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クラシックな町並みに、ニューショップが続々。三崎の古着店とセレクトショップを覗く

  • 2023.9.11
左/bop 店内、右/雑貨屋HAPPENING 店内

bOP

入船すずらん通りにある〈bOP〉は今年2月にオープンした古着店だ。営業は週末の土日のみ。シャッターを一部だけ開けたガレージのような店内には、ラックがふたつと手作り感のある木の什器、小さな一人がけソファが置いてあった。

bOP_店内
この日はちょうど古着が入荷したばかり。店内奥の小上がりが試着室になっている。
bOP_看板
シャッターにペタッと貼られたロゴが看板がわり。

店主の吉田峻さんは現在大学生で、平日は学校に通い、週末だけ店を開けている。〈本と屯〉のアルバイトをしていたとき、代表のミネシンゴさんから店を任されたという。

〈bOP〉店主の吉田峻さん
「リラックスしながらも、デザイン性や機能性も兼ね備えた服を紹介していきたいですね」と吉田さん。

「ミネさんと『三崎で古着屋さんができたらいいね』と話していたんです。僕がアパレルで販売員をしていた経験もあって、店長として、仕入れをはじめ業務全般を任せていただくことになりました」

小規模な店舗で、大量に古着を仕入れる必要がないため、細かくセレクトし、厳選した服だけを扱っている。店頭に並ぶのはヨーロッパのシェフジャケットやコーデュロイのショーツなど、メンズ・レディースを問わず、吉田さんがピンときた服ばかり。

bOP_店内にディスプレイされた古着
こちらの壁には季節の注目アイテムを並べている。現在注目しているのはリネン素材の古着で、ユーロ系が多め。
bOP_店内にディスプレイされた古着
左/タイの象使いが使っていたというブルーの半袖シャツ18,000円。中/50~60年代のフランスのシェフジャケット14,000円。右/三崎という土地柄、アウトドアや釣り系のアイテムも。フィッシングベスト27,000円。
bOP_店内
セーターやデニム、デッドストックのシューズなど、ベーシックなアイテムは奥の棚に。

「店名の〈bOP〉とはジャズの“be bop”から転じた“踊れる曲”という意味のスラングで、今の気分な、心躍るアイテムをセレクトするのがコンセプトです。個人的な趣味はアメカジよりユーロ。あと、デザインが面白い服が好きで、今シーズンはリネン素材で変わった形の服をいろいろ集めています。あと、三崎の男性って大体みんな大柄なんですよ。だから自然と大きめのサイズを揃えるようにしてますね」

古着だけでなく、オリジナルアイテムや、三浦出身の知人がつくるブランド〈feel かんじる/よい子のまち〉のアイテムも扱っている。

左/ニットブランド〈LANA〉に頼んで作ってもらったニットキャップ 右/オリジナルのキャップ
左/ニットブランド〈LANA〉に頼んで作ってもらったニットキャップ5,500円。右/オリジナルのキャップ5,000円。
〈feelかんじる/よい子のまち〉のTシャツと刺繍入りキャップ
友人が手掛ける〈feelかんじる/よい子のまち〉のアイテムは、三崎土産にぴったり。左/某所の落書きを引用したTシャツ(4,180円)は続々とバージョン違いが作られているそう。右/刺繍入りキャップ5,280円。

吉田さんは〈本と屯〉のバイトを始めてから三崎に通うようになり、今は店の2階を住居にしている。街の魅力をこう話す。

「都心から近いのにこんなに下町感のある港町って、そうない気がします。逗子や葉山みたいに資本が介入してないし、漁業があって、街が生活に根ざしている。小さなコミュニティだから自然と顔見知りになりますしね。人を感じるし、だから愛着が湧いてくるんだと思います」

