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さすって、つまんで、ほぐすだけ! 肩こり&首の痛み解消“筋膜ほぐし”

  • 2023.9.16

多くのデスクワーカーが抱える、肩こりや腰痛などの悩み。解消するには筋肉マッサージ、と思われがちだけれど、「まずは筋肉を覆う、筋膜をほぐすのが近道です」と、理学療法士の土屋元明さん。最近よく耳にする、この筋膜とはいったい?

「脂肪組織の中にある膜で、筋肉だけでなく血管や内臓などあらゆる組織を覆い、体の動きに合わせて滑るように動くという特性を持っています。ところがパソコン作業などで長時間、悪い姿勢や偏った体勢でいると、この滑走性が落ちてしまう。筋膜がひきつれることで筋肉に負担がかかり、それがコリや痛みとなって表れるのです」

猛暑で外出が減り、冷房にさらされる時間も長かったこの夏。

「体はカチコチの状態です。不調が慢性化してしまう前にコリや痛みのある部分の筋膜を滑らせ、ケアしましょう」

方法はいたってシンプル。

「皮膚の下にある筋膜を、やさしくさするのが基本。強く圧迫せず、表面をそっと押さえて揺らすイメージで行うのがコツです。皮膚が厚いところはつまんだり、4本の指でたぐり寄せる“スキンロール”でほぐすのが有効。いずれも痛みやコリが軽減するのを感じながら、皮膚が柔らかくなるまで丁寧に行ってください」

さらに土屋さんがすすめる秘密兵器が、作業用のゴム手袋。

「ゴム手袋をはめることで手を皮膚に密着させられ、筋膜に効率よく刺激を送れます。効果も実感しやすくなりますよ」

“筋膜”って?

皮膚組織のすぐ下、2層からなる脂肪組織の中の膜。「全身にネットのように張り巡らされていて、筋膜が滑走することで人はスムーズに動いたり姿勢を保ったりすることができるのです」。反対に滑りが悪くなると、動いた時に筋肉に無理が生じ、痛みやコリを生む。

筋膜ほぐし、主な3つの手の動き。

1、さすりほぐし

手のひら全体を皮膚に軽く押し付けながら上下や左右に滑らせて、ひっかかりがあるところを小刻みに揺らす。主に浅いところにある筋膜を動かすのに効果的。

2、つまみほぐし

皮下脂肪をつまんで、深いところにある筋膜をほぐす場合に有効。指先を使うと刺激が強すぎるので、指の第二関節のあたりで皮膚をやさしく挟む。

3、スキンロール

小指以外の4本の指で、皮膚をたぐり寄せるようにしながら進む。親指は皮膚から離さないようにして、進行方向へと滑らせるように動かすのがコツ。皮膚が厚い場所や、広い範囲に痛みやコリがある時に。

【POINT】ゴム手袋でほぐすのが効果的!
筋膜ほぐしを行う上でぜひおすすめしたいのが、園芸用や作業用の手袋の利用。ザラザラした表面が肌にぴったりと密着して、ほぐし効果を格段にアップ。ドラッグストアやコンビニなどで、数百円で購入できる。

【お悩み別筋膜ほぐし】肩こり&首の痛み

デスクワーク中の頭は自然と前に傾くため、頭を支える僧帽筋は常に緊張した状態に。結果、筋膜の滑りが悪くなり、首や肩にコリや痛みを生じる。

「冷房の風を受けやすい場所なので念入りに。同じく肩こりの原因となる肩甲挙筋は、肩の深い部分にある筋肉。鎖骨の上を押さえながら腕を回し、刺激します」

僧帽筋の筋膜ほぐし

元祖「肩こり筋」は、つまんでほぐす。

1、小指以外の4本の指で、肩の凝っているあたりの皮膚をまんべんなくつまむ。

2、無理なくできる人は、親指で押し進めながら、それ以外の3本の指で皮膚をたぐるようにしてスキンロールを行う。

肩甲挙筋の筋膜ほぐし

腕を動かしながら、深部の筋膜を滑らせて。

1、肩を上げた時にできる鎖骨の上のくぼみに、人差し指を入れる。

2、軽く押さえたまま頭を左右に5回ずつ倒す。

3、肩を後ろから前へとゆっくり回す。5回行ったら、前から後ろ回しを。反対側も同様に行う。

土屋元明(げんめい)さん 理学療法士。代表をつとめる施術院『動きのこだわりテーション』でリハビリを行い、多くの悩みをケアする。『不調と痛みが消える! 10秒筋膜ほぐし』(主婦の友社)など著書多数。

ブラトップ¥10,450(ジュリエ ヨガ アンド リラックス TEL:03・5720・8256)

※『anan』2023年9月20日号より。写真・中島慶子 スタイリスト・白男川清美 ヘア&メイク・浜田あゆみ モデル・橘 季希 取材、文・新田草子

(by anan編集部)

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