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【日本三大奇景(奇勝)】群馬「妙義山」・香川「寒霞渓」・大分「耶馬渓」の歴史・特徴、見どころ

  • 2023.9.26

日本全国には珍しい景色がいくつもありますが、日本三大奇景(奇勝)とされるのが、群馬県の「妙義山」、香川県の「寒霞渓」、大分県の「耶馬渓」です。この3カ所では、奇妙でありながらも美しい景色を望めます。今回は、それぞれの歴史や特徴、見どころにフォーカス。驚くような絶景ばかりですよ。

 

 

迫力満点な奇岩が多数!近代登山発祥の地としても有名な「妙義山」 (群馬県甘楽郡下仁田町・富岡市・安中市)

「妙義山」は赤城山、榛名山とともに上毛三山に数えられ、群馬県を代表する山のひとつで、荒々しい岩肌が美しい自然景観をつくり出しています。妙義山とはいくつもの峰々の総称のこと。金洞山、白雲山、金鶏山を「表妙義」、谷急山、丁須の頭、御岳などを「裏妙義」と呼びます。標高は、白雲山相馬岳(最高峰)が1,104m、金洞山東岳が1,094mです。

「妙義」という名前は、後醍醐天皇に仕えた権大納言長親卿(ごんだいなごんながちかきょう)がこの山々を眺めた際、明々巍々(めいめいぎぎ)であるところから「明巍」とし、後に「妙義」となったといわれています。

さらに1912年、イギリス人の登山家ウォルター・ウエストンがロープを使いながら2人で岩山を登る技術を山岳ガイド・根本清蔵に教えました。そのため、妙義山は近代登山発祥の地として知られています。

また、600万〜400万年前頃に活動した火山によって形成された妙義山は、昔から山岳信仰の山として親しまれ、江戸時代から多くの登山客が訪れていたそうです。

妙義山の見どころは、迫力満点の奇岩。山中にはローソクのような岩がたくさん立っています。これはかつて石門だったものが崩れた門柱なのかもしれません。

高さ約30m、横幅15mもある天然の「第一石門」、断層に沿ってもろくなっているところがえぐられた「第二石門」、第四石門を通して見える「大砲岩」も圧巻です。自然の摂理によりいつか消えてしまうかもしれない奇岩の数々をしっかり目に焼きつけておきたいですね。

登山で人気のコース「石門めぐり」は、比較的距離が短く、初心者でも登ることができます。ただし、第一石門から第二石門を通る場合は鎖場があるため、自信がない方は鎖場を通らない迂回ルートを選んでくださいね。

第四石門の脇から望める「日暮しの景」はまさに絶景! 息を呑むほど美しい光景が広がっていますよ。

妙義山

住所:群馬県甘楽郡下仁田町・富岡市・安中市

電話:0274-67-7500(下仁田町観光協会)

交通アクセス:JR「松井田駅」からタクシーで約10分

200万年の歳月がつくり出した、小豆島が世界に誇る景勝地「寒霞渓」(香川県小豆郡)

「寒霞渓(かんかけい)」は日本三大渓谷美のひとつに数えられ、瀬戸内海国立公園を代表する景勝地のひとつ。瀬戸内海で2番目に大きな島「小豆島」に位置します。映画『僕とママの黄色い自転車』『八日目の蝉』『魔女の宅急便』のロケ地としても有名です。その絶景はミシュラングリーンガイドで1つ星を獲得しています。

寒霞渓の奇岩、垂直にそそり立つ大岩壁は、約1300万年前の火山活動によって誕生した安山岩層や、火山角礫岩層などの岩塊が、地殻変動や風化、侵食によりつくり上げました。

また、かつては鉤懸山(かぎかけやま)、神懸山(かみかけやま)などと呼ばれていましたが、1878年に儒学者の藤澤南岳により寒霞渓と名づけられました。その後、1923年に国の名勝に、1934年に日本で最初の国立公園(瀬戸内海国立公園)の代表的な景勝地に指定されました。

寒霞渓の一番の魅力は、日本で唯一、「空・海・渓谷」を望める、標高差317m、全長917mのロープウェイ。 車窓からは奇岩の渓谷×四季折々の自然の絶景を楽しめます。絶対に落ちない岩とされている「ひよこ岩」にも注目です。この奇岩を見つけて合格祈願をすると、受験や就活に効果があるかもしれません。

応神天皇が鷹狩りをしていたといわれる「鷹狩展望台」からは瀬戸内海の絶景を拝むことができますよ。さらに「第二展望台」では瀬戸の渓谷に向かって「かわらけ投げ」(1組200円)が可能。運良く的にかわらが入れば、ご利益があるとされています。

もみじ葉エキス100%のご当地サイダー「もみじサイダー」もぜひ味わってみてくださいね。

寒霞渓

住所:香川県小豆郡小豆島町神懸通乙

電話:0879-82-2171

ロープウェイ営業時間:8:30~17:00(3/21~10/20、12/1~12/20)、8:00~17:00(10/21~11/30)、8:30~16:00(12/21~3/20)

交通アクセス:「池田港」から路線バスで約30分

先人たちが生み出した絶景がヤバイ! 山水絵巻のような「耶馬渓」 (大分県中津市・玖珠郡玖珠町)

大分県北西部に位置する「耶馬渓(やばけい)」は、中津市・玖珠郡玖珠町にまたがる広大な奇岩秀峰の景勝地です。東西36km、南北32kmで、第三紀末の耶馬渓火山の活動で噴出した変朽安山岩の上に集塊岩が堆積したものが、山国川などにより侵食され、石柱の断崖、岩窟、滝、巨石といった巨大パノラマに。

その神秘的な地形は、伝説と祈りの場所となり、文人画人憧れの地でもありました。そして、人々は1000年以上かけて、岩から仏、石橋、洞門、庭園といった優れた作品をつくり出し、大正時代に一本の絵巻物のようにまとめ上げたのです。

青の洞門

耶馬渓は、1764年に禅海和尚によってつくられた、全長342m(トンネル部分は144m)の洞門「青の洞門」、夏は避暑地になる天然の一枚岩が10km続く「大谷渓谷」、縦19.3m、横13m、周囲57.3m、畳152枚敷の、石舞台としては日本一の大きさを誇る「箭山権現石舞台(ややまごんげんいしぶたい)」、頂上に怪奇な岩峰や天然橋を持つ高さ100mほどの丘が続く「古羅漢の景」など、見どころ盛りだくさんです。

新緑や紅葉が美しい深耶馬溪の中心地に位置する「一目八景」も見逃せません。群猿山、鳶ノ巣山、嘯猿山、夫婦岩、雄鹿長尾の峰といった周囲の岩峰群が見渡せます。

一目八景の近くには、隠れた紅葉スポット「折戸渓谷」も。折戸渓谷各所には一時停車スペース・休憩施設が設置されていて、心ゆくまで紅葉を満喫することができますよ。

中津市本耶馬渓町にある「耆闍崛山 羅漢寺(ぎしゃくつせん らかんじ)」には、日本最古の石造五百羅漢像など数千体におよぶ石仏が、境内の岩屋に安置されていて壮観です。巨大な岩壁に伽藍が融合した佇まいも趣があります。

※「青の洞門」は、2023年7月の梅雨前線豪雨により歩道の一部が損壊し、2023年9月現在、復旧作業中です。

耶馬渓

住所:大分県中津市・玖珠郡玖珠町

電話:0979-23-4511(中津耶馬渓観光案内所)

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