1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. ジャングルに囲まれた古代遺跡と思いきや…?ユニークな苔プランターを自作した人に話を聞いた

ジャングルに囲まれた古代遺跡と思いきや…?ユニークな苔プランターを自作した人に話を聞いた

  • 2023.9.22

古代マヤ文明のピラミッドを模したプランターを自作したという投稿が、X(Twitter)で話題を呼んでいる。

苔の海にちょこんと鎮座するピラミッドが可愛らしくもある 出典:Togetterオリジナル

投稿したのは、けんけん@ものづくり(@XJ6xtyjOxoY2yJ9)さん。日頃から3Dプリンターを駆使して、さまざまな作品を創っているという。

今回のプランターは苔栽培専用で、ピラミッド型の水入れの四方を囲うように設けられた窪みに苔を植えると、ジャングルに囲まれたピラミッドのジオラマのようなビジュアルになるわけだ。

いっしょに投稿された動画には、ピラミッドの頂上の穴から水を注ぐと、じわじわとプランター全体に浸透していく様子も確認できる。

頂上から静かに水を注ぐと… 出典:Togetterオリジナル

常に湿った環境を好む苔の特性を考慮し、水が抜けないようあえてプランターには底穴を設けない設計にしたそうで、けんけんさんの細かいこだわりが伺える。

ピラミッドの下からじわじわと浸透してくる水 出典:Togetterオリジナル

投稿を見たユーザーからは「ロマンのあるプランター」「面白い発想ですね。 苔むしたビルとかも作ってみたい」「国ごとに作ったら面白そう! 日本版は前方後円墳とか」といった声が上がり、大いに創造意欲を搔き立てているようだ。

ピラミッドプランターの制作秘話などについて、けんけんさんに詳しく話を聞いてみた。

本物がもつ美しさを、ものづくりにフィードバックしたかった

今回のプランター制作のアイデアはどこから生まれたのでしょうか?

私は本業が考古学と地質学の研究者で、日頃から古代文明に興味があり、また仕事で実際にマヤ文明の遺跡を訪れる機会もありました。
今回のピラミッドに限らず、古代文明の造形物はその時代・地域の技術や芸術の結実であると同時に、社会的なシンボルでもあり、デザインは完成されたものです。
本物がもつ美しさを現地で見た感動を、趣味のものづくりにフィードバックしたかったのが理由です。常日頃から3Dプリンターで何か面白いものが作れないかなと考えているので、今回は「古代文明」と「プランター」のコラボを思いつきました。
実はこのプランター、一緒に研究をしているプロジェクトチームの仲間へのプレゼントのつもりで作りました。ものづくりが好きな人が多く、普段から「こんなの作ったよ」と自慢しあっています。
出典:Togetterオリジナル
マヤのピラミッド型コーヒー豆スプーンなんてものも! 出典:Togetterオリジナル

構想と制作には、どれくらいの時間がかかりましたか?

思いつきなので、構想にかかった時間は一瞬です。「3Dプリンターでどんな物を作ったら面白いか」はいつも考えていて、また植物を育てるのも好きなので、植える容器のアイデアはずっと頭にありました。
形状に特に複雑なところもなく、3Dモデリングも難しいことはしていないため、データは小1時間で仕上がりました(Tinkercadというブラウザベースの無料のCADで制作しました)。
3Dデータの印刷にかかった時間は8時間くらいでした(AnkerMakeM5という機種で、250mm/sで印刷)。これはプリンターの性能にもよります。
出典:Togetterオリジナル

次回作のアイデアは?

プランターに限れば、投稿へのコメントにもあったように、他の遺跡や苔が似合う廃墟もありかなと。また、ニューヨークのような大都会を再現したプランターも作ってみたいと思っています。苔以外も植えられるように、排水ができるような改良もしたいです。
プランター以外では今まさに、トイカメラを分解してレンズだけを取り出し、デジタルカメラに装着して使えるように改造する工作をしています。
また実はこの投稿の1つ前にアップした「日本中の田舎にある謎の看板プランター」が個人的にはかなりの自信作で、ピラミッドプランターはそのアイデアの「ついで」に作ったものでした。なので、作者としてには「なぜこっちがバズったの??」とひたすら戸惑っています。
何がウケるのかわからないながらも、たくさんの人が「面白いねこれ」と思ってくれるような物を作りたいなと思っています。
出典:Togetterオリジナル
こんな看板を掲げた廃墟、たしかにどこかで見た記憶がある 出典:Togetterオリジナル

ものづくりを愛するけんけんさんは、誰でも手軽に作れるようにと、今回のピラミッドプランターをはじめとする3Dプリンター作品の設計データを惜しげもなく公開している。作品に興味を持った方はぜひご自身で作ってみては。

記事中の画像付きツイートは許諾を得て使用しています。

文:かなたあきこ 編集:Togetterオリジナル編集部

元記事で読む
の記事をもっとみる