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「スゴすぎ!」「素晴らしい」製造元が投稿した“驚愕の職人技”に感服…!『脱ハンコ』の影響を受ける“印章業界”の今

  • 2023.10.25

配達の荷物を受け取る時や、マンションを借りる契約の時など、ハンコを捺す機会は意外と多いですよね。中には、卒業の記念品として生徒の苗字の入った印鑑を贈る高校もあるのだとか。

ハンコにはさまざまな種類があり、市町村に登録された実印や金融機関に登録された銀行印、届出せずに使用する認印などがあります。ハンコの種類によって、使用する場面も異なります。

島根でハンコの製造・販売を行っている会社・永江印祥堂さんの公式X(旧Twitter)アカウント(@nagaeinsyoudou)があるハンコの写真を投稿すると、「とにかく綺麗」「スゴすぎ!」「職人さんのなせる業」などのコメントが寄せられ話題になっています。

いったいどんなハンコだったのでしょうか。

多くの人が驚いたハンコがこちらです!

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出典:永江印祥堂【公式】(@nagaeinsyoudou)さん

※下記の日付のリンクをクリックするとX(旧Twitter)に移動します

永江印祥堂【公式】@nagaeinsyoudou 2023年10月16日
自分で言うしかなくて悲しいけど
これ本当にすごいと思うんよ

1円玉よりも小さな面積に細かい文字がたくさん彫られています!よく見ると、なぜこのハンコを作ったのかが書かれていて、クスッと笑ってしまいます。小さな文字でもしっかりと読むことができ、技術の高さに驚かされますね!

先ほどのハンコをアップにしたお写真がこちらです。

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出典:永江印祥堂【公式】(@nagaeinsyoudou)さん
永江印祥堂【公式】@nagaeinsyoudou 2023年10月16日
島根の小ちゃい会社がこんなことしてます!
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びっくりするほど小さな文字が細かく彫られていますね!

高い技術で作られたこだわりのハンコ

永江印祥堂さんにハンコについての詳しいお話を伺いました。

---ハンコはどのように作っているのでしょうか。

「弊社は、『唯一無二』の印鑑を作るため、1本1本の印影を職人が作っております。また、上質な印材を厳選し、その材質や書体に応じ、彫刻機を選定しています。さらに、彫刻する文字数によって彫刻針も変えております。文字、品質、製造方法にこだわり、皆さまが安心して生涯使っていただける印鑑をご提供いたしております」

---細かなこだわりがあるのですね!このくらい小さな文字のハンコを依頼されることは実際よくあるのでしょうか?

「個人印ではほとんどありませんが、法人印に関しましては、最近、部署名の非常に長い注文が増えています。ただ、今回のように1.2センチの中に、これほどの文字数を彫刻したのは初めてです」

---確かに、たとえば「デジタルマーケティング部トータルソリューション課」など長い部署名が世の中に増えている印象あります。

さらに永江印祥堂さんでは、「寿限無」や「二次元コード」などの珍しいハンコも製造しています。

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出典:永江印祥堂【公式】(@nagaeinsyoudou)さん
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出典:永江印祥堂【公式】(@nagaeinsyoudou)さん
永江印祥堂【公式】@nagaeinsyoudou 2023年7月16日
連休ど真ん中に言うことじゃないけど
寿限無の印鑑も彫れます
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出典:永江印祥堂【公式】(@nagaeinsyoudou)さん
永江印祥堂【公式】@nagaeinsyoudou 2023年10月19日
ネットショップはこちらから

寿限無は一文字一文字しっかりと読むことができますね。寿限無くんが自分の下の名前をフルでハンコに入れたくなった場合も安心です。

二次元コードの細かさにも驚きです!こんなハンコが書類に押してあったら、営業先のトークも弾みそうですね。

ハンコ業界の現状と今後の取組

そんなハンコ業界ですが、2021年に制定された「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」の中で、書類作成のために必要とされていた押印が一部で不要となりました。この「脱ハンコ」の影響は印章業界に大きなダメージを与えています。

永江印祥堂さんの投稿の中にも「ハンコはお察しのとおり売れてなくて今後厳しい状況です」「売り上げも横ばい」といった内容が見られました。

ハンコ業界と永江印祥堂さんの取り組みや思いについてもお話を伺いました。

---ハンコ業界ならびに永江印祥堂様は現在どのようなご状況でしょうか?

「コロナ禍に政府が押し進めた『脱ハンコ』の影響で印章業界には大きな打撃がありました。政府の改革により、2021年からおよそ15,000種類の書類への押印義務がなくなったのです」

---はい。記憶に新しい出来事です。

「しかしながら、その際にも、実印が必要となる手続きについては対象外となり83種類の書類への押印は義務づけられています。その中には、個人の実印を始め、銀行印、会社関係の印鑑が含まれており、印鑑の重要性はこれまでと変わっておりません

---その厳しい状況の中を切り抜けるべく、どのような取り組みをされているのでしょうか。

「今後の展開といたしましては、国産材の代表である杉やひのきに、特殊な圧密技術を施し、印鑑に相応しい硬度を持たせた『グリーン印鑑シリーズ』の製造・販売に注力いたしてまいります」

---木材を使うのはどのような利点があるのでしょうか?

「現在、多くの人工林が本格的な利用期を迎え、資源量は年々増加していますが、利用は十分に進んでいないのが現状です。木材を使うことは、『伐って、使って、植えて、育てる』という人工林のサイクルの一部であり、二酸化炭素(CO2)の吸収や国土を災害から守るといった森林の持つ多くの働きを発揮させます」

---人工林の木材利用が進んでいないとは知りませんでした。

「また、人工林を伐って使うとともに、植えて育てることで、未来につながる森林の持続的なサイクルが保たれます。持続可能な開発目標 SDGsの、『15:陸の豊かさも守ろう』の観点からも、グリーン印鑑シリーズを拡売させることで、環境対応に努めてまいります」

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出典:永江印祥堂【公式】(@nagaeinsyoudou)さん
永江印祥堂【公式】@nagaeinsyoudou 2022年12月5日
【グリーン印鑑シリーズ】
http://nagae-hanko.com/item_info/green/

SDGsの取組みのひとつ、森の循環に貢献出来ます

「また、これからは、名前だけを彫るのではなく、表現を彫る、表現を形にすることで、新しい市場を開拓していきたいと思っています」

「凄い」「素晴らしい」など絶賛の声

こちらの投稿を見た人たちからは、絶賛の声が多数寄せられました。

「すっごい綺麗に文字が読める。
捺し方も上手なんだろうけど、欠けとか潰れとか無くて、とにかく綺麗。
ビャンビャン麺とか、漢字で彫れそう」
「細かく彫ったっていうだけじゃなくてそれでいて印影の文字が潰れてないのがすごいんだな…」
「すごい!芸術の域です」
「判子は「印影の芸術品」ってイメージ
何個あっても良いものは良い!!」
「ただ細かいというだけでなく、美しく読みやすい、素晴らしい!」
「コレに挑もうと思う姿勢から好き」

細かな字が欠けることも潰れることもなく彫られたハンコは、まさに職人のなせる業。今後も日本に残していきたいですね。



文/構成:TRILLニュース

取材協力:永江印祥堂【公式】(@nagaeinsyoudou)さん