1. トップ
  2. 発生していた“渋滞の原因”は祖父だった 「免許返納の難しさ」を実感した理由

発生していた“渋滞の原因”は祖父だった 「免許返納の難しさ」を実感した理由

  • 2023.10.5
  • 9833 views
undefined
画像:PhotoAC

近年、高齢者の運転による交通事故が目立っており、運転免許の自主返納が叫ばれています。しかし、本人に自覚がなかったり、日常的に車を必要とする地域も多く、なかなか自主返納が難しいのが実態のようです。

介護士のこずえちゃん(@kozukozu1017)さんが、祖父の運転の危険性と免許返納の必要性に気づくきっかけとなった出来事について投稿したところ、同じように身内の免許返納について考えている方からのコメントが多く集まり、話題となっています。

その投稿がこちら。

※下記の日付のリンクをクリックするとX(旧Twitter)に移動します

こずえちゃん(@kozukozu1017) 2023年9月27日

70歳くらいまで、元気に働き、バイクにも乗っていて、なにより『30年以上無事故、無違反』が祖父の自慢でした。

でもある時、祖父の家に遊びに行く途中の国道で、大渋滞が発生していました。速度制限50kmのところを数台前の車が“超低速”で走行しているのです。

( これじゃぁ全然すすまない、止まってるみたいな運転してるぅ)
( ダレぇ? こんな渋滞させてるのは?)
と思ってよく見ると祖父の車でした。
( まさかおじいちゃんが、こんな運転するようになってるなんて...)

最初は信じられませんでした。
でも心の中で、もうそろそろ免許返上させないと、おおごとになるかもしれないと思いました。

祖父に「おじいちゃんの今日の運転は危ないよね?」と話すと
本人は(ケロッとした顔で)「 超安全運転だったのに何を言ってるのか?」と理解出来ていない様子です。

私は祖父に
「 おじいちゃんの車の後ろに最高で10台近く車が連ねていたこと」
「 おじいちゃんが、変な場所でブレーキを踏むと、後方の車も一斉にブレーキを踏んで、逆に衝突の原因になりそうで、危なかったこと」
「もう安全運転とは言えないくらい、運転の動作が緩慢なこと」
をハッキリ伝えました。

祖父はそれでも、納得出来ない様子でした。
仕方なくその当時、地元の自動車学校で開かれいた、 “高齢ドライバーの無料安全運転チェック”に連れて行きました。

判定は5段階チェックで下から2番目でした。(もう運転しない方がいい)(かなり注意を必要とするレベル)という判定を受けて、祖父はガッカリしていました。

「おじいちゃんは良くても、周りの人が迷惑なんだよ」
「事故が起きてからでは遅いんだよ」
と再度 もう免許を返上するように説得しました。

ようやく納得して当時79歳で、 免許を返上してくれました。

でも私の祖父の場合は、あの日たまたま私が祖父の運転を見かけたから、運転者の老化に、気づくことが出来ただけだと思います。
近くにいる家族だからこそ、身内の老化や変化には気づきにくい。そう思った出来事でした。

あなたの大切な時間に 私の長いポストを読んでくださって 本当にありがとうございます。
こずえちゃん(@kozukozu1017) 2023年9月27日

…追記 また高齢者の講習前の認知機能検査は 75歳以上から行われています。

引用やリプにもあったように たびたび、高齢者が引き起こす事故や 認知症の方の暴走運転、運転中の気分不良による事故など、超高齢社会になるにしたがって、たびたび報道もされています。

高齢者に限らず、具合が悪かったり、服薬などで医師から運転を止められている時には運転を自発的に控えたり、自分自身で 気にかけることも、安全運転の第1歩だと 感じました。

どうか、みなさまご安全に

これまでどんなに安全に運転してきた方でも、年齢とともに運転技術が衰えていくのはごく自然なことですが、それを自覚するのは難しいということが伝わってきましたね。

投稿にもある通り、現在75歳以上のドライバーの方は免許の更新に合わせて「認知機能検査」を受ける必要があり、認知症のおそれがあると判断された場合は免許の取消し又は効力の停止を受けることになります。

身内からの声かけだけでは免許返納に応じてくれない場合は、自動車学校の高齢者向けイベントなども活用してみると良さそうですね!

免許返納の難しさ

高齢者の方に免許の自主返納を求めても「自分はまだ大丈夫」と思っていたり、自分が老いたことを認めたくない方も少なくありません

免許返納を渋る高齢者が身内にいる人たちは説得に時間がかかり、いつか事故を起こしてしまうのでは…と不安な日々を送ることも多いようです。

今回のエピソードを投稿された、こずえちゃんさんにお話をお伺いしました。

---お祖父様にはどのような説得をされましたか?

当時住んでいた地域で起こった高齢者の事故を話題に出して、実際に事故になった場合、大変なことになると話をしました。実際に、親戚が横断歩道を渡っていて高齢者が運転する車にはねられて死亡する事故に遭ったこともあり、祖父は納得した様子でした」

---その後、お祖父様は車なしの生活について、どのように仰っていますか?

「祖父は免許返納した当初不自由だと話していましたが、祖父の所有の車を廃車にしたことで諦めがついた様子でした

免許返納後も注意したいこと

免許を返納してもらうと安心してしまいがちですが、実際には免許がないことを忘れ(もしくは分かっていても)他の家族の車を運転してしまったり、やはり免許は必要だったと繰り返し主張してきたりする方もおり、困っているという声も聞きます。

---その後のご家族の対応について教えてください。

「認知症などは発症していなかったのですが、祖父が万が一、家族所有の車を運転しないように、家族で自分の所有する車の鍵はきちんと管理しました

---お祖父様の用事がある時などは、どのように出かけていたのでしょうか?

祖父が外出の際は、家族が付き添って病院の送迎などを行ってカバーしました

---免許返納後は、ご家族の協力も必要不可欠になってきますね。

高齢者の方にとっても、車は移動手段としてとても便利なアイテムです。免許返納により、それ以降の生活が今までと比べて不便になることは必至ではないでしょうか。

しかし、事故を起こしてからでは取返しがつかないので、なるべく早くから免許の自主返納についてご家族みんなで話し合い、その後の生活のフォロー体制も整える必要がありそうです。

悩みの声が多数

こちらの投稿を見た人たちからは次のようなコメントが寄せられました。

身内の人に対しては、「昔の姿」がイメージとして残ったり感情が入るので、専門職の方でも気づくのが遅れたりしますよね
近しい関係だからこそ気づきにくいもの。 だけど言ってあげられるのも、後押しするのも家族しかいないのも本当。 こずえさんの投稿にある運転免許の問題はその一例ですね。これはいずれ誰しもが通るものだと、人ごとではないと思えました
昨日まで出来ていた事が段々と出来なくなっていく… おかんがそんな感じだった
私、目が驚く速さで悪くなっていて、返納の時期も早く来そうだと思っている。 将来は交通の便の良いところに行かないと
最後は街に引っ越すしかないのかもだけど、限界集落の問題は深刻。 健康でのんびり暮らせたらそれが一番だけど
私も実父に返納を促してますがなかなか…。 「車じゃないと…」と言って… もう問答無用で取り上げて欲しい。

実際に、身内の免許返納に苦戦しているという声も多く見受けられました。

身内に対しては、本人だけでなく周りも「まだ大丈夫」と思いがちですが、普段の運転を注視し、話し合うことが必要ですね。



文/構成:TRILLニュース

提供:こずえちゃん(@kozukozu1017)さん

※画像はイメージです