生理をはじめとした女性が抱える悩みを解消に導くフェムテックやフェムケアの分野で新たに注目を集めているトレンドが「Cycle Syncing(サイクル・シンキング)」。海外のSNSで話題を呼ぶ、最新トレンドを解説。(フロントロウ編集部)
海外で話題を呼ぶ「サイクル・シンキング(Cycle Syncing)」
ここ最近海外のSNSで注目を集めているのが、「Cycle Syncing(サイクル・シンキング)」というキーワード。サイクル・シンキングとは、一言で言うと月経周期に着目したスケジュールの立て方のこと。
女性には4つの段階に分かれる月経周期があり、約1ヶ月の間に4回も性格が変わると言われるほどホルモンバランスが大きく変化。月経周期が与える影響はメンタル的な変動だけでなく、身体のだるさや肌の調子、体重、睡眠の質、腸内環境、自律神経などさまざまなゆらぎや不調とも関係している。
そんな月経周期の4つの段階に合わせてプランを立てることで、より過ごしやすくなるというのが「サイクル・シンキング」。
ここで言う“プラン”とは、食事や運動、ダイエット、仕事、レジャーなどライフスタイルを形成するあらゆるもの。海外のメディアでは、「サイクル・シンキング」に基づいたプランづくりがたくさん紹介されており、フィットネスアプリなどにも導入されている。
「サイクル・シンキング」に基づいたプランについて、米メディアByrdieが紹介したオススメの過ごし方の例は以下。
卵胞期: インスピレーションや好奇心が湧きやすい時期なので、新しく何かを始めるのにオススメ。エネルギーも高まりやすいので、ハードな運動やアクティビティをするのにもぴったり。
排卵期: 女性ホルモン(エストロゲン)と男性ホルモン(テストステロン)の両方のレベルがピークに達するこの時期は、他者とのコミュニケーションに積極的になれたり、自信に満ち溢れやすい時期。運動をするなら高強度の筋トレなどもオススメ。
黄体期: 周期の中で最も長い黄体期は、心身ともに不調になりやすい時期。イライラや肌荒れ、むくみといったトラブルも起こりやすいので、リラックスして過ごすのが適切。
月経期: 生理が始まり、だるさや疲れも感じやすくなるこの時期。無理をせず1ヶ月間を振り返りながら過ごすのがオススメ。運動するならマインドフルネスを意識したヨガやストレッチを取り入れてみて。
海外で今トレンド入りしている「サイクル・シンキング」だけれど、この概念が生まれたのはじつは10年近く前の2014年。統合栄養士で女性ホルモンの専門家であるアリサ・ヴィッティ氏が著書『Woman Code』で提唱したのが始まり。周期を意味する「Cycle」と、同期や連動、一致という意味合いの「Sync」を組み合わせた造語として誕生した。
その後昨年頃からTikTokなどのSNSの影響で広まり、実践してみる人が増加。2023年の一大トレンドとして話題を呼んでいる。
サイクル・シンキングを実践するメリット
月経周期に着目したスケジュールの立て方「サイクル・シンキング」を取り入れるメリットとして大きいのが、心身の負担が軽減できること。
生殖内分泌学者のアナート・ブラウアー博士は、「月経周期によるホルモンの変動は、エネルギーレベルや気分などあらゆる分野と関連しています。この周期の段階ごとの特徴に合わせて行動を決定することで、負担が軽減でき、気分も安定しやすくなります」と米Healthで説明。
周期の段階に合わせたスケジュールを取り入れることで、心も体もストレスフリーに近づくのだという。さらに「サイクル・シンキング」を取り入れること自体が自分の身体の状況や調子に目を向けるきっかけにもなり、無理してしまうことを防ぐ効果もあるそう。
また「サイクル・シンキング」に基づいた食事習慣や運動習慣、生活習慣は、ホルモンの変動によるさまざまな悩みや不調の緩和も期待できるという。ただしあくまで習慣によって期待できる変化には限りがあり、ホルモンの変動自体はなくなるものではないため、すべての悩みが解消されるわけではない。ブラウアー博士は、日常に支障があるほどの不調は専門家への受診が望ましいと補足している。
どれくらい継続してみるのがいい?
「サイクル・シンキング」は、実践したからといってすぐに変化を感じられるものではなく、またその変化の幅は人によっても異なる。
自分に合っているのか見極める目安として、専門家が勧めるのは最低3カ月。管理栄養士トレイシー・ロックウッド・ベッカーマン氏は、「サイクル・シンキングを始めてから、その効果を実感できるまでには3カ月ほどかかる可能性があります」と米Forbesで説明。できるだけ長期的なスパンで変化を観察するようアドバイスした。
海外で注目を集めるフェムテックトレンド「Cycle Syncing(サイクル・シンキング)」。より心地よく過ごすための選択肢としてぜひ参考にしてみて。