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大人が意外と分からない算数「36と42の最大公約数は?」《小学生でもわかる問題》

  • 2023.10.7
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「約数」は、小学5年生で学習する単元です。

「約数を求めなさい」という問題は、日常であまり使わないかもしれませんが、約数の考え方は数学の単元の中でも重要なものの一つです。

今回は、そんな約数に関する問題です。

問題

36と42の最大公約数を求めなさい。

約数」というのは、ある整数を割り切ることのできる数のことです。

例えば6の約数を考えてみましょう。

6÷◯をして、あまりが出ないように◯を決めれば良いのです。

小さい数だと簡単に求めることができそうですね。

6÷2、6÷3などは割り切れます。

よく忘れてしまうのは、6÷1、6÷6です。これらも割り切れる計算になっています。

つまり、6の約数は1、2、3、6ということになります。

 

次に「公約数」ですが、これは2つ以上の数について、共通な約数のことです。

先ほど、確認した通り6の約数は1、2、3、6です。
同じように8の約数を考えると、1、2、4、8ですね。

この中で共通しているのは1と2です。

なので、6と8の公約数は1と2ということになります。

 

そして最後に「最大公約数」というのは、その言葉通り、公約数の中でも最大のものです。

6と8の公約数は先ほど確認しましたので、最大公約数は2ということになりますね。

ここでは、6と8という小さな数で考えましたが、問題では「36と42」です。

求めることができるでしょうか。

 

さて、答えは「6」です。

解説

先ほどの例と同じく、36や42の約数をひとつずつ求めていくことで、最大公約数は求めることが可能です。

ただ、今回は別の解き方を紹介します。

それは、素因数分解を用いて最大公約数を求める方法です。

素因数分解というのは、ある整数をこれ以上分けられなくなるまでかけ算の形に直すことです。(数学的には、「素数の積にする」と言います)

36=2×2×3×3

右側のかけ算を計算すると確かに36になりますね。

同じように42も素因数分解してみましょう。

42=2×3×7

ここから、どのように最大公約数を求めるのでしょうか。

約数というのは、もとの数を割り切らないといけません。なので、この分解した数を含んだ数でなければ約数にはならないのです。

36=2×2×3×3
例えば、7は約数でないことは明らかです。
なぜなら、分解した数に7を含んだいないので、36を7で割ることはできません。

つまり、素因数分解の形を見比べて、それぞれの共通部分を取れば、最大公約数になります。(下図)

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したがって、最大公約数は6です。

「36÷6」「42÷6」は共に割り切ることができますね。

まとめ

この解法を初めて聞いた方は、難しく感じるかもしれません。約数をひとつずつ書き出す方が簡単じゃないかとも思うでしょう。

確かに、ある程度小さな数であれば、約数を書き出すのは難しくありません。

しかし、大きな数の最大公約数を求めることになれば、こちらの方が簡単だと感じるでしょう。

同じ問題でも様々な解き方ができるようになるといいですね!


文・監修:SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。

編集:TRILLニュース