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大人が意外と間違える「2xー4>5x+8の答えは?」《分かったらスゴい》

  • 2023.10.11
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数学の計算といえば「方程式」とイメージする方も多いでしょう。

xやyなどの文字を含んだ式で、式が成り立つように、その文字に当てはまる数字を求める計算です。

では、「不等式」の計算は覚えているでしょうか。

今回は、不等式の計算に挑戦してみましょう。

問題

不等式 2xー4>5x+8 を解きなさい。

「不等式」というのは、数の大小関係を表す式です。

“>”や“<”という不等号を使って、大小を表しています。

例えば、「x>5」は「x大なり5」と読んで、xは5より大きいという意味になります。

くの字形の開いた方が大きい、閉じた方が小さいということですね。

不等式の計算方法、方程式とほとんど同じ手順で計算することができますが、もちろん異なる部分もあります。

注意して計算してみてください。

 

さて、答えは「x<-4」です。
(不等号の向きに注意してください!)

解説

今回の計算、なかには「x>-4」が答えではないかと考えた方もいるかもしれません。

これは、不等号(<、>)の向きが違いますね。些細な違いのように見えますが、全く意味が違います。

答えは「x<-4」ですが、これは元の不等式に-4より小さい数を代入すれば、式の大小関係が成り立つということです。

2xー4>5x+8 の式に、x=-5を代入してみましょう。
(-5は-4より小さい数です。)

(左辺)
=2×(-5)-4
=-10-4
=-14

(右辺)
=5×(-5)+8
=-25+8
=-17

となり、確かにー14>ー17になっています。
(マイナスの数の大小関係なので注意)

 

問題の計算式は、不等号が「>」となっていましたが、答えは向きが変わって「<」となっています。

これはなぜでしょうか。

実は、ここが不等式のよく間違えるポイントです。

不等式の計算は、移項、かけ算・わり算など、方程式と同じ方法で計算することができます。

ただし、「マイナスの数でかけ算・わり算するとき」のみ、方程式にはない注意が必要なのです。

 

ここで、不等式の性質を確認してみましょう。

【性質1】不等式の両辺に同じものを足したり、引いたりしても、その不等式は成り立つ。
(例)
5>3
5+2>3+2
7>5

5は3より大きいです。それぞれに2ずつ足して、7と5になっても大小関係は変わりません。

【性質2】不等式の両辺にプラスの数をかけたり、割ったりしても、その不等式は成り立つ。
(例)
5>3
5×2>3×2
10>6

先ほどと同じく、5は3より大きいです。それぞれに2をかけて、10と6になっても大小関係は変わりません。

ここまでは、方程式と同じ性質です。次の性質が不等式のみの特別な性質になります。

【性質3】不等式の両辺にマイナスの数をかけたり、割ったりすると、その不等号は入れ替わる。
(例)
5>3
5×(-2)>3×(-2)
-10<-6

5は3より大きいです。それぞれに-2をかけて、-10と-6になると大小が変わりました。

このように、不等式ではマイナスの数をかけたり、割ったりすると、不等号が入れ替わるのです。

 

今回の問題の途中式を書くと次のようになります。(不等号の入れ替わりに注意してみましょう)

2xー4>5x+8
2xー5x>+8+4(移項をした)
ー3x > 12
x < ー4 (-3で割ったので、不等号が変わる)

まとめ

方程式に比べて、不等式の計算をする機会は少ないので、計算方法を忘れているという方も多いのではないでしょうか。

しかし、仕組みを理解してしまえば難しくないはずです。

忘れていた方は、ぜひ学び直しをしてみてください!


文・監修:SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。

編集:TRILLニュース