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負けた怒りでラケット破壊、握手拒否…物議の韓国人選手に政府次官も「フェアプレー精神」求める【アジア大会】

  • 2023.9.27
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道具破壊や握手拒否で物議を醸す韓国男子テニス選手のクォン・スンウ(25)に対する大衆の視線は依然として冷たい。

世界ランキング112位のクォン・スンウは、9月25日(日本時間)に行われた杭州アジア大会のテニス・男子シングルス2回戦で同636位のカシディット・サムレス(22、タイ)に1-2(3-6、7-5、4-6)で敗れた。

500位以上もランキングが下の相手に敗れたことも衝撃だが、さらに話題となったのはクォン・スンウの試合後の“非マナー”行動だ。

まさかの敗戦に怒りを抑えきれなかったクォン・スンウは、手に持ったラケットを6回もコートに叩きつけ、完全に破壊した。

また、対戦相手のサムレスが握手を求めに近づいたにもかかわらず、クォン・スンウは彼を無視した。結局、審判にすら挨拶することなく、そのまま会場を出てしまった。

そんなクォン・スンウの態度に、現地の中国人観客たちは激怒した。一部の観客は彼にブーイングや悪口を浴びせていた。

「韓国国民の期待に応えるフェアプレー精神を…」

クォン・スンウの名前は中国のSNS上で検索語に上がり、たちまち話題の人物となった。

「微博(ウェイボー)」などでもクォン・スンウがラケットを破壊する動画は広く拡散。ネットユーザーは「韓国人選手は礼儀も知らないのか」「無名の選手に負けて腹が立ったのか」「兵役の恩恵を受けられず怒り狂ってしまったのか」と嘲弄していた。

韓国国内の世論も冷ややかだ。

国家代表として胸に韓国国旗を付けて出場したにもかかわらず、あまりに度が過ぎた行動をしてしまったという反応だ。いくら怒りが収まらないとはいえ、代表選手として最低限の礼儀は守るべきだという主張だ。

クォン・スンウ
(写真提供=OSEN)クォン・スンウ

ただ試合後、クォン・スンウがなぜあれだけ激怒していたのか、その理由が明らかになった。

中国のポータルサイト『ソフ』によると、「サムレスは第1セット終了後に約10分間トイレに行き、クォン・スンウに不満を抱かせた。第2セットでは、クォン・スンウが雰囲気を盛り上げるとサムレスが急にロスタイムを申請し、力なく笑っていた。クォン・スンウは審判に近付いて問い詰めていたが、審判の運営能力が本当に悪かった。アジア大会の審判はWTFの審判ほど良くはなく、現場のシステムや人材構成もツアーの審判とは比べ物にならなかった。審判がタイ人選手の行動をまったくコントロールできていなかった」という。

もっとも、サムレスは競技マナーこそ良くなかったが、規定から外れた行動ではなかった。結局、自分の感情を制御できなかったのはクォン・スンウだ。

彼が試合で負け、マナーでも一線を越えてしまったことは紛れもない事実だ。

試合終了以降、クォン・スンウの行動はほぼ一日中アジア大会で最も大きな話題となった。金メダルを取った選手より、クォン・スンウの行動がより大きく注目を集めた。

そんな世論を意識したのか、クォン・スンウは試合翌日の26日午前にタイ選手団を訪問し、サムレスに直接謝罪した。クォン・スンウはサムレスと握手しながら謝る写真を撮り、この様子がタイ選手団のSNSにも公開された。

クォン・スンウは直筆の謝罪文も公開した。彼は「国家代表選手としてすべきではなかった軽率な行動をしてしまいました。国家代表の試合を応援するすべての国民の皆様と、会場にいらっしゃった観客の皆様に心からお詫び申し上げます。本当に申し訳ございませんでした」と伝えた。

ただ、一度冷たくなった世論は今や取り返しがつかない状況だ。一部では「クォン・スンウの代表資格を剥奪すべきだ」「追加懲戒をしなければならない」など、過激な意見も寄せられている。

韓国政府・文化体育観光部のチャン・ミラン第2次官も登場し、クォン・スンウの“非マナー”行動を指摘する事態となっている。

「太極マークを付けて出場する国際舞台であるため、国家代表選手としての責任感を持って試合に臨むことが必要だ。国民の期待に応えるフェアプレー精神を示さなければならない」と、チャン・ミラン第2次官は厳しく指摘した。

国家代表選手として名誉を失墜させたクォン・スンウが、今後追加懲戒を受ける可能性はあるのだろうか。

韓国テニス協会の関係者は「内部で(懲戒可否に関する)話が交わされたのは事実だが、公式な提起はない」と判断を留保している。

クォン・スンウがまだ大会を終えていない点も考慮されている。試合を残している選手に懲戒を下すとなれば、今後の成績に影響を及ぼす可能性が高い。

仮にクォン・スンウに対する世論が悪化し続ければ、大韓体育会と韓国テニス協会も負担を感じ、新たな懲戒を積極的に検討せざるを得ない。

クォン・スンウが今後の試合でどれだけ誠実に変化した態度を見せ、世論を覆すことが得できるかが関心事だ。

(記事提供=OSEN)

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