぜひ挑戦してみてくださいね。

手作りグラノーラ
安心で美味しい手作りグラノーラ。

我が家ではグラノーラも手作りしていて、本当にオートミールはなくてはならない食材です。ちなみに、市販のグラノーラは便利ですが添加物が入っていますし(子供が好きなのでたまに買いますが)、かといって、こだわりのお店で買うとかなり高価。手作りすれば、安心で安く済むのでおすすめですよ! グラノーラも、かつて勤めていたイギリスのホテルで作っていましたが、こんなに簡単に、すぐできるのかとびっくりしたものです。こちらも手作りすれば、アレンジ無限大です。

チューイー派? ザクザク派?

イギリス菓子フラップジャック

さて、フラップジャックの話に戻りますが、イギリス人はわりとチューイーな食感(ちょっと柔らかくて、歯にくっつく感じ)を好む人が多い気がします。が、私は断然サクサクザクザク派。歯にくっつく感じが苦手なので、ざっくりとした硬めのものが好きです。今回ご紹介するレシピはザクザクなものになりますが、ちょっと歯にくっつく感じが好き、という方は、焼き時間を少し短めにするか、もしくは、オーブンの温度を下げて焼いてみてください。

オーブンについても話すと長くなりますが、180℃といっても、オーブンによってちょっと違ったりします。え? と思うかもしれませんが、本当です。私のオーブンは火力が弱めなので、ご自分のオーブンが強めだと思う方は、指定された温度より下げて焼いてみてください。レシピを完成させる際、決めるのが一番難しいのは焼き時間だといつも思うのですが、ご自身が美味しい! と思うのが一番なので、焼いてみて、あれ? と思った方は、ちょっとずつ調整してみてくださいね。

イギリス伝統のゴールデンシロップ(糖蜜)については、ジンジャーブレッドの記事などで少し触れましたが、輸入食品店や製菓材料店で購入できます。入手が難しい場合はハチミツで代用も可能ですが、フラップジャックの場合、テクスチャー(質感)は同じでも味が全然違うので、ゴールデンシロップを使うことをおすすめします。

ピーカンナッツ

では、作っていきましょう。今回は秋らしくペカンナッツ(ピーカンナッツ)入りでご紹介します。

フラップジャックの作り方

フラップジャックの作り方
材料(18cmx18cmの型)
  • 有塩バター……100g
  • きび砂糖……25g*
  • マスカバド糖……25g*
    (*マスカバド糖はコクがあり美味しく仕上がるのでおすすめ。なければ代わりに、きび砂糖を50gでも良い)
  • オートミール……180g
  • ペカンナッツ……30g(適当な大きさに刻む)
  • ゴールデンシロップ……75g
作り方

1.オーブンを200℃に予熱する。

2.バターと砂糖を火にかけ、溶かす。

フラップジャックの作り方

3.溶けたら火からおろし、オートミール、刻んだペカンナッツ、ゴールデンシロップを加え、ざっくり混ぜる。

フラップジャックの作り方
フラップジャックの作り方

オートミール全てにバターがコーティングされたらOK!

4.オーブンペーパーを敷いた型に入れる。

フラップジャックの作り方

5.スプーンなどを使い、表面を平らにしながら、ぎゅっぎゅっと押す。

フラップジャックの作り方

6.予熱したオーブンで約20分焼く。焼けたら、そのまま5分ほどおく。

フラップジャックの作り方

7.5分くらい経ったら、切れ込みを入れる。
ここで切っておかないと、硬くて切れなくなります! タイマーをセットしておくといいですよ。

フラップジャックの作り方

8.完全に冷めたら、完成です。

フラップジャックの作り方

こういうお菓子が美味しい季節になってきましたね。

イギリス菓子フラップジャック

たっぷりの紅茶と召し上がれ!

イギリス菓子フラップジャック
Credit
制作・レシピ・写真・文 / The Pudding Party Tomo - イギリス菓子研究家/パティシエ -

イギリスのプディングの美味しさをもっと多くの人に知ってもらいたいと活動する、イギリス菓子研究家、パティシエ。ル・コルドン・ブルー横浜校にて菓子ディプロムを取得。英国コッツウォルズのスリーウェイズ・ハウス・ホテルにてイギリス伝統菓子作りの腕を磨く。
〈The Pudding Party Tomoとイギリス菓子作り〉 https://youtube.com/channel/UCV1hGcG5t0SELBBiuJ1GqBA

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