シャルロット・ペリアンが約20年間に渡って手がけたプロジェクトが、東京・台東区のギャラリー『es quart』にて9/23より展示。『montagne et maison』

自然と建築が調和するインテリアデザイン。

9月23日から10月1日まで、東京・台東区のギャラリー『es quart』にて、ル・コルビジュエに師事し、日本とも交流の多い建築家シャルロット・ペリアンらの作品が展示される。本展は、1967年に建設されたフランス・サヴォア県のスキーリゾート『Les Arcs』の設計を手掛けた、シャルロット・ペリアンをはじめとする建築家チームによるプロジェクトに焦点を当てた。

ペリアンが『Les Arcs』のためにデザインした家具や建具を中心に、彼女によってセレクトされた作品や、他の建築家、デザイナーによる作品も展示。『montagne et maison』をテーマに、自然と建築の中に調和が存在する作品が集められている。

南仏のモンブランに面する『Les Arcs』は、第二次世界大戦後に有給休暇が導入されたフランスにおいて、レジャー需要の高まりに伴い、初めて建設された大衆向けのスキーリゾート。
プロジェクトの総括を勤めたシャルロット・ペリアンをはじめ、ガストン・ルゲラ、ギ・レイ・ミレー、ベルナール・タイユフェールら著名な建築家たちがチームに参加しており、建物から内部の家具まで設計を行った。

1969年に最初の建物が建設され、順にArc1600、Arc1800、Arc2000とプロジェクトが進行。当時、事前に組み立てられたバスユニットやキッチンユニットは革新的であり、対面式のキッチンなど今日では当たり前になったアイデアが数多く生まれた。
プロジェクトの開始から50年以上が経過した今、環境設備の劣化などからリノベーションが多く行われ、それに伴ってペリアンの家具を含めた建材などの作品が、世界各地のバイヤーによって、運び出され、あらゆるギャラリーによってコレクションされている。

ペリアンの70年もの創作活動の中で、このプロジェクトはキャリア最大の取り組みであった。住宅設備だけでは、住環境の調和は成立しないと語っていたペリアンは、『Les Arcs』のプロジェクトを通じて、外部空間の「自然」と内部空間の「建築」を結びつける重要性を示したのではないだろうか。彼女は山を愛し、誰もが「山」にアクセスできるように貢献した。
今回展示される家具は、製作から50年以上経った今でも、素材の組み合わせや造形、その哲学から新しさを垣間見ることができる。この機会にぜひ、シャルロット・ペリアンの思想に触れてみては。

EVENT INFORMATION

『montagne et maison』

会期
2023年9月23日（土）～10月1日（日） 10:00〜19：00 ＊9月27、28日は休館日

会場
es quart（東京都台東区千束3-4-3 千束河合荘 3F）

公式サイト