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『弱ペダ』の影響でロードバイク乗りになった人がフランスで1,200km完走!漫画から学んだことを語る

  • 2023.9.15

漫画『弱虫ペダル』がきっかけでロードバイクに乗るようになった人が、フランスで開催される自転車イベント「パリ・ブレスト・パリ」に出場、1,200kmという長距離を完走したと報告し話題になっている。

PEKOさんと愛車のロードバイク「ARGON18」 出典:Togetterオリジナル

X(Twitter)に投稿したのはPEKO(@ab_peko)さん。PEKOさんは自転車競技が題材の人気漫画『弱虫ペダル(通称:弱ペダ)』がきっかけでロードバイクを始め、国内外のロングライドに次々挑戦するようになったという。

「パリ・ブレスト・パリ」(以下、PBP)への参加は今回が2回目。「ブルベ」と呼ばれる、制限時間内で完走すれば認定される参加形態で、この場合84時間以内に、パリからフランス西部のブレスト間の往復1,200Kmを完走するというものだ。

そもそもPBPにエントリーするには1年以内に一定の距離を完走し認定を得るなどの条件があり、ある程度の経験を積んでいなければ参加できない。

自分を励ましながら初参加した2019年のPBP 出典:Togetterオリジナル

PEKOさんの様子が気になっていたX(Twitter)ユーザーからは「自分も弱虫ペダルからいろいろなモノをもらったので胸熱になりました」「がんばって! 弱ペダから始めた子はだいたい強いんだ」「お気をつけて、楽しんで走ってきてください」など応援のメッセージが多く寄せられた。

かくして結果は…

世界中のサイクリスト達と共に記念写真 出典:Togetterオリジナル

なんと、日本女子最速記録の65時間台でゴールという驚異の結果に。当初の目標84時間以内より20時間も早く、さらには、4年前のPBP初参加時より8時間短縮できたという。

しかも驚くべきことにPEKOさんはこの直後に飛行機でクロアチアへ移動し、600kmの距離(通称:SR600)をロードバイクで走行するツーリスト部門に参加。そして日本人初の完走者となったのだそう。

ツーリスト部門で日本人初の完走者となったクロアチアのSR600 出典:Togetterオリジナル

PEKOさんにロードバイクに関することや、長距離のロングライドへ参加したこと、『弱虫ペダル』に対する想いなど詳しく話を聞いた。

「かっこいい、自分も乗ってみたい」から始まった

『弱虫ペダル』を読んでから、実際にロードバイクに乗るようになったきっかけは?

弱虫ペダルの漫画を通してロードバイクの存在を知った時「かっこいい、自分も乗ってみたいな」と思ったのがきっかけです。
レースをするだけではなく、乗り物として乗りやすいという側面を知れたのも大きかったです。
出典:Togetterオリジナル

今回2回目の挑戦だそうですが、どんなトレーニングを行いましたか?

2019年の挑戦の時と同じく、週一回1時間程度の自重トレーニング(筋トレ)を行っていました。
また厳しいコースを走ると、それより短いコースをラクに感じられる心理的効果がありました。そのためなるべく2019年のPBP以降から、より長い距離、より厳しいコースに挑むようにしていました。
出典:Togetterオリジナル

これまで国内外でのレース参加歴は

人と競うのが苦手なので、レースは友達とグループのエンデューロ(※)に一度出たきりです。
今自分が挑戦しているブルベには年間多い時は10,000kmくらい走る時もあります。
海外は今までに、フランス(PBP1,200Km×2)、台湾(山岳600km)、韓国(韓国一周2,030㎞)、クロアチア(山岳600km)、アメリカ(1,400Km)を走りました。
出典:Togetterオリジナル

(※)…決められた時間の中で、より多くコースを周回する耐久レースの競技

153時間で完走した韓国一周のロングライド 出典:Togetterオリジナル

初めて海外のイベントに参加した時と、完走後のお気持ちをお聞かせください。

もともと海外旅行が好きだったので、そこにさらに自分の好きな自転車が加わったので海外のイベントは興味深々でした。
ただ、普通の旅行と違い自転車を飛行機で運ぶ時の破損のリスクや、日本とは勝手の違う食べ物や飲み物の補給など不安はたくさんありました。
移動して始まるまでは緊張して仕方ないのは今も同じなのですが、完走後は見た景色や出会った人々についていろいろな感情がいつもこみ上げてきて、また別の国でのチャレンジをしてみたいという気持ちになります。
出典:Togetterオリジナル

今後挑戦したいイベントは?

今後の予定で確定しているのは台湾、タイ、イタリア、イギリスの長距離イベントに出る予定です。
出典:Togetterオリジナル

ロードバイクに乗り始めてから『弱虫ペダル』で学んだことや取り入れたことは。

『弱虫ペダル』から学ぶべきことはたくさんありました! やはり作者の渡辺航先生ご本人が自転車乗りだからか、役に立つ知識がたくさん散りばめられています。
例えば主人公の小野田坂道くんがママチャリからスタートした時、サドルの適正な高さを同級生の寒咲さんから指摘されたり、実際にロードレーサーに乗り始めてから、少し置いてビンディングシューズという靴とペダルを固定するアイテムを先輩の手嶋さんからもらったり…
自転車をステップアップしていくうえで必要なことが、ストーリーの中できちんと順を追って描かれているのでためになります。
出典:Togetterオリジナル
またロングライドをしている私とレースをしている『弱虫ペダル』のキャラ達の方向性は少し違いますが、作中で「おそらくハンガーノック(※)状態で走れなくなったんだな」というシーンがあり、私自身も走行中はそうならないよう心がけています。
新開さんがずっと補給食をくわえているのはキャラ付けもあるのでしょうが、あれほど筋肉と重量があってパワーで登るタイプの彼には必要なことなんだなと納得しました。
こんな風に自分もロードに乗ってから「この部分はこうだったんだ!」と気付くことができたので、ある意味2度作品を楽しめました。
私は小野田坂道くんが好きなので、彼の「最後まであきらめずに走り切る」という姿勢をいつも見習っています。どんな時も、他の経験者が諦めようとした時も最後まであきらめない…というところが今の私の根源にあります。
出典:Togetterオリジナル

(※)…激しい長時間に渡るスポーツの最中、極度の低血糖状態に陥ること

ロードバイクと共に、国内外をサイクリングするPEKOさん。ロングライドの実況投稿には「がんばれ!」という応援と共に、たくさんの勇気をおすそ分けしてもらったような気持ちになった。

記事中の画像付きツイートは許諾を得て使用しています。

文:みわんこ 編集:Togetterオリジナル編集部

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