基地で乱闘騒ぎが勃発…→原因はまさかの女性兵士！？【米軍基地で働いてみた(16)】

（前回の続き）新たに基地にやってきた大柄な女性兵士、通称「ポカホンタス」。

普段控えめな彼女と小柄な兵士のデート現場（？）を目撃してほっこりした私でしたが、翌日基地のクラブで乱闘騒ぎが起きた事を聞いたのです。

兵士たちには当然「クラブ出入り禁止・アルコール禁止」処分が下されたそうですが、私達スタッフにとっては最悪の事態。
兵士たちが入れず、お酒も飲めないとなると、売り上げもチップも激減してしまうので、死活問題になります。

そんな騒動が起きた翌週、スポーツジムに出勤すると左手に包帯を巻いたポカホンタスが、うつむき加減に入って来ました。私と目が合うと彼女は頬を赤らめバツが悪そうな様子です。

「小柄な彼とDIYで怪我しちゃったのかしら…」と思い、あえて声はかけませんでしたが、奥から同僚が「すげーよな、彼女！」と言うのです。
一体なんの事か分からなかった私は、思わず「どういう事？」と、聞き返しました。

話を聞くと、驚くべきことに乱闘騒ぎの中心メンバーの一人はなんと「ポカホンタス」だったと言うじゃないですか！

「えー！」と唖然とする私に同僚が説明を続けます。
なんと彼女は、意中の小柄な男性兵士が酔っぱらった兵士にからかわれているのを見かねて、庇った結果、乱闘に発展してしまったんだとか。

しかも、彼女は手に傷を負った程度でしたが、彼女に投げ飛ばされた他の兵士たちは病院送りで入院中とか…。

鍛えられた男性兵士を病院送りにするとは、恋する乙女の怒りはすさまじい！
正義感が強くて優しく、愛情深くて腕っぷしも強いのに、恥ずかしがり屋のポカホンタス。

この一件以来、本人の意思に反し基地内でも一目置かれる存在になりましたが、普段の彼女を知っている私は、密かに「恋も上手くいったら良いのになぁ」と思いながら何気ない日常の出来事の裏に潜む、人間ドラマに驚かされるのでした。

次回は、上下関係の厳しい米軍基地において、誰しもが平等なあるモノについてご紹介します！