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大人が意外と間違える「コイン3枚が表になる確率は?」1/4ではない?

  • 2023.10.18
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コインを投げて、表・裏がどのように出るのか、数学の問題で一度は見たことがあるのではないでしょうか。

1枚のコインならもちろん2分の1の確率になります。

しかし、複数のコインを投げるとなると、わかっているようで意外と間違えてしまうこともあります。

今回はコイン投げの確率に関する問題に挑戦してみましょう。

問題

3枚のコインを同時に投げて、すべて表が出る確率を求めなさい。

もちろん1枚ずつのコインでは表・裏の出る確率は2分の1です。

3枚になるとどうでしょうか。

すべてのパターンを書き出すと、確率は求めることができるはずです。

・3枚すべて表
・2枚が表
・1枚が表
・0枚が表

この4パターンがあり得るわけだから、すべて表になるのは4分の1だ!と考えた方はご注意を

答えは4分の1ではありません。

 

さて、今回の答えは「8分の1」です。

解説

なぜ答えは4分の1ではないのでしょうか。

先ほど書き出した4パターンで、すべての場合が洗い出したように見えます。

しかし、実はこれは、確率を考える際に気をつけないといけないポイントなのです。

 

例えば「3枚のうち1枚だけが表」といった場合、その1枚がどのコインなのかというのが大切なのです。

見かけ上は3枚とも同じに見えるコインでも、もちろん異なる3枚なのです。

(数学的に正確な表現ではないですが)見た目がとても似ている三つ子であっても、一人ひとりは違う人間なので、区別して考えないといけません。

 

この3枚のコインにA,B,Cと名前をつけましょう。そして、A,B,Cそれぞれの表・裏の組み合わせをすべて書き出せば良いわけです。(表=お、裏=う、と表記。)

(A,B,C)
3枚が表(お・お・お)
2枚が表(お・お・う)(お・う・お)(う・お・お)
1枚が表(お・う・う)(う・お・う)(う・う・お)
0枚が表(う・う・う)

これで、表・裏の組み合わせは全部で8パターンになりましたね。

よって、3枚のコインを投げてすべて表になる確率は「8分の1」ということになります。

まとめ

「コインを3枚」とか「サイコロを2個」など、人間から見ると同じものでも、確率を考えるときは、それぞれを区別して計算しなければいけません。

確率の計算での間違いは、この前提条件を間違えてしまっていることがよくあります。

確率は、実は日常生活の中にも隠れていることがあります。

ぜひこの機会に確率を学び直してみてください!


文・監修:SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。

編集:TRILLニュース