Information

bOP

住所:神奈川県三浦市三崎1-11-5
TEL:なし
営:12:00~日没まで
休:月~金
Instagram:@bop.misaki

雑貨屋HAPPENING

〈bOP〉の隣にある〈雑貨屋HAPPENING〉は、イベントスペースを備えたセレクトショップ。三崎の雑貨や食材をはじめ、全国のローカルなアイテムが揃う。壁には、イラストレーターunpisさんのグラフィックが一面に描かれていて圧巻だ。

雑貨屋〈HAPPENING〉店内
unpisさんのイラストは、すべて「ハプニング」をテーマに描かれているそう。蛍光灯も「HAPPEN」だ。
〈HAPPENING〉店長の矢口莉子さん
店長の矢口莉子さん。

店長を務める矢口莉子さんは、地元である東京の田原町と三崎の二拠点を行き来しているという。

「アタシ社では『TURNS』という移住マガジンの編集を手掛けているんですが、全国を飛び回るうちに地域ごとにいいアイテムと出合うんです。それで、三崎や全国のアイテムを集めたショップを作ることになりました。季節の三浦野菜を使った高梨農園さんのジャムやピクルスは、季節ごとで野菜が変わります。同梱のスパイスを使えば、三崎のお魚でスパイスカレーが作れる『MISAKI CURRY BOOK』は、当店のオリジナルアイテム。鎌倉三崎のお魚と一緒にスパイス商社〈アナン〉のメタ・バラッツさんと一緒に作りました」

高橋農園が作る手作りジャム
鎌倉時代から三浦で農業を営んできた高梨農園が作る手作りジャム。左からレモン、トマト、かぼちゃ。各400円。
左/高橋農園のトマトハリッサ 右/高橋農園のピクルス
左/三浦産のトマトと唐辛子をベースにした万能調味料トマトハリッサ(650円)。右/きゅうり、コリンキー、赤玉ねぎを漬けたピクルス(550円)。いずれも高梨農園のもの。
MISAKI CURRY BOOK
3~4人前のカレーと、野菜のアチャールまたはサブジ、チャイを作れる使い切りスパイス、そして小冊子が付いたキット「MISAKI CURRY BOOK」(1,320円)。写真の「青魚とバターカレーの出会い」の他、全部で3種類の味が。
unpisさんのイラストが表紙に描かれたPADNOTE
〈雑貨屋HAPPENING〉が大成紙器製作所とコラボしたオリジナルアイテム、PADNOTE(A5サイズ840円、ポケットサイズ660円)。2つ折りの紙を束ねてメモパッド状にしており、1枚ずつ剥がせるのが特徴。表紙のイラストはunpisさんが手掛けている。
陶芸家、林彩子さんが作る、醤油差し「コトリ」
作家が作った一点ものの作品も。こちらは鎌倉でアトリエ〈At Home Works〉を営む陶芸家、林彩子さんが作る、液だれしない醤油差し「コトリ」(4,400円)。

元呉服屋の物件を改装した店内にはイベント用の小さなステージも。落語や大喜利、演劇、音楽ライブなど、様々なイベントを開催。“ヒト・モノ・コト”が集まる文化の発信基地でもある。さらに2階には泊まれるコワーキングスペースがあり、畳敷きの大きな部屋に男女別の風呂も用意している。今後はシルクスクリーンのワークショップも予定しているらしい。

雑貨屋HAPPENING_外観
どっしりと大きな建物。1階は全面ガラス張りだからunpisさんのイラストが特段目を引く。

遠い土地のフェアを行い、生産者や作り手にスポットを当てることで、ローカルの面白さがぐんと際立ってくる。三浦産のジャムやピクルスも輝いて見えた。「日常に小さな事件を。」というコンセプトのもと、様々なハプニングなアイテムを揃える〈雑貨屋HAPPENING〉。三崎を訪れたら覗いてみたい。

Information

雑貨屋HAPPENING

住所:神奈川県三浦市三崎1-11-4
TEL:なし
営:11:00~17:00
休:月・火休
※営業日時はインスタグラムを参照
Instagram:@happening_miura

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