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大人が意外と間違える「1/2乗ってどう計算する?」 実は一瞬で解けます

  • 2023.10.17
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同じかけ算を繰り返すときには「指数」を用いて表します。

3回かける、4回かける・・・など、何度もかけ算を書かなくても良いので、とても良い表現の仕方ですよね。

実はこの指数、分数を使うこともできるのです。

問題

次の計算をしなさい。

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「25の(2分の1)乗」という数です。

例えば「2の3乗」であれば、2を3回かけ算、つまり2×2×2=8になります。

「25の(2分の1)乗」ということは、25を(2分の1)回かけ算するという意味になってしまいます。

「(2分の1)回かけ算する」とは、どういうことなのでしょうか。

半分だから12.5!? というのは違います。

 

さて、今回の答えは「5」です。

解説

結論から言うと、(2分の1)乗というのはルート(√)と同じなのです。

(25の(2分の1)乗)=√25=5

√25というのは、「同じものを2回かけて25になる数」でしたね。5×5=25なので、√25=5です。

「(2分の1)乗はルートになる」ということだけ知っていれば、一瞬で計算ができてしまいますが、どうしてそうなるのか気になりますよね。

 

では、ここからは「分数乗の計算」がどのようにして考えられたかの説明です。

そのために、まず指数法則を確認しておきましょう。

 

(2³)²のように、指数の計算にさらに指数がついているとき、指数部分のかけ算を行うことができます。

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ポイントは、指数が二重になっているときは、指数部分がかけ算ということです。
(上の式では3×2=6)

これと同じことを「分数乗」にして考えてみましょう。

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このように、(2分の1)乗を2乗すれば、1乗になります。

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つまり、2乗したものは2になっているので、その2乗をはずせば√2になるということです。

したがって、(2分の1)乗とルート(√)は同じなのです。

まとめ

「(2分の1)回かけ算する」というのは、おかしな感じがします。

しかし数学では、現実的にはおかしくても、数式の変形に矛盾がないように定義ができていれば問題ありません。分数乗という計算もそのひとつです。

 

今回は(2分の1)乗の計算でしたが、同じように(3分の1)乗、(4分の1)乗という計算やマイナス乗というものまで考えることも可能です。

計算の過程は少し難しいですが、高校数学以降で出てくる考え方になります!


文・監修:SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。

編集:TRILLニュース