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ソウルの独創的な3つの建築に、新古のアートが調和する。

  • 2023.9.8

ここ数年で、街も店もがらりと変化を遂げたソウル。この地で生まれ育ったソウルっ子が推す、渡韓したらまず訪れたい新名所4軒を紹介。

リウム美術館리움미술관(リウムミスルガン)

推薦人チョン・イル / 俳優

Il Woo Jung/2006年、映画『静かな世界』で俳優デビュー。時代劇やラブコメなど、幅広いジャンルで活躍。23年には7年ぶりのスクリーン復帰作『高速道路家族』が日本でも公開。@jilwww

古美術館(M1)より。マリオ・ボッタによる逆円錐形の建物構造に合わせてらせん階段に施されたキム・スージャによる『To Breathe』。小窓に特殊なフィルムが張られ、天窓から降り注ぐ光によって壁に虹のような影ができる仕組み。

韓国きっての大企業、サムスングループの創始者である故イ・ビョンチョルは、古美術品の収集家でもあった。そんな彼の貴重な美術品コレクションを公開すべく2004年にサムスン文化財団が設立したのがここ、リウム美術館だ。開館以来、韓国の伝統美術と国内外の近現代美術が共存するユニークな美術館として、アート界の最前線を歩んでいたのだが、パンデミックの影響により惜しくも一時的に幕を下ろすことに。そして、1年7カ月の充電期間を経て、21年秋に再び新たな姿で戻ってきた。

アニッシュ・カプーアの『Tall Tree & the Eye』。印象的な巨大オブジェがお出迎え。

美術館入口では、時計や地球の軌道を表現した、回転する新ロゴがお出迎え。

世界的建築家である、マリオ・ボッタ、ジャン・ヌーベル、レム・コールハースが手がける3つの建物はそのままに、ロゴと各建物内のアート作品が所々一新。ロビーに新たに設置された巨大スクリーンや、作品を360度自在に見ることができる3Dビューアー、日本語対応のデジタルガイドなど、アート鑑賞におけるデジタル化も頼もしい。そして、訪れる誰もが目を奪われたであろう、古美術館(M1)のらせん階段。天窓からの光を受けてレインボーのオーロラに輝くインスタレーションは、時間や天気によって移ろう、まさに光のアート。その未来的な佇まいと伝統ある展示とのギャップに目が奪われる。

12世紀頃の青磁の茶碗やカップ&ソーサーが並ぶ4階。

出口で圧倒的ラストを飾るのが、オラファー・エリアソンの『Gravity Stairs』。LEDチューブの円は、実際は半円で天井のフィルムに映ることで正円に見える。

韓国の作家を世に知ってもらうというポリシーから、作家ごとに展示販売のスタイルをとるミュージアムショップ。

先日も白磁の展示で同館を訪れたという美術館好きのチョン・イル。「旅先で美術館に行くことでその土地の文化を理解し、満喫できるものです。ここでぜひ韓国の美を感じてみてください」(イル)

リウム美術館리움미술관(リウムミスルガン)용산구 이태원로 55길 60-1660-16 Itaewon-ro, 55-gil, Yongsan-gutel:02-2014-6900Ⓜ︎ 漢江鎮(631)1番出口営)10:00〜18:00休) 月料) 一般無料(常設展)※オンラインチケット要予約www.leeumhoam.org

*「フィガロジャポン」2023年9月号より抜粋

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