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ジャズシーンで増加するアーティストレーベルは、環境の変化に対応する切り札となるか?

  • 2023.9.19
音楽レーベル〈NATIVE REBEL〉、〈BANGE R FACTORY〉、DEAD〉、〈YES〉、〈〉〈RAINBOW BLONDE〉、〈GROUNDUP〉ロゴマーク

ブルーノートやノンサッチといった名門がコンスタントに重要作をリリースしていたり、シカゴのインターナショナル・アンセムがオルタナティブなジャズをプレゼンテーションしてインディー音楽リスナーを魅了していたり、またイギリスのエディションが次々に大物と契約して話題をさらったりと、今もメジャーレーベルはジャズにおいて重要な役割を果たしている。

ただ、SpotifyやApple Music、Bandcampで音楽を聴くのが主流になっている状況下では、アーティストがレーベルに求めるものは変わり、レーベルの在り方も変化しているようだ。

LAのプロデューサーのフライング・ロータスが自身のレーベルのブレインフィーダーを設立し、アーティストの意志を尊重した運営を貫き、サンダーキャットやカマシ・ワシントンを成功へと導いたことは記憶に新しい。のびのびと自らを表現するブレインフィーダーのアーティストの姿はシーンを刺激し、そこから触発されたかのように、近年アーティスト自身がレーベルを運営するケースが明らかに増えている。

もしかしたら大物プロデューサーのドン・ウォズが指揮を執り始めてからブルーノートの存在感が増していることも、同じ文脈で語ることができるかもしれない。

音楽業界の環境がどんどん変わっていく中で、アーティストの音楽制作のやり方も作品のリリースペースも、そしてリリースの形態も変わってきている。アーティストレーベルはそれに対応する回答の一つとして確実に広がり始めている。

アーティストが運営するレーベル

NATIVE REBELのロゴ
UKジャズの象徴シャバカ・ハッチングスが運営する最注目のレーベル。ロンドンから南アフリカまで、ジャズからラップまで、シャバカが見つけた刺激的な音楽が並んでいる。
BANGER FACTORY のロゴ
イギリスのトランペット奏者マーク・カヴーマが運営。ロンドンのオーセンティックジャズの今をドキュメント。ロンドンの重要NPOキネティカブロコとのコラボ作がおすすめ。
JAZZ IS DEADのロゴ
A・ヤングとA・S・ムハンマドの2人が、ヒップホップやレアグルーヴ文脈の大ベテランの新録音を行うために設立。積極的にライブも行い世代を超えた交流を促している。
YESのロゴ
ジェイソン・モランが自身の作品の発表の場として設立。明らかに以前より多様な編成、多彩なコラボを録音できるようになり、自身の表現を余すことなくアウトプットしている。
RAINBOW BLONDEのロゴ
ブルーノートを抜けたホセ・ジェイムズがレーベルを設立。クリスマスアルバムを作ったりエリカ・バドゥをオマージュしたり、軽やかな活動はホセの魅力を増幅させている。
GROUNDUPのロゴ
スナーキー・パピーのマイケル・リーグが運営。スナーキー・パピーのコミュニティを生かして優れた音楽家を埋もれさせないのがコンセプト。レーベル主催のフェスを毎年開催。
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