1. トップ
  2. おでかけ
  3. 初詣の参拝者は日本一!大都会に広がる永遠の杜 明治神宮―東京神社案内【20】

初詣の参拝者は日本一!大都会に広がる永遠の杜 明治神宮―東京神社案内【20】

  • 2023.9.16

東京都には約2,000社の神社があると言われています。初詣や祈願成就で参拝したり、散歩がてらに立ち寄ったりと神社に行く機会は何かと多いのでは。そこで本シリーズでは、写真家の石津祐介さんが神社の見どころや土地とのつながり、オススメの授与品を紹介し、神職の方からお話を伺います。第20回は「明治神宮」です。

国内外から多くの参拝者が訪れます(画像:石津祐介)

●東京を代表する神社

東京の神社といえば、真っ先に思い浮かぶ神社といえば明治神宮でしょう。初詣の参拝者は日本一を誇り、国内外から多くの参拝者が訪れる「誰もが知る」神社です。今回は、明治神宮の神職の方に案内していただきました。

「明治神宮では御祭神として、明治天皇様と昭憲皇太后様をお祀りしています。明治天皇様は日本の近代化に尽力され国民にも慕われておられました。明治45年7月30日に崩御なされた際には、国民からお祀りする神社を建てたいという声が上がりました。その後、みあとを追われるように昭憲皇太后様が崩御されまして、二柱の神様として祀る神社を創建したいという国民の熱い思いのもと、大正9年11月1日に創建されました。令和2年には、鎮座100年を迎えました」(明治神宮神職)

御祭神ゆかりの品々が展示されている明治神宮ミュージアム(画像:石津祐介)

●永遠の杜

明治神宮は、都会とは思えないほど多くの木々に囲まれています。およそ70万平方メートルの広大な杜は、驚くことに新たに造営されたものでした。

「元々この辺り一帯は森は無く、荒地でございました。明治神宮を創建するにあたり、全国から約10万本の献木を受けまして、約11万人の勤労奉仕団によって植えられました。人工の杜を造営するにあたり、本多静六、本郷高徳、上原敬二ら専門家によって人の手を加えなくとも自然にサイクルする『永遠の杜』として計画されました。現在も極力手を加えず、参道の落ち葉も集めて杜に返しています」(明治神宮神職)

参道を覆う木々(画像:石津祐介)

●境内の見どころ

明治神宮の広大な境内には、さまざまな見どころがあります。原宿口からは緑豊かな参道を歩き、3基の鳥居を過ぎると御社殿にたどり着きます。

「御社殿は、先の大戦で戦禍に遭い焼失しましたが昭和33年に復興しました。南神門は焼失を免れ、創建当時の姿を留めています」(明治神宮神職)

多くの参拝者が集まる御社殿(画像:石津祐介)
創建当時から残る南神門(画像:石津祐介)

御社殿の左手にはしめ縄で結ばれた二本の楠(くすのき)があり、「夫婦楠(めおとくす)」と呼ばれています。明治神宮の創建当時に献木され、戦禍も免れました。縁結び、夫婦円満、家内安全の象徴となっています。

拝殿前の「夫婦楠」(画像:石津祐介)
しめ縄で結ばれた二本の楠(画像:石津祐介)

明治神宮の境内には、全部で8基の鳥居があり、中でも目を引くのが第二鳥居です。

「第二鳥居は、木造の明神鳥居としては日本一で、高さは12m、幅は17.1m、柱の直径は1.2mで、台湾檜が使われています。南参道の鳥居も台湾檜でしたが、老朽化が進んだので鎮座100年の記念行事の一環として、令和4年7月に新たに国産の杉材で建て替えられました」(明治神宮神職)

木造の明神鳥居としては日本一の大鳥居(画像:石津祐介)
原宿口に立つ南参道の鳥居(画像:石津祐介)

●酒樽とワイン樽

南参道には、全国から奉納された多くの菰樽(こもだる:菰を巻いた酒樽)が並び、参道の反対側にはワイン樽があります。

「明治天皇様は、西欧文化を積極的に採り入れられ特に葡萄酒をお好みでした。ここに並ぶワイン樽は、ブルゴーニュ地方より奉献いただいたものでございます」(明治神宮神職)

全国から奉納された日本酒(画像:石津祐介)
ブルゴーニュ地方の醸造元から奉納されたワイン樽(画像:石津祐介)

●明治神宮御苑と清正井

社殿の南側には明治神宮御苑が広がり、四季折々の風情を楽しむことができます。パワースポットとして話題になった「清正井(きよまさのいど)」もここにあります。

「もともと、この場所は加藤家の下屋敷があり後に井伊家に渡され、明治になり皇室の御料地となりました。あまり体がご丈夫ではなかった昭憲皇太后様のために、明治天皇様が御苑として整備するように命ぜられました。また清正井は、加藤清正が掘ったと井戸と伝えられています」(明治神宮神職)

ご休息所として建てられた隔雲亭(かくうんてい)(画像:石津祐介)
清水が湧き出る清正井(画像:石津祐介)

●人気の授与品や御朱印をいただこう

明治神宮にはさまざまな授与品がありますが、特におすすめなのが「心願成就みのり守」と「勝守」です。そして明治神宮の吉凶のないおみくじ「大御心(おおみごころ)」にも注目です。

「みのり守は、鎮座100年を記念し作られたお守りです。願い事を木の札に書いて袋に納めてます。札は明治神宮で役目を終えた御神木で作られています。勝守は、勝負事や己に打ち勝つという願いが込められたお守りです。大御心は、明治天皇様と昭憲皇太后様が詠まれた歌の中で日々の教訓となるものが書かれています」(明治神宮神職)

心願成就みのり守(画像提供:明治神宮)
勝守(画像提供:明治神宮)
大御心(画像提供:明治神宮)
御朱印とご朱印帳(画像提供:明治神宮)

■明治神宮(めいじじんぐう)住所:東京都渋谷区代々木神園町1-1TEL:03-3379-5511(代表)開門時間:日の出から日の入りまで(月によって異なるのでHPを参照)祈願受付:9:00~16:20御朱印・授与品:9:00〜閉門までアクセス:東京メトロ千代田線・副都心線 明治神宮前駅より徒歩1分JR 原宿駅より徒歩1分JR 代々木駅より徒歩5分小田急線 参宮橋駅より徒歩3分東京メトロ副都心線 北参道駅より徒歩5分

石津祐介

元記事で読む
の記事をもっとみる