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私が“忖度回避ハンコ”を作った理由 大阪のはんこ屋が伝えたいメッセージとは

  • 2023.9.22

忖度回避ハンコに新デザイン追加

忖度回避はんこ「ハンコの気持ち」
忖度回避はんこ「ハンコの気持ち」

その場の空気を読まなくてはいけなかったり、相手の気持ちをおもんぱかったりと、忖度(そんたく)が求められるさまざまな場面に出くわすことはありませんか?

大阪のはんこメーカー「岡田商会」(大阪市)が自社オンラインショップにて、忖度回避はんこ「ハンコの気持ち」の続編として16種類の新デザインを追加しました。

忖度のない世の中にしたい

「ハンコの気持ち」は、毎日気を遣ってクタクタに疲れてしまう人が、ハンコをポン!と押すことで、ユーモアとともに“自分の本当の気持ち”をタイポグラフィで伝えることができるというもの。「気持ち」を表現するデザインは、第1弾として2023年7月に17種類が登場し、今回新たに16種類が追加され、合わせて33種類のさまざまな「気持ち」から自分の気分に合うものを選ぶことができます。

「岡田商会」の常務取締役・岡山耕二郎さんは、「ハンコは本来、なつ印する本人(または会社)の“意思”を証明するために使うもの。それはビジネスシーンにおいても同じことです。」と言います。

しかし、自身の意思を証明できずトラブルになった事例が、ビジネスシーンではよく見られます。

「ビジネスシーンに限らず、程度の大小はあれど、忖度を迫られるような場面は誰にでもあると思います。最近世の中を騒がせているニュースで、立場の強い方に忖度をした結果、大きな代償を伴うケースがありました。

そこで、今の世の中でハンコ屋として何かメッセージを伝えることはできないか?と考え『ハンコの気持ち』のアイデアが生まれたのです」と、岡山さん。

ハンコが、自分の気持ちを伝える新たなツールになればという願いから、商品化に着手したそうです。

「この商品をきっかけに『忖度』という問題に改めて目を向ける人が増えたり、自分の本当の気持ちを忖度せずに伝えられる人が増えることを願っています。

私たちは、こんなハンコを使っても怒られない、余裕のある世の中を本気で目指したいと考えています。また『ハンコの気持ち』を一人でも多くの方に知っていただくことで『そもそも忖度はなぜ発生してしまうのか?』という問題に改めて目を向ける人が増えてほしいです」(岡山さん)

SNS上でも自分の意見を表現

今後の展開についても岡山さんが教えてくれました。

「現在のデザインは、忖度を求められる場面や空気を読まないといけない場面で“あるある”な気持ちを、専属の女性デザイナーとともに洗い出し、表現したものです。何度もミーティングを重ね、一目でその気持ちを表現できるよう何度もデザインを作り直し完成しました。

ポン!と押したときに相手にクスッと笑ってもらえるようなユーモアのあるデザインにしたかったので、その点もデザイナーと試行錯誤しました。

今後はハンコを押す場面において、はっきりとNGの意思を伝えられるようなデザインを増やすことを検討しています。

また、『LINEスタンプにしてほしい!』というお声をSNSから多くいただきましたので、LINEスタンプでの展開も検討しています」(岡山さん)

友人だけでなく、上司や同僚とつながることも多いLINE。もし、LINE上で忖度を求められる場面があれば、「ハンコの気持ち」スタンプで、ユーモアを交えつつはっきりと「NG」の意思を伝えられるかもしれません。

ハンコの素材は「柘植(つげ)」「ナツメ」など9種類から選べます。

岡山さんは、「ほんの少しの勇気があれば、銀行登録だって可能です(ジョインティタイプを除く)。もちろん一つ一つ印面デザインをつくりますので、セキュリティもばっちりです」と、従来の“ハンコ”としての使い道もアピール。

「ハンコの気持ち」ウェブサイトでは、「会社や同僚」「家族」「友達」「自分」「その他」のシーン別に使用例を紹介しています。

自分に少し自信のない人、うまく気持ちを伝えられないと感じている人は、ユーモアをプラスした新しいコミュニケーションツールとして「ハンコの気持ち」の力を借りてみてはいかがでしょうか。

(LASISA編集部)

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