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自撮り好きのための“最強スマホ”誕生 Galaxy最新折りたたみタイプ「Z Flip5」を詳細レビュー

  • 2023.9.28
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「最強自撮りスマホ」自負する機能と狙いは

サムスンの最新折りたたみスマーフォン「Galaxy Z Flip5」は、アウトカメラを使った「自撮り機能」が特長
サムスンの最新折りたたみスマーフォン「Galaxy Z Flip5」は、アウトカメラを使った「自撮り機能」が特長

2023年9月1日(金)に国内発売された、サムスンの最新折りたたみスマートフォン「Galaxy(ギャラクシー)Z Flip5」。手のひらに収まるコンパクトな縦折りタイプに3.4インチの大画面背面ディスプレーを搭載した同機種を、サムスン電子ジャパンの担当者は「最強自撮りスマホ」と自負します。果たしてその機能とは?自撮りに特化した理由とは?実際の機種に触れることで、同社の今後の国内戦略が見えてきました。

大型背面ディスプレーがかなえる多彩な撮影

2023年8~9月に東京・下北沢で行われたPRイベント「Join the flip side @シモキタ」
2023年8~9月に東京・下北沢で行われたPRイベント「Join the flip side @シモキタ」

9月初旬、東京・世田谷区の下北沢駅前。「SAMSUNG(サムスン)」「Galaxy」とロゴの書かれた白いTシャツ姿のスタッフたちが、街行く若者たちに次々声を掛けていました。その手には発売されたばかりの「Galaxy Z Flip5」。同社は8~9月の計20日間、若者に人気のこの街で新製品のPRイベントを開催しました。

Flip5が売りにするのは、ずばり「自撮り」のための高性能。スマホに求める機能として、若い世代を中心に最もニーズの高かった要素だといいます。同機種における特長は大きく5つ。今回初めて搭載された大型背面ディスプレー「フレックスウィンドウ」が、折りたたみタイプならではのパフォーマンスを実現しています。

自撮りを徹底追求、5つの高性能ポイントとは

従来モデルから引き継いだ機能と、今回初お目見えの機能とに分けて紹介します。まずは継続機能二つから。

(1)カメラを即起動させて即自撮りできる

まず、スマホを閉じたままでも電源ボタンを2度押すことでアウトカメラをすぐに起動させられる点。スマホを起動させてカメラアプリを立ち上げて、といった動作を省略し、折りたたんだままのコンパクトな状態でスムーズに撮影へ移行できます。撮影の様子はフレックスウィンドウの大画面で確認する仕組みです。

(2)手のひらをかざすと自動でシャッター

次に、起動中のカメラに向けて手のひらをかざすことで自動的にシャッターが切れる機能。撮影ボタンを押す必要がないので、腕を思いきり伸ばした引きの自撮りでも無理のない動作での撮影が可能です。この機能はインカメラ・アウトカメラどちらも搭載。また、ディスプレーや画像の鮮やかさも向上しています。

続いて、新たな機能3つ。

(3)インカメラが画角を検知して自動調整

インカメラでの撮影時、カメラが被写体や人数を検知して望遠・広角といった画角を自動で調整。ズームやズームアウトを手動で行うことなく被写体がフレームに収まることで、撮影時のストレスを軽減しています。

(4)他撮りもディスプレーで確認しながら

特筆すべきは、アウトカメラによる撮影の様子を、メインウィンドウだけでなくフレックスウィンドウでも常時確認できること。被写体と撮影者が異なるいわゆる“他撮り”のシーンでも、被写体となる人は自身の写りを大画面で確認しながら撮影に臨めます。

より画素数が高くフラッシュ機能も備えるアウトカメラを、自撮りでも他撮りでも存分に活用できるという仕様が、この機種のカメラ機能における重要な肝と言えそうです。

(5)エフェクト調整をしても高画質のまま

また、自撮りユーザーに特にうれしい機能として、デフォルトのカメラに色調調整や顔のエフェクト調整の機能を搭載。撮影した画像を後から別のアプリで加工すると画素数が落ちてしまうという難点をカバーし、高画質での撮影・画像保存を可能にしています。

何のための「最強自撮り」か?同社の狙いは

自撮り機能を強化した「Galaxy Z Flip5」。若い世代の支持拡大を狙う
自撮り機能を強化した「Galaxy Z Flip5」。若い世代の支持拡大を狙う

自撮りにここまでこだわった新機種。開発したサムスンの狙いはどこにあるのでしょうか。ヒントは、PRイベントを下北沢で行ったことにも隠されていました。

ICT市場調査コンサルティングのMM総研が5月に発表したまとめによると、国内携帯電話端末のメーカー別総出荷台数シェア1位はアップル(iPhone)で、12年連続のトップ。その数は1503.8万台に上り、スマートフォン出荷台数(2985.1万台)の実に50.4%を占めます。

また別の調査によると、7月に10~60代の各100人(計600人)を対象に行われたアンケートでは、10代の62%、20代の73%がiPhoneユーザーという結果に(調査機関・クラウドワークス)。20代に至っては約4人に3人がiPhoneを使っているという驚異的な数字が明らかになっています。

こうした一強情勢にどう切り込み、いかにGalaxyユーザーを拡大していくかがサムスンにとっての大命題。サムスン電子ジャパンの担当者は、次のように“戦略”の一端を明かします。

「2020年以降、人気K-POPアーティスト『BTS』を起用したことで日本でも30〜40代にはリーチできており、徐々に若い世代にも認知が広がってきました。目下の課題は10〜20代にどうアプローチするかです。そのためにもZ Flip5の自撮り機能をアピールして、スマートフォンの新しい使い方・魅力をお伝えしています」

本体価格も、iPhoneの標準モデルと同価格帯になっています。

今回のPRイベント開催地に下北沢を選んだのも、若者カルチャーの最先端を行く人が集まる街とのイメージが強いためと言い、

「『人とかぶらない自分だけのスマホを持ちたい』といった感度を持つ人にとって、Galaxyの折りたたみスマホは親和性が高いはずと考えました。自撮りをする機会の多い世代に向けて『まずは1回試してみませんか?』と伝えていきたい。試していただければ、使い心地の良さはきっと伝わると思っています。今後も、若年層をメインターゲットにしたPR企画を順次展開していく予定です」(同担当者)。

折りたたみは「壊れやすい」?消費者は不安も

2023年7月14日~21日、日本在住の10~60代のスマホユーザー計600人を対象にクラウドワークスが実施した「年代別スマホ購入動向調査」(合同会社リュミエールデスポワールの発表を基にLASISA編集部で作成)
2023年7月14日~21日、日本在住の10~60代のスマホユーザー計600人を対象にクラウドワークスが実施した「年代別スマホ購入動向調査」(合同会社リュミエールデスポワールの発表を基にLASISA編集部で作成)

サムスンが日本で初代折りたたみスマホを発売したのは2019年。その存在は国内でも広く認知されるようになりました。

2023年1月に行われたある調査によれば、「折りたたみスマホを知っている」人の割合は91.6%に上ります。しかし一方で、「折りたたみスマホの購入を実際に検討している」人は1%にも満たないという回答結果になりました(10~60代のスマホユーザー354人対象)。

「折りたたむところから割れてしまいそう」「値段が高い。大画面ならiPadでいい」などがその理由に挙げられました。購入に踏み切れない人が多い現状で、消費者のそうした不安感をいかに払拭していくかも、サムスンがユーザーを拡大していく上での課題の一つとなりそうです。

(LASISA編集部)

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