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芦田愛菜「最高の教師」で魅せた名演の数々 約6分“独白シーン”など説得力ある演技の裏側

  • 2023.9.25
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「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」に出演した芦田愛菜さん(2022年01月撮影、時事通信フォト)
「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」に出演した芦田愛菜さん(2022年01月撮影、時事通信フォト)

俳優の松岡茉優さんが主演を務めた学園ドラマ「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」(日本テレビ系、土曜午後10時)が9月23日に最終第10話が放送されました。同作には、人気子役から着実にキャリアを伸ばしてきた俳優の芦田愛菜さんが女子高生の鵜久森叶を熱演しました。最終第10話放送後、鵜久森が「X」(旧ツイッター)でトレンド入りも果たしました。改めて、芦田さんの演技力に注目が集まっていると思います。

“人生2周目説”も飛び出した天才子役時代

“社会現象”ともいえるほどの大ブームを巻き起こした、2011年4月期に放送された連続ドラマ「マルモのおきて」(フジテレビ系)を覚えていますか?同年3月11日に発生した「東日本大震災」から約1カ月後、日本全体に自粛ムードが漂う中、多くの人を自然と笑顔にしたのが、同作で俳優の阿部サダヲさんとダブル主演を務めた子役時代の芦田さんと、芦田さんと双子の姉弟を演じた鈴木福さんでした。

同作は、阿部さん演じる30代独身サラリーマンの“マルモ”こと高木護が親友の忘れ形見である双子の薫(芦田さん)と友樹(鈴木福さん)を引き取り、人の言葉を話す犬のムックと3人1匹の家族になっていく過程を描いたヒューマンドラマでした。「薫と友樹、たまにムック。」の名義で、芦田さんと鈴木さんが主題歌「マル・マル・モリ・モリ!」を歌って踊る姿に癒やされていた視聴者も多いと思います。

一方で、ただ「二人の子役がかわいい!」だけじゃないのがこのドラマの魅力。血のつながりはなくとも、日々の失敗や反省を元にした約束事を「おきてノート」にしたため、家族であろうとする3人の姿に改めて思いやりの大切さを実感しました。その上で、欠かせなかったのが芦田さんと鈴木さんの演技です。特に芦田さんの無邪気さもありつつ、幼いながらにいろいろと考えて行動していることが伝わってくる演技には感嘆させられるばかりでした。

芦田さんは、2010年放送の連続ドラマ「Mother」にも出演。母親とその愛人から虐待を受け、松雪泰子さん演じる教師と共に逃避行に出る小学生を好演。2014年放送の連続ドラマ「明日、ママがいない」(共に日本テレビ系)では赤ちゃんポストに預けられ、児童養護施設で暮らす少女という難役も見事にこなしました。

大人ですら完璧におもんばかるのが難しいキャラクターの心情をしっかりと理解し、芝居に還元するその知性と芸達者ぶりに、“人生2周目説”を感じていた視聴者も多いのではないでしょうか。

多くの人の心を動かした言葉の“説得力”

そんな芦田さんが、実際に“人生2周目”の高校生に扮したのがドラマ「最高の教師」でした。本作は、卒業式の日に、「担任生徒の誰か」に殺害された鳳来高校3年D組の担任・九条里奈(松岡さん)が、1年前の始業式にタイムリープして生徒と向き合う異色の学園ドラマ。芦田さんは3年D組の生徒・鵜久森を演じました。

鵜久森はクラスでいじめを受けており、里奈の1周目の人生では自ら命を絶ってしまう役柄です。しかし、里奈の「絶対にあなたを一人にしません」という言葉を受け、いじめに立ち向かうことを決意。

生徒たちがいる教室で「笑っていないと心かおかしくなりそうだった」「大切な人に自信を持って大切だよって、言い返せる自分になりたかった」と涙ながらに心情を明かすなど迫真の演技を見せました。

約6分間にわたる芦田さんの独白シーンは、さすがの一言。見ていた視聴者たちも言葉を失うような心揺さぶる演技を披露したのです。また、最終第10話でのカメラを真っすぐに見つめながらセリフを吐くシーンでは、瞳の奥から感じられる鵜久森の信念とセリフ一つ一つの重みが胸に響きました。

鵜久森の言葉は、平気で他人を傷つけたり、誰かに助けを求められても自分を守るために見て見ぬふりをしていた生徒たちの心を動かしていきました。

人を変えるのは並大抵のことではありません。それを可能にしたのは鵜久森の力強い言葉であり、演じる芦田さんの芝居に説得力があったからこそ。その説得力は、芦田さん自身の生き様が与えるものなのではないでしょうか。

年間100冊以上も本を読むことで知られる芦田さん。芸能活動だけではなく学業にも力を入れてきた彼女の知識の豊富さは、クイズがバラエティー番組などで伺うことができ、幅広い世代から尊敬のまなざしを向けられています。

“俳優・芦田愛菜”のすごさは、その膨大な知識を元に想像力を働かせられるからではないでしょうか。だからこそ、どのような役でも深く理解をしながら演技に落とし込むことができ、結果的にセリフ一つ一つにパワーや説得力が生まれるのだと思います。

また一つ、視聴者の脳裏に焼き付く役を演じきった芦田さん。今後の活躍も注目していきたいですね。

本作のその後のストーリーを描くスピンオフドラマがHuluで配信中です。

オトナンサー編集部

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